月曜日, 10月 14, 2024
9 C
London

ブロックチェーンの相互運用性に新たなアプローチ(ホンモノの分散化とは)

こんにちは!今回より特別企画が始まります!海外では大変著名なブロックチェーン業界に膨大な知識とホスピタリティを提供しているspec-rationality.comさんのご協力を頂き、ブロックラビットにて日本語の記事をご提供していくことになりました。
第一回はおそらく日本語の記事では世界でも初めてになるであろうBlockColliderに関する詳細な分析をお伝えいたします。BlockColliderの情報だけでなく、メインネットへの移行に向けて世界中で話題になっているCosmos Polkadot Ark など既に以前より注目されているプロジェクトとの比較を交えながら、今後のブロックチェーン業界の行く末を確かめるのに非常に有益な記事になったのではないかと思います!

Speculativeさんは沢山のプロジェクトを紹介するのではなくいくつかの限られたプロジェクトだけに絞って非常に詳細なアナライズを行なっています。また、コミュニティの運営にも携わることでブロックチェーンのプロジェクトへ貢献するという稀に見る献身的なことをされている所謂、ブロックチェーン界の縁の下の力持ちと言っても過言ではないかと思います。

公式ウェブサイト:spec-rationality.com

Original Article : Block Collider: A New Approach to Blockchain Interoperability (True Decentralisation)

タイトル:ブロックチェーンの相互運用性に新たなアプローチ(ホンモノの分散化とは)

ブロックチェーン空間をよくよく見ると、大半は個別にサイロ型で運営されている一連のブロックチェーンプロジェクトが浮かび上がってくる。現実としてブロックチェーン技術はまだ広く一般に普及しているとはいえず、成熟に向けた重要なインフラストラクチャレベルの条件は、ブロックチェーンからブロックチェーンにリアルタイムで情報を伝達する能力であり、さらに踏み込めばブロックチェーンから旧世界システムへの適用能力ともいえるだろう。私たちは相互接続性が生み出す価値を想像するのに、インターネットをみるよりほかない状態なのだ。

「ブロックチェーンをマルチチェーンで橋渡しすることは、建物の間に道路を建設するようなものです。仮説的にはすべての機能を兼ね備えたビルの建築も可能ですが、現実にはオフィスビルだったり、マンションだったりします。そこで、人びとがそれぞれ目的の異なる建物に同時にいたいと思ったら、道路が必要になります。既存の仮想通貨コミュニティは、これまでにもブロックチェーン上で多種多様な特徴をデモンストレーションしてきました。あるものは速いブロック生成時間を持ち、あるものは素晴らしいスマートコントラクトを有し、真にデフレ的なのもあれば、優れたバリューの格納があるものもある。ユーザーが様々な機能を欲すれば欲するほど、チェーン間の橋渡しをするマルチチェーンの必要性が増します。」 – Block Collider Whitepaper 出典

異なるチェーン間の相互接続性に挑戦する有名なプロジェクトもいくつか実際にある。とはいえ、これら既知プロジェクトの中で相互運用性を中心に据えたものはほんのわずかだ。例としてはPolkadot、Cosmos、Arkなど。まだ(デザインによって)気づかれずにいる新プロジェクトたちは、 チェーン間の相互接続性の問題に対し、ラジカルに異なるソリューションを掲げている:Block Collider

「安定したコイン、分散化された取引、メタコントラクトのためのマイニングが可能なマルチチェーンプロトコル」– Block Collider

ブロックチェーン空間内の主な相互運用性プロジェクトの一部を簡単に見ていこう:

相互運用性チェーン|SPEC-R
特徴 Block Collider

Polkadot

Cosmos

Ark

コンセンサスアルゴリズム PoD DPoS BFT DPoS
ホンモノの分散化
バリデーター 必要なし 必要 必要 必要
バリデーターの数 ゼロ 未定 100人(10年間で13%増、最大300人まで) 51人の代理人
パワーの中央集権化の潜在性 計算的 実利的 実利的 実利的
相互運用性テクノロジー
相互運用性キーワード Collision (PoD) Parachains(メンバーチェーン)

Bridgechains
(既存チェーン)

Cosmos HubおよびZonez (メンバーチェーン)

Peg-Zones
(既存チェーン)

Smartbridge

Encode Listener
Nodes(既存チェーン)

チェーンの参加条件 ネットワークへの参加条件なし メンバーチェーンには互換性が必須。互換性のないチェーンはBridgechainsの利用可 メンバーチェーンには互換性が必須。互換性のないチェーンはPeg-Zoneの利用可 互換性が必須。互換性のないチェーンは、Encode Listener Nodesの利用可
価値トランスファー はい はい はい はい
データトランスファー はい はい いいえ はい
スケーラビリティとトランザクション速度 チェーンの集約ブロック – 最速のメンバーチェーンより高速 並列チェーンを使用してTPSは理論上、無限大 並列/多重ゾーンを使用してTPSは理論上、無限大 サイドチェーンとって重要ではない機能をオフラディングすることで、簡素かつ高速
メンバーチェーンのためのスケーラビリティと共有セキュリティ 無条件ネットワーク参加のため、メンバーチェーンにスケーラビリティ/セキュリティ・ソリューションを提供せず パラチェーンとして機能するメンバーチェーンにスケーラビリティ/セキュリティのソリューションを提供

Bridgechainsへスケーラビリティ/セキュリティのソリューションは提供せず

ネットワークに参加したメンバーチェーンにスケーラビリティ/セキュリティのソリューションを提供

Peg-Zoneへスケーラビリティ/セキュリティのソリューションは提供せず

チェーンへスケーラビリティ/セキュリティのソリューションは提供せず
*BCは集中集権化への圧力を緩和する方法を提案

マルチチェーン:マルチチェーンの出現がアプリケーションとメタコントラクトを分散

Block Colliderは、まず最初にBitcoin、Ethereum、Neo、Waves、Lisk、およびまだ命名されていないあるチェーンの計6つをつなげる、初の真正「マルチチェーン」だ。Block Colliderのコア台帳は、全メンバーチェーン上のすべてのブロックの集まりであることから、「マルチチェーン」という表現になる。 Block Colliderのブロックチェーンは、PoD *(プルーフ・オブ・ディスタンスー ナカモト・コンセンサスの修正バージョン)を使用し、各チェーンからのブロックをBlock Colliderブロックに吸収して、各メンバーチェーンの状態を実質的に記録する異種チェーンを一緒に「織り合わせる」ことで構築されている。

マルチチェーンはチェーン間のバリュートランスファーを容易にするだけでなく、それ以前に「サイロ化」されたプロジェクトが互いのチェーンの「状態」を確認できるようにしてくれる。なぜ他のチェーンの状態を知ることがそれほど重要なのか? 真の相互運用性とは異なるブロックチェーンが並行して稼動できる能力であり、これは単なるバリュートランスファー以上のものといえる。このイノベーションにより、マルチチェーンの分散型アプリとメタコントラクト(マルチチェーン版スマートコントラクト)という、非常に目覚ましい発展への道が開ける。

マルチチェーンが配布したアプリ:Trust Fundの例

サムが生まれた時、サムの両親が彼の名前で信託基金をTrust FundマルチチェーンDAPP(Ethereumプラットフォーム上でスマートコントラクトを発行)を通じて開設しました。サムが望ましい年齢に達するまで信託基金は凍結されます。

