ブロックチェーンとデータベースはそもそもの仕組みが違いますが、ブロックチェーンとデータベースの究極的な違いというところが処理速度の違いになります。一元化されているデータベースの入力、変更、削除は直接処理が可能ですので間違いなくブロックチェーンより実行が速いです。
日本で暗号資産の普及が遅れているのは銀行間の振り込みが優れているからという理由もあります。300円以下で他行にも振り込みができますしほとんど間違いもないです。あと、同じ銀行内、支店内であれば更に手数料が安く、なかには無料で振替ができるところもありますね。これもデータベースで処理が楽にできるからで、ほとんどオペレーションのコストがかからないからです。銀行に預金していれば安心ですよね。取り付け騒ぎ、最近ではみずほのATM障害もありましたが、基本的に信用されているはずです。
ブロックチェーンは分散型なのですべてのトランザクションを処理するのに時間が必要です。サイズが増えるにつれてスケールアップが難しくなります。こう書くとブロックチェーンにメリットがないように感じられますが、データベースはまず最初の作り込みとメンテナンスで莫大な費用がかかります。データベースでは処理の手違いやシステム障害が敵です。行員のミス・悪用や最近のみずほのATM障害もです。システムハッカーがいれば悪用も可能です。
ブロックチェーンは分散型であるがゆえに、障害が起こらず、かつ第三者による悪用もかなり難しくほぼゼロです(ハッキングは、暗号資産を預かった取引所の問題です)。メンテナンスも不要で勝手に処理が継続されていくという特徴があります。分散型の場合は処理が集中してトランザクションが詰まるという欠点はありますが、処理そのものは多くの方に承認されているので信用が高いです。お上が決めるのではなく、民主主義で決定しましょうというのがブロックチェーンです。※イーサリアムの最大処理速度は1秒間に約20トランザクションです。それに比べて、VISAは1秒間に1,500件以上のトランザクションです。
もう一つの最大の懸念は、PoWブロックチェーンの環境への影響が甚大であることです。イーサリアムのネットワークだけでグアテマラのCO2排出量に匹敵しますし、電力消費量はブルガリアに匹敵します。しかし、イーサリアムに関しては徐々にPoWからPoSへの移行、処理の効率性を求めるなど改良が続けられています。
ソース: Digiconomist 2021年4月現在
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BlockRabbit『クリプト訪ねて三千里』とは。
第596話からのターン。バトンタッチを受けたcryptoトレーダーは、DeFiとは何ぞや?ユーザー目線でコツコツ嚙み砕いていくコラムを書いていきます。
~第595話まで
現在の実態経済からは少し離れたところに、もう1つの経済圏がブロックチェーンによって興ると考えるShoが、その興隆を追っていくために毎日1社ずつ界隈のプロダクトを紹介していく超短編気まぐれ日刊コラムであり、メディア記事も幾つかピックアップしてお届けしておりました。