Crypto has gone through many cycles. Be prepared: https://t.co/Nlnhh0GJSc
— Fred Ehrsam (@FEhrsam) May 19, 2021
クリプト企業、プロトコル、コインをサポートすることに焦点を当てた投資会社パラダイムの創業者で、コインベースの元共同設立者だったフレッド・エアサム氏がクリプトの市場サイクルについてコメントしていましたので紹介いたします。
過去のサイクル(2011年、2013年、2017年)で陶酔的な高揚感と絶望と幻滅の経験から我々は学ぶことができます。貨幣だけでなく、金融システムやインターネットを広く変革する可能性のある技術であるクリプトの潜在能力の大きさを考えれば、不確実性やボラティリティーの上昇は当然のことです。
過去の暗号資産サイクルの観察
今後のサイクルは、ほぼ確実に過去のサイクルとは異なるものになる。同じようなサイクルにいるとは限らないですが、サイクルに沿う傾向があり、重要な要素は大体繰り返されます。将来のシナリオに備えるためには、過去のサイクルのこれらの要素を理解することが重要です。
- クリプトは感情的である。
フィーバーの時期は短期であり、冬の時代は長いものです。2013年から2017年のたった3年間でも長かったです。従業員は3分の1以上が辞めて孤独感を味わいました。
- 世間の注目を浴びる。
マスコミ、友人知人からもてはやされるのも束の間、たった一日でお葬式になります。
- エコシステムは強化される。
各サイクルは繰り返されますが、開発者の技術や人材などは間違いなく質が向上します。
- 脆弱な企業は淘汰される。
下降局面ではファンダメンタルズの低さや戦略不備が露呈し生き残ることはできないが、生き残った企業は次のサイクルで成功する。
- 規制当局が目を光らせる。
コインベースは規制への戦略を練るための費用を惜しみませんでした。
- インフラが限界に達する。
顧客からの大量の受注が発生しシステムがパンク状態となったこともあります。
サイクルへの再起力(レジリエンス)を高める
単純にサイクルへの耐性を高めるのが賢明で、最も重要なことは自分の頭を使うことです。しかし、他の人の経験がその思考プロセスの助けになることもありますので私が見つけた効果的な方法をご紹介します。
- 例示をして、ミッションに集中する。
- 重要なことを重要なこととして維持する。何でもやりたくなるが高い基準を設けましょう。ダウンサイクルでコアミッションから離れてピボットした企業の残骸が散見されます。2015年にコインベースの役員が目先の利益のために銀行向けにプライベート・ブロックチェーンを構築することを提案しましたが、今となっては避けることができてよかったと思います。
- ストレステスト用のチェックリストを作成する。通常の10〜100倍使われると想定してシステムの安定性にフォーカスする。
- 資金調達を考える。十分な現金を確保できますか?今日は簡単に手に入る現金も、明日には手に入らないかもしれません。コインベースでは業界が本格的な冬を迎える前に資金調達を決断しました。そうしなければ、2017年の春まで生き残れなかったかもしれません。
- 新しく入ってきた人たちに注意喚起する。冬の時代が来るかもしれないことを新しく入ってくる社員に伝えてください。先見の明のあるリーダーとして称賛されていたのが、下降サイクルに入るとあっという間に詐欺師として批判されるようになります。
- メッセージを複数回、複数のチャネル、複数の人に伝える。
- 短距離走ではなく、マラソンの準備をする。多くの創業者が燃え尽きます。健康を維持し、頭をスッキリさせるための時間を確保してください。困難な状況は、経験を積めば積むほど対処しやすくなります。その経験を積む機会を自分に与えましょう。
基礎的な技術の躍進には、大きなチャンスと大きな不確実性の両方があり、双方ともにサイクルを発生させる重要な要素です。貨幣、金融サービス、インターネット、大規模なグローバル市場を再定義し始めたクリプト業界が極端な例であることは驚くべきことではありません。サイクルは良いものでも悪いものでもなく、自然なものです。ピーク時の幸福感は、世界に未来を夢見る機会を与えてくれます。どん底の絶望感は、現実的で明確な判断を迫ります。物事が良いときには、見かけほど良いことはなく、物事が悪いときには、見かけほど悪いことはありません。
現在のサイクルがどのように展開するか、あるいはサイクルであるかどうかさえ、私にはわかりません。物事がうまくいっていると感じている時こそ、回復力(レジリエンス)を高めるチャンスですし、その機会を受け入れてほしいと思います。私たちは常にあなた方を応援しています。
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BlockRabbit『クリプト訪ねて三千里』とは。
第596話からのターン。バトンタッチを受けたcryptoトレーダーは、DeFiとは何ぞや?ユーザー目線でコツコツ嚙み砕いていくコラムを書いていきます。
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現在の実態経済からは少し離れたところに、もう1つの経済圏がブロックチェーンによって興ると考えるShoが、その興隆を追っていくために毎日1社ずつ界隈のプロダクトを紹介していく超短編気まぐれ日刊コラムであり、メディア記事も幾つかピックアップしてお届けしておりました。
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