両親は、将来、特定のEthereumブロックの生成で、サムが信託基金を受け取れるようにしたいのです。オリジナルの基金はNEOのかたちで、NEOプラットフォームのエスクローに入っています。Ethereumコントラクトがひとたびトリガーされれば、これがNEOプラットフォームにおけるエスクローのスマートコントラクト内のファンクションをトリガーし、基金がサムにリリースされます。

Block Colliderのマルチチェーン機能は、Ethereumのスマートコントラクトと NEOをつなげることができ、望ましい時期の信託基金リリースを促進するメタコントラクトを作り出すことになります。

上の図は、信託基金を取り扱う分散型マルチチェーンDAPPの簡単な例を示したものだ。この種のアプリケーションは、Block Colliderがブロックチェーンのエコシステムにもたらせるホンモノの可能性の表面をなぞっただけのものだ。マルチチェーン機能とは単にデータを転送することではなく、別のチェーンに関連データを証明してみせることである。

「分散型アプリケーションのデベロッパーはエコシステム間の各ブロックチェーンのエキゾチックな特性を組み合わせることができ、かつチェーン間のロードバランス・ワーク機能を開発できます。」– Block Collider Whitepaper 出典

Block Colliderがメンバーチェーンの集合体としてのマルチチェーンであることで、さらにセキュリティ上の利点もある。マイナーが不良ブロックを使おうとすれば、Block Colliderチェーン全体をリバースさせるだけでなく、メンバーチェーンにおける採掘難易度のハッシュパワーも破らなくてはならないからだ。

*PoD – プルーフ・オブ・ディスタンス合意メカニズムについては本記事ではカバーしきれないので、Block Collider Whitepaperのセクション3.2「編集距離の計算上の挑戦(9ページ)か、Patrick McConlogue(Block Collider共同設立者)が執筆したBuilding a Blockchain Singularity with Proof of Distanceを参照のこと。

ホンモノの分散化

「Block Colliderマルチチェーンは分散化したP2Pの限定的なマイナーが協力し、失敗、オラクル、またはバリデーターの中央集権的なポイントが一切ないように開発されました。」– Block Collider Whitepaper 出典

Block Colliderのコアのひとつは、ブロックチェーンのビジョンである「ホンモノの分散化」にぴったりと寄り添ったプラットフォームの提供にある。Block Colliderはコンセンサス・メカニズムにバリデーターを必要としないこと、そして中央集権化の要素に屈しないことを自負している。

バリデーターの有無

バリデーターとは何か? ブロックチェーン内のバリデーターは、ネットワークが一定のトラストを委ねる「人間的要素」または第三者を指す。バリデーターは、ネットワーク上でイベント/トランザクションが発生したことを確認することで、ネットワークからインセンティブを与えられている。このアプローチはCosmos、Polkadot、Arkのような「代理人プルーフ・オブ・ステーク」(Delegated-Proof-of-Stake:DPoS)や類似のコンセンサスモデル(一定数のバリデーターが存在する)を活用する多数のチェーンで採用されており、またそうされるだろう。

Block Colliderはバリデーターを必要としない。マイニングアルゴリズム(PoD)とともに独自のブロックチェーンを構築して、ブロックチェーン上のイベントを検証するためのプルーフ・オブ・ワークを義務づけている。事実上、信頼できない当事者にトラストを委ねる必要がなくなる。

パワーの中央集権化

分散型ネットワークをめぐる懸念は、パワーがごく少数の手に握られるのではないかにある。複数のコメンテーターが本サイトでも、Bitcoinネットワークにこれが起きたことを指摘している。一部のマイニングプール周辺にパワーが集中している件だ。ここでいうパワーとは、チェーンのガバナンスとブロック検証をめぐる報酬を指す。こうした状況では、既存の経済パワーが根強く、コンセンサス、ガバナンス、富の継続的な集中化に繋がりうる。しかし、BitcoinプラットフォームをPoSまたはDPoSを追い求めてきた競合相手と比較したとき、Bitcoinの利点のひとつとして、同ネットワークがバリデーターにいかなる追加のトラストも割く必要がないという点も注目に価する。

PoSまたはDPoS、およびこれらの異なるイテレーションは、現行ブロックチェーン技術のボトルネックの一部解決を目指している。が、これらのコンセンサス・メカニズムには依然として集中化をもたらす要素が含まれている。PoSは、「バリデーター」のステータスに到達するために、ノードが十分に高いボンドをステークしなければならず、そうなれば経済力の有無が重要になってくる。一方DPoSには、代理人が信頼できる「バリデーター」に投票できるようにすることで、「民主主義」的な機能が追加されている。理想的なシナリオは民主的なアプローチということになるが、このようなシステム下では、通常ネットワークのシェアによって投票の重みが変わるため、中央集権化の方向に向かう可能性もある。様々なコンセンサス方法論、それぞれ長所・短所に関する徹底的な議論に踏みこまずとも、やはりバリデーターの使用が必ずしも経済力の集中効果を解決することなく、トラストレスなコンセンサスから一部遠ざかっていくことは一目瞭然だ。

Block Colliderはビットコインのようにマイニング可能なチェーンであり、マイニングプールによるパワー集中化問題に直面しているが、集中に向かおうとする力を緩和するための一定条件を課して実行してきた。たとえば:

1)ブロックマイニングおよびトランザクションマイニングの分割(ホワイトペーパーのセクション3 – 「Block Colliderにおけるマイニング」を参照のこと)

当事者が双方のレベルで中央集権化ゲームに勝たなくてはならないであろうことから、ふたつの別のスペースで競争できるようにすることで、中央集権化のリスクが軽減されます。.” – Block Collider Whitepaper – Section 3.4

トランザクションマイニングは一般に開かれており、マイニングにあたってASICハードウェアは必要ない。これにより、ネットワーク上の誰もがその参加をめぐり経済的インセンティブを獲得できる一方で、スループット、負荷の分散が向上、ネットワークの負荷は軽減される。

2)エンブレム – ブロックサイズのボーナス(テクニカルな詳細については Whitepaper Section 3 「Block Colliderにおけるマイニング」を参照のこと)

Block Colliderは、エンブレムを使用して動的なブロックサイズを実装するためのユニークな提案をしている。事実、マイナーはブロックサイズを拡大できるようにするエンブレムの「ステーク」が可能なため、より多くの報酬のために単一ブロックにさらなるトランザクションをフィッティングできる。これが中央集権化の勢いを抑えることにつながるのか? 次に共同設立者Patrick McConlogueの回答を引用したい:

Block Colliderは、「ブロックごとの報酬」を超えたマイニング・インセンティブのメリットにゲーム理論を実施しています。マイニングのためのエンブレムボーナスは、サブリニア(エンブレムの所有権のための報酬に減少がある)、つまり中央集権化に対する経済的インセンティブの均衡を保つ(エンブレムのわずかなユーティリティが、より少ないエンブレムを所有している個人にとってもっとも高値となる)ということです。– Patrick McConlogue

