機関投資家に関する二つの気になるニュースをピックアップいたします。
①JPモルガンの調査チームが、イーサがビットコインをアウトパフォームしている理由を分析しています。
1、流動性はイーサのほうが弾力的である。
弾力的とは、例えば価格が突発的な下落や上昇が生じたとき、すぐに戻ることを意味します。ビットコインは広く取引されていることで突発的な下落や上昇を吸収することはできますが、イーサは仮に突発的な下落や上昇があれば、複雑なメカニズム(この場合はDeFiやDEX)によって裁定機会が働きすぐに戻るということです。
2、デリバティブ市場への依存度の低さ
ビットコインは暗号資産のメインアセットでもあるのでデリバティブ市場が発達していますがイーサはそうでもないということです。つまり、よりファンダメンタルズの材料が蓄積されやすいということを言っているのでしょう。シカゴでは5月にイーサ先物がローンチされますし、着実にデリバティブ市場が開拓されていくのは間違いないですが、今のところビットコインのほうがデリバティブ市場に依存していることが指摘されています。
3、耐久性のある基礎的な需要基盤の証拠
DeFiやイーサリアムベースのエコシステムの構築。やはりスマートコントラクトによってアプリが作れるということは実需が伴っているため底堅いということでしょう。ビットコインはデジタルゴールドと言われていますが、例えばプラチナは宝飾品に使われる反面、触媒として工業品として使われる場合もあります。銅は更に工業品に使われており実需があるところはもしかしたらイーサ=銅ということなのかもしれません。
②ネクソン(時価総額300億ドル日経上場企業)が約1億ドル相当のビットコインを平均58,266ドルで購入
購入はビジネス戦略的なものではなく、ただ単に現金資産の購買力を維持、長期的な安定性と流動性を提供できると考えたからということなので、飛びついただけです。しかし、日本企業がこのような行動を開始したということは他の企業も横並び意識で参入する日も近いと言えるでしょう。日本の「銀行」が参入してくるときはどんな景色になっているのでしょう。それが数年後なのか、次の世紀になるのかは私も読めないです。
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BlockRabbit『クリプト訪ねて三千里』とは。
第596話からのターン。バトンタッチを受けたcryptoトレーダーは、DeFiとは何ぞや?ユーザー目線でコツコツ嚙み砕いていくコラムを書いていきます。
~第595話まで
現在の実態経済からは少し離れたところに、もう1つの経済圏がブロックチェーンによって興ると考えるShoが、その興隆を追っていくために毎日1社ずつ界隈のプロダクトを紹介していく超短編気まぐれ日刊コラムであり、メディア記事も幾つかピックアップしてお届けしておりました。