仮想通貨トレーダーとヘッジファンド

皆様、こんにちは。cryptoトレーダーです。ヘッジファンドが仮想通貨に注目しているというニュースを目にします。低迷が続くヘッジファンドが値動きの激しい仮想通貨に注目するのは当然で、今後ヘッジファンドと言えば仮想通貨と言われる時代が来るでしょう。

そんな中、当コラムでは伝統的なヘッジファンドが採用している3つのメイン戦略を紹介します。そして、その中でも仮想通貨トレーダーが戦略を採用するのにベストな戦略と、戦略のコアともいうべき勝ち続ける秘訣についてお話したいと思います。

ヘッジファンドの3つのメイン戦略

みなさんはヘッジファンドと聞いてどのようなイメージを思い浮かべますか?全員が博士号の天才集団、ベールに隠された謎の存在、うなるほどの金を動かせる元バンカーなど様々なイメージをお持ちかもしれません。派手な組織は確かに存在するとはいえ、ほとんどはチーム形式で地味にトレーディングを行う集団です。栄枯盛衰がはっきりとしており、生き残るヘッジファンドは確かな投資哲学・戦略を持っています。

その戦略は大きく3つ「グローバルマクロ」、「CTA」、「HFT」に類型されます。グローバルマクロとは、世界情勢を見渡して金融政策や経済動向に賭ける戦略で、時事ニュースや経済指標を参考に戦略を立てていきます。主に為替、金利・債券、株式、先物に投資をします。

CTAとはCommodity Trading Advisorの略で、商品投資顧問と訳すこともありますが、言わばシステムトレーダーの集団です。価格情報を分析して計量的なトレーディング手法を駆使します。商品先物を取り扱わず株式やFXに特化していても慣例上CTAと呼びます。

最後にHFTとあるのはHigh Frequency Tradingの略称で、高頻度で取引を繰り返し細かい収益を上げていく集団です。IT技術が恐ろしく高く、取引量が桁違いで収益力と収益の安定性を兼ね備えています。

仮想通貨トレーダーが採用するベスト戦略

これら3つの戦略のうちで仮想通貨トレーダーに向いているのはどれでしょうか。それはずばりCTAで、グローバルマクロとHFTには向いていません。HFTは収益力と収益安定性があるのだからこれを目指したいと思う心理は理解できますが、HFTはIT技術力、資金力とマーケットに対する交渉力があってはじめてなせる業(わざ)です。マクドナルドよりおいしいハンバーガーは作れるかもしれませんが、マクドナルドより儲けることが難しいのと同じ原理だと考えればわかりやすいかもしれませんね。

仮想通貨が金融市場の枠外の理論で動いていることは明白です。なので、グローバルマクロについて、経済指標や金融政策から直接的な影響が与えられることはないだろうということで不向きと考えます。(ただし、仮想通貨に対する規制にはもろに影響があります。)

CTAと似た戦略を持つことは個人でも可能であり、才覚があれば活躍することが可能です。勝ち残るには自分自身の手法を磨き上げる必要性があるのですが、何も特別なことをしているわけではないということだけはみなさんには理解してほしいと思っております。

プロ野球選手をイメージしてもらえればよいかもしれません。全員がスーパーな人材ですが、2m以上ジャンプできたり素振りが見えなかったりしませんよね。ひとつひとつの技術を練習や努力により昇華させてプロとして生きる、そういう感覚なのです。

戦略のコア – 勝つには何が必要なのか –

仮想通貨トレーダーが勝ち残るには何が必要なのか。まずは自分の得意な戦略をしっかりと持つことですが、幸いにも仮想通貨トレーダーの採用すべき戦略は、取引を頻繁にしすぎない、トレンドに乗るというところにまで分解できます。よく聞く当たり前のことかもしれませんが、これは鉄則でありトレーディングをビジネスとしてとらえるのであれば絶対に守らなければならない真理であるとも言えます。

将来、マーケットが読めないときもあるかと思いますが、ヘッジファンド戦略の理論が既にあるわけですから、今度はそれら戦略を自分の戦略に照らし合わせて自分自身を磨き上げる工夫をしていきましょう。それではよい一日を!

ABOUTこの記事をかいた人

農耕型・堅実派のアルゴリズムトレーダー。夢はヘッジファンドを自動で運用することです。簡単なプログラミングからパソコンの組み立てまで全て一人でできるバランス感覚の持ち主です。 DeFi(分散金融)をわかりやすくお伝えすべく「クリプト訪ねて三千里」に挑戦しています。