例(注:すべてのメトリックは仮定)として、スーは10エンブレムを、マイクは100エンブレムを持っているとする。期待するブロックサイズの到達に必要なエンブレムの最適数が約20エンブレムである場合、20エンブレム以上をステーキングしても、ブロックサイズが著しく大きくなることはない。もっとも適切にステークされた20のエンブレムと比較したとき、それ以上では事実上価値が減少してしまうのである。したがってこの例でいうと、スーのブロックサイズは「標準ブロックサイズ+ 5」で、最適ブロックサイズは「標準ブロックサイズ+ 7」となる。ステーキングのボーナスが減少するにつれて、マイクがステーキングした100エンブレムは、 「標準ブロックサイズ+ 8」になる。スーは10エンブレム、マイクは100エンブレムを保有していたとしても、結果的にはブロックサイズの差は3のみ。これはつまり、多大な経済力を持たずとも、依然としてほぼ同等の立場で競争できることを意味する。Block Colliderはこのように、経済力という引力が中央集権化を引き込まないよう努めている。

マイクが100エンブレムを分割して、ステークするのに最適なエンブレム数を利用し、複数のマイニングリグを同時に実行したとしたらどうだろう。 この場合、20エンブレムで5つのマイニングということになる。

「マイナーはマイニングリグ間でエンブレムの報酬を分けることは確かにできます。が、この方法で報酬を最大限にするには、オリジナルのマイニングリグと接続しているビアと最低でも同一数、接続する必要があります。そうなるとマイナーは他の地域にも拡大する必要が出てくるため、地域的な集中化が減り、ネットワークの効率およびスピードが全般的に向上するのです」 – Patrick McConlogue

加えて、マイクがオリジナルのマイニング作業をめぐり4つ以上の事例を複製するには、かなりのリソースが必要になる。

相互運用性のテクノロジー

メンバーチェーンになる条件

Block Colliderが成し遂げた最大のブレークスルーのひとつに、異種ブロックチェーンをマルチチェーンに組み込むためのしきい値が非常に低いことがある。要するに、ネットワーク参加にあたってメンバーチェーンが変更しなければならないことは何もない、ということだ。

既存および現在計画中の相互運用性ソリューションは、参加チェーンに何らかのかたちで互換性や変更を求めているなか、この点はブロックチェーンのエコシステムにおける重要な発展といえる。互換性の実現のため、たとえばCosmosとPolkadotでは彼らのインフラストラクチャ上にチェーンを構築しなければならない。Arkでは既存チェーンを埋め込みコードのかたちに直接変更する必要がある。

ただし、Cosmos、Polkadot、Arkには、変更せずを選択した既存チェーンのための代替互換性ソリューションがあることを明記しておく。中間体ゾーン、ペグゾーン、ブリッジチェーン、スマートブリッジ、およびエンコードされたリスナーがそれにあたる。Polkadotのホワイトペーパーによると、特定のチェーン(Ethereum)がより容易に中間体ゾーンへ適応するのは明らかだが、そのほか(Bitcoin)はそうでもない。

  1. Ethereum – 「Ethereumのチューリングが完全なため、PolkadotとEthereumが互いに運用可能であること、少なくともそれが簡単に推測可能なセキュリティ範囲内であることが十分にあると期待しています。」– (Polkadot Whitepaper – 出典)
  2. Bitcoin – 「[前略]そのため、ふたつのネットワーク間に、それなりにセキュアなBitcoinの相互運用性「仮想パラチェーン」を置くのは非現実的ではありません。が、いずれにせよ、不確かなタイムラインのもとでかなりの労力が求められるでしょうし、そのネットワーク内のステークホルダーの協力が必須となる可能性が非常に高くなると考えています。」 – (Polkadot Whitepaper – 出典)

Block Colliderが作り出した突破口を軽くみるべきではない。メンバーチェーンがバリデーターの必要なしに相互運用するための低いしきい値を提供することで、マルチチェーンはブロックチェーンのトラストレスなインターネットのために欠かすことができないインフラを提供できるのである。

メンバーチェーンのためのスケーラビリティと共有セキュリティ

CosmosおよびPolkadotとの比較を通して、Block Colliderはメンバーチェーンのためにスケーラビリティと共有セキュリティを提供するのか、という疑問が出てくるかもしれない。簡単に言ってしまえば答えはノーだ。

Block Colliderはメンバーチェーンの無条件参加を主な理由に、スケーラビリティと共有セキュリティを提供しない。Block Colliderは、Unixパイプの発明者Doug McIlroyの哲学、「ひとつのことだけを最高レベルで実行するプログラムを、ほかと一緒に機能するプログラムを作れ」を踏襲している。この意味で、スケーリングソリューションはプロトコルレベルのチェーンの責任であり、相互運用性がBlock Colliderの責任となる。

CosmosとPolkadotは、彼らのネットワークに「参加する」メンバーチェーンにこれらのソリューションを提供する。これはプラットフォームが提供するユニークかつ優れたバリュープロボジションだといえる。とはいえ、前述の中間体ゾーンの使用は、プラットフォーム上にネイティブに構築されたものと同様のスケーラビリティや共有セキュリティを既存チェーンに提供しない。既存チェーンはそのプラットフォーム上で機能せず、むしろPolkadotまたはCosmosが構築したリンク(ブリッジチェーンまたはペグゾーン)でプラットフォームに橋渡しされているからだ。

スケーラビリティ – サイズとトランザクション速度

マルチチェーンとしてのBlock Colliderは、メンバーチェーンからのブロックの集合体だ。サイズとトランザクション速度という点で、これがスケーラビリティにどう関係するのか?

チェーンのサイズ

もっともな懸念は、全メンバーチェーン上のすべてのブロックの集合体であるBlock Colliderがかなりのスペースを消費する可能性についてだろう。これに対応するため、Block ColliderのPoDコンセンサスメカニズムは、主にヘッダーステートと他のチェーンのマークルプルーフを用いて、Block Colliderネットワーク上にチェーンを格納する。ヘッダーはオリジナルチェーンのブロックのサイズの1%未満だ。 そのため、Block Colliderは100のチェーンを結合することが可能であり、サイズもEthereumチェーンひとつ分に過ぎないと想像がつく。

Block Colliderが進化していけば、1000超のチェーンが相互運用可能になる日もくるだろう。Block Colliderはこの成長にふたつの方法で取り組むよう設計されている。可能なかぎりのコンプレッションとそれに次ぐリバースチェーンプルーニング(せん定)だ。

「最初の部分[コンプレッション]を処理するために、ヘッダーステートから始めます。 その後、Mimblewimble *で提案されているような署名のみのモデルに切り替えます(Block Colliderのハッシュレートがひとたび十分に強くなったら)。最後に、後方からマイニングする第2のブロックチェーンを生成するプロセスのプルーニング(せん定)です。第2のブロックチェーンで「ワーク」はブロックからつみとられるべきトランザクションを指します。この方法ならあたかもあなたのハードドライブを最適化するように機能します。 」 – Patrick McConlogue

*Mimblewimble – 実験的なブロックチェーンネットワークのこと

トランザクション速度

メンバチェーンからのブロックの集合体としてのBlock Colliderは、常に最速メンバチェーンよりもわずかに速い。これはBlock Colliderが、メンバーチェーン上で生成されたブロックに基づき、高いブロック生成率を有しているためだ。


出典:Block Collider Whitepaper

前出のホワイトペーパーにおける例では、Bitcoinは設定された時間枠 「x」において2ブロックを生成し、Ethereumは6ブロック、Wavesは3ブロックを生成する。最初のBlock Colliderブロックは、3つのチェーンが最初のブロックを生成するときに生成される。もちろんブロックの生成時間や頻度はそれぞれチェーンごとで異なる。メンバーチェーンの生成ごとに、Block Colliderはメンバーチェーンからの新しいブロックセットを含む独自のブロックを生成する。この例では、9のBlock Colliderブロックが、時間枠「x」で生成される。したがって、ブロック生成率(ブロック速度)は常に最速のメンバーチェーンよりも高くなるのだ。

ブロック速力が高ければ、もちろんスループット(1秒あたりのトランザクション数)問題が発生する。 マイニングはスループットが主なマンデートであるように設計されている。このマンデートの満足度こそ、Block Colliderがブロックマイニングとトランザクションマイニングを個別のプロセスに分割した主な動機のひとつだった。

「他の仮想通貨とは異なり、Colliderブロックチェーンのトランザクションとブロックは別々にマイニングできます。プリマイニングされたトランザクションにより、マイナーが発見したブロックにトランザクションを簡単に追加可能です。これによりマイナーが現行システム下で持つパワーのバランスがとれます。」 – Block Collider

マルチチェーンプロトコルの技術比較

相互運用性に焦点を当てた公的なチェーン
チェーン Block Collider

Polkadot

Cosmos

Ark

コンセンサス・アルゴリズム PoD DPoS BFT DPoS
ホンモノの分散化
バリデーター 必要なし 必要 必要 必要
バリデーターの数 必要なし バリデーター数はホワイトペーパーでは未指定 100人(10年間で13%増、最大300人まで)

追加のバリデーターはZoneごと(メンバーチェーンごとに定義)

51人の代理人
パワーの中央集権化 ブロックおよびトランザクションマイニング

マイニングには、(Bitcoinのような)マイニングプールによるパワーの集中化という問題に同じく直面するため、Block Collider マイニングではブロックとトランザクションのマイニングを個別にしている。

トランザクションマイニングは一般に開かれており、マイニングにあたってASICハードウェアは必要ない。これにより、ネットワーク上の誰もがその参加をめぐり経済的インセンティブを獲得できる一方で、スループット、負荷の分散が向上、ネットワークの負荷は軽減される。

「当事者が双方のレベルで中央集権化ゲームに勝たなくてはならないであろうことから、ふたつの別のスペースで競争できるようにすることで、中央集権化のリスクが軽減されます。」 – Block Collider Whitepaper

エンブレムーブロックサイズのボーナス
マイナーはブロックサイズを拡大できるようにするエンブレムの「ステーク」が可能(ダイナミックなブロックサイズ)

「Colliderは、「ブロックごとの報酬」を超えたマイニング・インセンティブのメリットにゲーム理論を実施しています。マイニングのためのエンブレムボーナスは、サブリニア(エンブレムの所有権のための報酬に減少がある)、つまり中央集権化に対する経済的インセンティブの均衡を保つ(エンブレムのわずかなユーティリティが、より少ないエンブレムを所有している個人にとってもっとも高値となる)ということです。」– Patrick McConlogue

マイナーが複数のマイニングリグを同時に動作させるためにトータルなエンブレムを分割するとどうなるか?

「マイナーはマイニングリグ間でエンブレムの報酬を分けることは確かにできます。が、この方法で報酬を最大限にするには、オリジナルのマイニングリグと接続しているビアと最低でも同一数、接続する必要があります。そうなるとマイナーは他の地域にも拡大する必要が出てくるため、地域的な集中化が減り、ネットワークの効率およびスピードが全般的に向上するのです」 – Patrick McConlogue

バリデーター

「バリデーター。バリデーターはもっとも重い責任を担い、Polkadotネットワーク上で新しいブロックの封印を手助けします。バリデーターの役割は、十分に高いボンドがデポジットされることを条件としていますが、他の当事者が1名以上のバリデーターを指名することを認めているので、バリデーターのボンドの一部は必ずしもバリデーター自身ではなく、 これら指名者によって所有されています。」(出典

Polkadotによって実装されたDPoSシステムは、経済力のみに依存しないようになっている。理想的なシナリオは民主的なアプローチということになるが、このようなシステム下では、通常ネットワークのシェアによって投票の重みが変わるため、中央集権化の方向に向かう可能性もある。

バリデーター

「まだバリデーターになっていないAtom保有者は、BondTxトランザクションに署名し提出することで、バリデーターになれます。担保として提供されるAtomの量はゼロ以上である必要があります。既存バリデーターが設定したサイズが許可されているバリデーターの最大数を超えている場合を除いて、誰でもバリデータになることが可能です。その場合、最小限のバリデーターによって保有される有効なAtomよりもAtom総数が多い場合にのみ、トランザクションが有効になります。有効なAtomには代理Atomも含まれます。そのような方法で新しいバリデーターが既存のバリデーターを置きかわると、既存バリデーターはインアクティブになり、すべてのAtomおよび代理Atomがアンボンドな状態に入ります。」(出典

パワーの集中化は、もっとも大きな経済パワーを持つ人びとに流れていくものだ。悪意ある態度または過失行為は、ステークの割合を失うか、他のバリデーターの過半数投票による退去のかたちで処罰される。

バリデーター

「ARKは、もともとCrypti Foundersが構想していた新しいDPoS投票システムを組み込んでいます。ARKのシステム料金は代理者1票につき1Ѧです。各ウォレットの1票の重さは、投票された全代理人の間で均等に分割されます。

投票数のもっとも多い51の鍛造ノードは、Forge ARKブロックに適格です。この設計で、大物ARK保有者またはARKを大規模に保有してい組織が、すべてのノードを鋳造ポジションに投票し、結果として事実上DPoSblockchainを完全掌握することで、ネットワーク全体をコントロールできるようになる可能性を排除します。」(出典

Arkによって実装されたDPoSシステムは、経済力のみに依存しないようにするものだ。理想的なシナリオは、バリデータを民主的に選出するアプローチだ。理論上は、有権者の数が増えるほど分散化が増すが、このようなシステム下では、通常ネットワークのシェアによって投票の重みが変わるため、中央集権化の方向に向かう可能性もある。

相互運用性のテクノロジー
相互運用性のキーワード Collision (Weaving / PoD) Parachains (メンバーチェーン)

Bridgechains (既存チェーン向け)(出典)

Cosmos Hub and Zones (メンバーチェーン)

Peg-zones (既存チェーン向け)(出典)

Smartbridge FieldまたはEncoded Listener Node (出典)
ネットワークへの「参加」条件 なし。BCはあらゆるチェーンを追加可能。既存のチェーンがネットワークに「参加する」必要なし はい。メンバーチェーンはPolkadotとの互換性、または代わりにブリッジチェーンが必要 はい 。Comosとの互換性、あるいはペグ・ゾーンを介する必要あり はい。メンバーチェーンはいくつかのコードを追加して互換性を得る必要あり。またはncode Listeners Nodesを使用
各チェーンに求められる変更

オリジナルチェーンへの変更は必要なし。メンバーチェーンのブロックを読み取ってBlock ColliderとPoDに中継するローバーアシストは、メンバーチェーンのブロックを含むBlock Colliderブロックを検証するのに使用される。

参加には互換性が必要。

チェーンを変更したくない既存のチェーン間の相互運用には、Bridgechainsのオプションあり。

ブリッジチェーンは、polkadotの仮想パラチェーンとして機能している。したがって、既存チェーンの相互運用性を機能させるためには、ブリッジチェーンを作成する必要がある。 2つの例:

  1. Ethereum – 「Ethereumのチューリングが完全なため、PolkadotとEthereumが互いに運用可能であること、少なくともそれが簡単に推測可能なセキュリティ範囲内であることが十分にあると期待しています。」(出典)
  2. Bitcoin – 「[前略]そのため、ふたつのネットワーク間に、それなりにセキュアなBitcoinの相互運用性「仮想パラチェーン」を置くのは非現実的ではありません。が、いずれにせよ、不確かなタイムラインのもとでかなりの労力が求められるでしょうし、そのネットワーク内のステークホルダーの協力が必須となる可能性が非常に高くなると考えています。」(出典

Cosmosに参加するには、チェーンがIBC(インターブロックチェーン通信プロトコル)に対応している必要あり(出典

既存チェーンに互換性がなく、かつ変更したくない場合でも、ペグZoneを使用できる。

チェーンがZoneと認定されるには、ファストファイナリティ・コンセンサス・アルゴリズムを有し、IBCと互換性がなくてはならない。あるいはペグZoneを使用してCosmosと統合できる。たとえばEthereumがその例で、CosmosとEthereumが適応なしに相互作用できるようになる。

はい:ARKがチェーン間の中間/仲介になるためには、各チェーンごとに小さなコードのスニペットを実装して、スマートブリッジの互換性を得る必要がある。

または、Encode Listeners Nodesを使用して「参加」したくないチェーンは、SmartBridgeベンダフィールドを聞いて、データか関数が実行されるのを待つ。(出典

バリュートランスファー はい はい はい はい
データトランスファー はい (Metaコントラクト / Multi-Chain Distributed Applications) はい いいえーフォーカスはバリュートランスファーにあり(出典 はい、Smartbridge Fieldを介して。(チェーンを少し変更する必要)またはEncode Listener Nodes(出典
スケーラビリティ チェーンのブロック集合体 – 最速のメンバーチェーンより常に速い。 (ホワイトペーパーセクション2.1参照) Parachains – 「Polkadotは、複数のトランザクションを並行処理する複数のパラチェーンを実行できるため、ネットワークが無限のスケーラビリティを得られる。(出典 Zones – 複数のゾーン(同一コピー)が並行して実行され、Cosmosハブを使用して同期されるため、ゾーンが負荷を共有し、トランザクションのスケーリングを可能にする。 (出典 SmartBridge – 「独自に構築したSmartBridge機能を用いて、数百のサイドチェーンに重要ではない機能をオフロードできます。これにより、メインのArkブロックチェーンが無駄のない高速を保ちながら、スケーラビリティを大幅に高めることができます。」(出典
トランザクション速度

BCに参加するチェーンが増えるほどブロック速力が高くなる。Block Colliderにとってもっとも速いメンバーチェーンより常に速い。

マイニングはスループットが主要マンデーとであるように設計されている。したがって、ブロックマイニングとトランザクションマイニングが個別プロセスである。

「他の仮想通貨とは異なり、Colliderブロックチェーンのトランザクションとブロックは別々にマイニングできます。プリマイニングされたトランザクションにより、マイナーが発見したブロックにトランザクションを簡単に追加可能です。これによりマイナーが現行システム下で持つパワーのバランスがとれます。」 – Block Collider

理論上はパラチェーン使用して無限。

理論上は並列/多重重複ゾーンの使用で無限。

仮想通貨エコシステムで見つけたスケーラビリティ問題が同様にArk Chainにも存在。 Arkはチェーンを「橋渡し」するためには必要としない他のすべての機能をカットすることで、負荷がかなり軽くなっている。

メンバーチェーンのためのスケーラビリティ

いいえ。Block Colliderはメンバーチェーンの無条件参加を主な理由に、スケーラビリティと共有セキュリティを提供しない。Block Colliderは、Unixパイプの発明者Doug McIlroyの哲学、「ひとつのことだけを最高レベルで実行するプログラムを、ほかと一緒に機能するプログラムを作れ」を踏襲している。

この意味で、スケーリングソリューションはプロトコルレベルのチェーンの責任であり、相互運用性がBlock Colliderの責任となる。

はい。 これはチェーンがPolkadotに参加し、パラチェーンとして機能するという条件を伴う。

Bridgechainは、Bridgechainを活用するチェーンへのスケーリングソリューションを提供しない。たとえばETHブリッジチェーンは、ETHネットワーク上のスケーリング問題を解決しない。

はい – ネットワークに参加するメンバーチェーンは、負荷を同時に共有するため、複数の重複ゾーンに分割できる。

peg-Zoneは、peg-Zoneを活用するチェーンへのスケーリングソリューションを提供しない。ETH peg-Zoneの例では、ETHネットワーク上のスケーリング問題を解決しない。

いいえ

メンバーチェーンのための共有セキュリティ

いいえ。上記参照のこと。セキュリティは、メンバーチェーンと相互運用性Block Collider’sのドメイン。

はい。 チェーンは自然にセキュリティリソースのためにたたかう。メンバーチェーンはセキュリティをプールできる。

「[前略]セキュリティはネットワーク内にプールされているため、個々のチェーンはいちからトラクションおよびトラストを勝ち取る必要がなく、集団的セキュリティを活用することができます。」(出典

ブリッジチェーンは共有セキュリティソリューションを許可していない。 たとえばETHブリッジチェーンはETHネットワークのセキュリティに加えない。

はい – ネットワークに参加するメンバーチェーンはゾーンになる。ゾーンのバリデーターは、ハブバリデーターとセキュリティをプールできる。

peg-Zoneは共有セキュリティソリューションを許可していない。たとえばETH peg-ZoneはETHネットワークのセキュリティに追加しない。

いいえ

結論

Block Colliderは、「ブロックチェーンのインターネット」へのラジカルなソリューションを携えてシーンに登場し、ブロックチェーン技術のビジョンであるホンモノノ分散化を維持しながら、異種チェーン同士をつなげている。メインネットのローンチでは、BTC、ETH、NEO、Waves、Lisk、そしてまだ名前のついていない第6のチェーン間に相互運用性が組み込まれる予定だ。

Hot this week

クリプト訪ねて三千里:第1374話イールド・ファーミングの進化と投資戦略:リスク分散で最大の利回りを狙え!

1. イールド・ファーミングとは? イールド・ファーミングは、暗号資産の世界で報酬を得るための方法の一つで、主にDeFi(分散型金融)プラットフォームで利用されています。この取引方法では、ユーザーが自身の暗号資産を貸し出したり、流動性プールに預けたりすることで、金利や報酬としてトークンを受け取ることができます。取引所や銀行の預金に似た仕組みですが、DeFiにおける取引はブロックチェーン上で行われ、仲介者を介さないため、より高い利回りが期待されることが多いです。 例えば、UniswapやSushiSwapのようなプラットフォームでは、ユーザーが流動性プールにトークンを預け、その見返りに取引手数料の一部を受け取る形が一般的です。さらに、報酬として発行される独自トークンを手に入れることもできます。これにより、イールド・ファーミングは、単に資産を持っているだけでは得られない追加の収益機会を提供します。 ________________________________________ 2. 主要なイールド・ファーミングプラットフォームの紹介 イールド・ファーミングを実施できる主要なプラットフォームとして、Uniswap、SushiSwap、Aave、Compoundなどが挙げられます。これらのプラットフォームは、ユーザーに異なる方法で流動性を提供し、その報酬を提供します。 Uniswapは、最も有名な分散型取引所(DEX)で、流動性提供者(LP)がトークンのペアを流動性プールに預けることで、トークンスワップの際の手数料を報酬として受け取ります。流動性プールは自動的に管理され、流動性の不足を防ぐ仕組みが整っています。 SushiSwapは、Uniswapから派生したプロジェクトですが、追加の報酬として「SUSHIトークン」が得られる点でユニークです。これにより、ユーザーは単に取引手数料だけでなく、SUSHIトークンをステーキングしてさらなる利益を得ることができます。 AaveやCompoundは、貸し借りのプラットフォームであり、ユーザーが資産を預けることで、借り手が支払う金利の一部を報酬として受け取る仕組みです。これらのプラットフォームは、流動性提供よりも借り手に資産を貸し出すことにフォーカスしており、ユーザーは固定金利または変動金利で報酬を受け取ることができます。 これらのプラットフォームの選択肢は多岐にわたるため、イールド・ファーミングを始める前に、それぞれのプラットフォームの特性をよく理解し、自分のリスク許容度や投資目標に合ったものを選ぶことが重要です。 ________________________________________ 3. 収穫(利回り)の仕組みとリスク イールド・ファーミングにおける報酬、つまり「利回り」は、預けた資産の使用や取引に対して支払われる手数料や、プラットフォームが発行する独自トークンによって生成されます。これらの報酬は、APY(年利率)として表現され、プラットフォームによっては非常に高い利回りを提供することがあります。 たとえば、Uniswapでは取引手数料が流動性提供者に分配されますが、SushiSwapではそれに加えてSUSHIトークンが報酬として支払われます。また、AaveやCompoundでは、貸し出しに対する金利が報酬として支払われ、借り手が増えるほど利回りも高くなります。 しかし、高利回りにはリスクが伴います。代表的なリスクとしては「インパーマネントロス(価格変動による一時的損失)」があります。これは、流動性プール内のトークン価格が変動した場合、単に保持しているだけの場合に比べて損失を被る可能性がある現象です。また、スマートコントラクトの脆弱性によるハッキングリスクや、プラットフォーム自体の信用リスクも考慮しなければなりません。 イールド・ファーミングは、高利回りを狙える一方で、これらのリスクを正確に理解し、適切に管理することが重要です。リスクを減らすために、分散投資やリスク評価を行うことが推奨されます。 ________________________________________ 4. イールド・ファーミングを利用した投資戦略と今後の展望 イールド・ファーミングを利用した効果的な投資戦略には、まずリスクの分散が重要です。特定のプラットフォームに集中投資するのではなく、複数のDeFiプラットフォームを利用し、リスクを分散することが推奨されます。たとえば、Uniswapで流動性を提供しながら、Aaveで資産を貸し出すことで、異なる種類の報酬を得ることができます。 また、イールド・ファーミングの利回りは流動的で、プラットフォーム間で変動します。これを利用して、利回りの高いプラットフォームに資金を移動させる「Yield Hopping(利回りジャンプ)」という戦略も存在します。ただし、取引手数料や移動にかかるガス代を考慮し、利回りを最大化するための計算が必要です。 今後、イールド・ファーミングはさらに進化し、DeFiの中核を担う投資手法の一つとして発展することが予想されます。特に、より多くの伝統的金融機関がDeFiに参入することで、市場規模が拡大し、利回りやリスク管理の手法も洗練されていくでしょう。技術的な進展とともに、イールド・ファーミングは引き続き注目される投資手法となることが期待されます。

クリプト訪ねて三千里:第1373話日本を拠点としたクリプトヘッジファンド・トークン発行体におけるタックスヘイブン活用方法

日本を拠点としたビジネスにおけるタックスヘイブンの活用方法について解説します。英領バージン諸島(BVI)は、税制の優遇措置や法的安定性から、クリプトヘッジファンドやトークン発行体にとって最適な拠点の一つです。この記事では、BVIでのファンド設立やトークン発行に伴うコスト、収益体制、さらにブレークイーブンポイント(損益分岐点)について解説します。 1. BVIのクリプトヘッジファンドにかかる初期コスト BVIでクリプトヘッジファンドを設立するには、まず法人設立費用が必要です。一般的な法務や会計にかかる初期費用としては、約$5,000~$10,000が目安です。ライセンス取得には時間とコストが発生しますが、他の国と比べると迅速で低コストな手続きが可能です。加えて、サービスプロバイダーや運用会社との契約による月額の管理費用も考慮する必要があります。 2. トークン発行にかかる運営コスト トークン発行の際、セキュリティ監査やスマートコントラクト開発が不可欠で、これには$10,000~$50,000のコストがかかります。さらに、プラットフォーム手数料やマーケティング活動、プロジェクト運営費も考慮すると、発行前後のコストは大きな規模となります。そのため、事前にしっかりとした資金計画が求められます。 補足: ひとことでタックスヘイブンと言っても、その活用方法は目的に応じて異なります。例えば、クリプトヘッジファンドの場合はスキームの構築や金融ライセンスが必要で、関連するペーパーコストが発生します。一方、トークン発行体ではシステム開発費や運営費が主要なコストとなります。 3. コスト対策: 効率的な運営戦略 BVIの法的構造を利用すれば、税制優遇措置を最大限に活かすことができます。ファンドやトークン発行による利益に対する法人税は非常に低く設定されており、アウトソーシングによって運営管理コストを抑えることも可能です。特に初期段階では、法務や会計業務を外部委託することで、運営コストを最小限に抑えられます。 4. 収益体制とブレークイーブンポイント クリプトヘッジファンドの収益モデルは、主に管理フィーとパフォーマンスフィーで成り立ちます。管理フィーは通常年間2%、パフォーマンスフィーは利益の20%が標準的です。これに基づいて、運営にかかる固定費と変動費を計算し、最低限の運用資産規模を決定します。 例えば、年間の運営コストが50万ドルの場合、最低でも$25 millionの運用資産が必要となり、これが損益分岐点となります。トークン発行においても同様に、発行コストを上回る資金調達を確実に行うことが、ブレークイーブンの達成に不可欠です。 5. BVIでの成功事例と収益最大化のポイント BVIには、すでに成功を収めている多くのクリプトヘッジファンドやトークン発行体が存在します。彼らはBVIの柔軟な規制を活かし、コストを最小限に抑えながら、効率的な運営と収益の最大化を実現しています。成功のポイントは、迅速な立ち上げと、損益分岐点を超えた後のスケールアップ戦略にあります。

クリプト訪ねて三千里:第1372話トークン経済の進化と価格決定のメカニズム:その鍵を握る要素とは?

トークン経済は、ブロックチェーン技術の発展により、デジタルトークンが実際の価値を持つ新しい経済圏を築いています。この記事では、その価格決定のメカニズムや、トークン経済が進化する中で重要な要素について解説します。 トークンの市場流通量と価格への影響 トークンの価値を理解するための基本要素の一つが「市場流通量」です。サーキュレーティング・サプライとも呼ばれるこの指標は、市場に実際に流通しているトークンの数を意味します。流通しているトークンが少ないほど、需給バランスが崩れ、希少性が高まることでトークンの価値が上がる可能性があります。 例えば、トークンの**バーン(焼却)やロックアップ(一定期間の凍結)**が行われると、流通量が減少し、それが価格に大きな影響を与えることがあります。しかし、エアドロップの実施によって一時的にホルダー数が増加した場合、長期的には売り圧力を生む可能性もあります。そのため、トークンの魅力を維持し、価値減少を避けるための戦略的施策が求められます。 ユースケース(Use Case)とトークンの実需 トークンの価値は、その**ユースケース(実際の利用用途)**に強く依存します。つまり、そのトークンが何に使われ、どのくらいの人がその利用に興味を持つかが、その需要を決定します。特に、DeFi(分散型金融)やNFT、ゲーム内通貨といったエコシステム内で使われるトークンは、エコシステムの成功がそのままトークンの価値に反映されます。 例えば、SolanaやEthereumのような大規模エコシステムで利用されるトークンは、利用者や開発者の増加によって実需が高まり、価格上昇が期待できます。このように、エコシステムの成長がトークンの価値に直接的な影響を与えるのです。 ガバナンス機能とステーキング報酬 多くのトークンはガバナンス機能を持っており、トークン保有者がプロジェクトの意思決定に参加できるという点で価値を持っています。これにより、単なる取引手段に留まらず、プロジェクトの未来を左右する力を持つことができ、保有者にとっての魅力が増します。 さらに、ステーキング報酬が得られるトークンも増加しています。特に**PoS(Proof of Stake)**型のブロックチェーンにおいて、ステーキング報酬が保有インセンティブとなり、トークンの価格を下支えする要因となっています。報酬の多寡やステーキング参加率がトークンの流動性や価値に与える影響も無視できません。 最後に:トークン経済の未来 トークン経済はこれらの要素が複雑に絡み合いながら進化を続けています。流通量やバーンスケジュール、ユースケース、ガバナンス機能、ステーキング報酬など、トークンの価値を決定する多くの要因を理解することで、より賢明な投資判断ができることでしょう。

クリプト訪ねて三千里:第1371話 2049年のブロックチェーンと分散型金融(DeFi)の未来

ブロックチェーン技術と分散型金融(DeFi)の進化が25年後の2049年にはどのように展開されているのか、その未来について想像を膨らませてみましょう。 1. ブロックチェーンのインフラストラクチャー:デジタル世界の基盤 2049年には、ブロックチェーンは単なる金融取引や資産管理のためのツールではなく、社会全体のデジタル基盤として機能しているでしょう。現在、企業や政府が信頼性を担保するためにブロックチェーンを採用し始めているのは、まだ初期段階に過ぎません。25年後には、私たちの日常生活のほぼすべてのデータがブロックチェーン上で管理され、改ざん不可能なデータの流れが保証されていることが当たり前の世界が実現しているでしょう。 具体的には、個人のアイデンティティ、医療記録、土地や不動産の所有権、教育の証明書などがすべてブロックチェーン上に記録されます。この情報にアクセスするためには、個人が保有するデジタルウォレットが必要で、各種手続きがよりシームレスに、かつセキュアに行われるようになっているでしょう。 2. 分散型金融(DeFi):新しい金融の標準 2049年には、DeFiが従来の銀行システムを完全に置き換えている可能性があります。中央集権的な銀行や金融機関がなくなり、誰もがアクセス可能なオープンな金融エコシステムが確立されている世界です。今は一部のクリプト愛好家や投資家に使われているDeFiプロトコルですが、2049年には世界中の個人や企業が日常的に使うものになるでしょう。 ・自動化された資産運用:アルゴリズムがユーザーの金融資産を最適化し、個々のリスク許容度に基づいたポートフォリオを構築します。これは現在のロボアドバイザーの進化形であり、自己実行型スマートコントラクトによって運営されます。 ・ステーブルコインとデジタル通貨の支配:2049年には、国際通貨としてのステーブルコインや各国のデジタル通貨が標準となるでしょう。国境を超えた取引や個人間の資金移動も一瞬で行われ、手数料や中間業者がほぼなくなる世界です。 3. ガバナンスとコミュニティ主導の経済 もう一つの大きな変化は、ガバナンスモデルに見られます。2049年には、DAO(分散型自律組織)が多くの産業やコミュニティの運営の中心となっているでしょう。現在、DAOはまだ試験的なプロジェクトが多いですが、25年後にはこの仕組みがより洗練され、企業や政府の意思決定もコミュニティ主導で行われるケースが増加していると考えられます。 具体的には、会社の株主総会や国の政策決定は、ブロックチェーン上の投票システムを通じて行われ、透明性と公平性が保証されるようになるでしょう。このようにして、中央集権的なリーダーに依存しない、新しい形の民主主義が実現されます。 4. スマートシティとIoTの統合 2049年には、スマートシティが世界中に広がり、IoTデバイスが日常生活の隅々まで行き渡っているでしょう。このIoTデバイス同士の取引やデータのやり取りもブロックチェーンを基盤にして行われます。例えば、エネルギーの取引や、自動運転車同士の通信、さらには家庭の家電製品まで、すべてがスマートコントラクトによって管理され、効率的に動作します。 スマートシティでは、各住民が自分のエネルギーを他者と取引したり、自動車やドローンなどの交通手段を共有したりすることで、持続可能な社会が実現されるでしょう。このような都市は、完全に分散型のエコシステムで運営され、セキュリティとプライバシーが強化されたデジタル社会となるでしょう。 5. プライバシーとセキュリティの革新 2049年には、現在の懸念であるプライバシーとセキュリティに対する課題が大幅に改善されています。量子コンピュータの登場により、暗号化技術は飛躍的に進化し、より安全な取引やデータ保護が可能になります。各個人のプライバシーは、自己管理型のデジタルIDシステムによって保護され、ブロックチェーン上での匿名性が確保されるでしょう。 また、ハードウェアウォレットや他の保護ツールも進化し、個人の資産やデータが常に安全に守られる世界が実現されます。このような技術進歩により、詐欺やハッキングのリスクは大幅に減少し、人々は安心してデジタル世界で生活できるようになるでしょう。 2049年、ブロックチェーンと分散型金融は今以上に社会の中心的な役割を果たしているでしょう。デジタル化が進んだ社会において、ブロックチェーンは信頼性と透明性を提供し、DeFiは金融アクセスの平等化を実現します。私たちは、個人のアイデンティティ、資産、データ、ガバナンスまで、あらゆる側面でこれらの技術に依存する時代を迎えるでしょう。それは、より効率的で公正、かつ安全な社会の基盤を作り上げるための大きな進化なのです。   BlockRabbit『クリプト訪ねて三千里』とは。 現在の実態経済からは少し離れたところに、もう1つの経済圏がブロックチェーンによって興ると考える筆者が、その興隆を追っていくために毎日1社ずつ界隈のプロダクトを紹介していく超短編気まぐれ日刊コラムです!その日目に留まったメディア記事も幾つかピックアップしてお届けします!勝手にピックアップ。今日のクリプト界隈の出来事。   ・Satoshi時代のBTCウォレットにまた動きが(Decrypt) Satoshi時代(Satoshiが活発であった2009-2010年)のBTCウォレットにあった約30億円分のBTCが移動。移動先や理由は不明。2年振りのATHを更新した今、次の大きな動きを示唆しているのかも?オカルトチックですが、Satashi時代というワードがワクワクさせられますね笑   ・Padadigmの出資先ポートフォリオ(The Block) DeFiやインフラ中心にちゃんと抑えている印象。クリプトに至っては民間とVCの間で見ている範囲に差がないのは面白い。DAOとかハッキングが無ければ、本来かなり機能していたのかもしれない。   今日のスタートアップ・ハント!   Tokenlog:https://hack.ethglobal.co/showcase/tokenlog-recMOlbRaaVUzrXyo Continuously gather feedback...

クリプト訪ねて三千里:第1370話 PoSとTOBの関連性

PoSとTOBの関連性PoS(Proof of Stake)における51%攻撃のリスクは、株式市場におけるTOBのプロセスと似ています。TOBでは、買収者が十分な株式を買い集めることで、その企業に対して支配権を得ることができます。同様に、PoSでは、ステークホルダーがトークンを大量に所有することで、そのネットワークに対して大きな影響力を持つことが可能です。 具体的には、PoSネットワークではトークンの所有権=ネットワークの支配力となるため、大量のトークンを取得すればネットワークを操作する可能性が増し、結果的に51%攻撃が実行されるリスクが高まります。これがPoSの一つの脆弱性です。  PoWのエネルギー源泉と集中化の抑制一方、PoW(Proof of Work)は異なるコンセンサスアルゴリズムを採用しており、支配力の源泉がエネルギーと計算リソースです。PoWでは、大量のエネルギーを消費して計算問題を解くことで、新しいブロックが生成されます。これは、物理的なリソース(エネルギーやハードウェア)に依存しており、所有権の移転でネットワークを操作することは不可能です。 PoWにおいては、攻撃者が51%のハッシュレートを取得するためには、膨大な計算力とエネルギーが必要になります。計算リソースの調達はコストが非常に高いため、現実世界のエネルギー価格や供給状況に左右されます。ネットワーク参加者(マイナー)が地理的にもエネルギー供給的にも分散しているため、単一のプレイヤーが過度にリソースを集中させることは難しく、ネットワークが中央集権化しにくい構造を持っています。  PoS vs PoWの比較と結論PoS: トークンの所有権がネットワークの支配権に直結しているため、TOBのように特定の勢力がトークンを集めればネットワークを操作するリスクがある。これは、トークンの流動性が高く、容易に集中化が進む可能性があるため、51%攻撃のリスクが高まる。PoW: 計算リソースとエネルギーがコンセンサスの源泉であるため、物理的なリソースを確保しなければネットワークを支配することはできない。エネルギーの供給やコストが障壁となるため、集中化が起こりにくく、結果的に51%攻撃が起こりにくい構造を持つ。なので、セキュリティの観点ではPoWの方が堅牢であると言えます。 BlockRabbit『クリプト訪ねて三千里』とは。現在の実態経済からは少し離れたところに、もう1つの経済圏がブロックチェーンによって興ると考える筆者が、その興隆を追っていくために毎日1社ずつ界隈のプロダクトを紹介していく超短編気まぐれ日刊コラムです!その日目に留まったメディア記事も幾つかピックアップしてお届けします!

Topics

クリプト訪ねて三千里:第1374話イールド・ファーミングの進化と投資戦略:リスク分散で最大の利回りを狙え!

1. イールド・ファーミングとは? イールド・ファーミングは、暗号資産の世界で報酬を得るための方法の一つで、主にDeFi(分散型金融)プラットフォームで利用されています。この取引方法では、ユーザーが自身の暗号資産を貸し出したり、流動性プールに預けたりすることで、金利や報酬としてトークンを受け取ることができます。取引所や銀行の預金に似た仕組みですが、DeFiにおける取引はブロックチェーン上で行われ、仲介者を介さないため、より高い利回りが期待されることが多いです。 例えば、UniswapやSushiSwapのようなプラットフォームでは、ユーザーが流動性プールにトークンを預け、その見返りに取引手数料の一部を受け取る形が一般的です。さらに、報酬として発行される独自トークンを手に入れることもできます。これにより、イールド・ファーミングは、単に資産を持っているだけでは得られない追加の収益機会を提供します。 ________________________________________ 2. 主要なイールド・ファーミングプラットフォームの紹介 イールド・ファーミングを実施できる主要なプラットフォームとして、Uniswap、SushiSwap、Aave、Compoundなどが挙げられます。これらのプラットフォームは、ユーザーに異なる方法で流動性を提供し、その報酬を提供します。 Uniswapは、最も有名な分散型取引所(DEX)で、流動性提供者(LP)がトークンのペアを流動性プールに預けることで、トークンスワップの際の手数料を報酬として受け取ります。流動性プールは自動的に管理され、流動性の不足を防ぐ仕組みが整っています。 SushiSwapは、Uniswapから派生したプロジェクトですが、追加の報酬として「SUSHIトークン」が得られる点でユニークです。これにより、ユーザーは単に取引手数料だけでなく、SUSHIトークンをステーキングしてさらなる利益を得ることができます。 AaveやCompoundは、貸し借りのプラットフォームであり、ユーザーが資産を預けることで、借り手が支払う金利の一部を報酬として受け取る仕組みです。これらのプラットフォームは、流動性提供よりも借り手に資産を貸し出すことにフォーカスしており、ユーザーは固定金利または変動金利で報酬を受け取ることができます。 これらのプラットフォームの選択肢は多岐にわたるため、イールド・ファーミングを始める前に、それぞれのプラットフォームの特性をよく理解し、自分のリスク許容度や投資目標に合ったものを選ぶことが重要です。 ________________________________________ 3. 収穫(利回り)の仕組みとリスク イールド・ファーミングにおける報酬、つまり「利回り」は、預けた資産の使用や取引に対して支払われる手数料や、プラットフォームが発行する独自トークンによって生成されます。これらの報酬は、APY(年利率)として表現され、プラットフォームによっては非常に高い利回りを提供することがあります。 たとえば、Uniswapでは取引手数料が流動性提供者に分配されますが、SushiSwapではそれに加えてSUSHIトークンが報酬として支払われます。また、AaveやCompoundでは、貸し出しに対する金利が報酬として支払われ、借り手が増えるほど利回りも高くなります。 しかし、高利回りにはリスクが伴います。代表的なリスクとしては「インパーマネントロス(価格変動による一時的損失)」があります。これは、流動性プール内のトークン価格が変動した場合、単に保持しているだけの場合に比べて損失を被る可能性がある現象です。また、スマートコントラクトの脆弱性によるハッキングリスクや、プラットフォーム自体の信用リスクも考慮しなければなりません。 イールド・ファーミングは、高利回りを狙える一方で、これらのリスクを正確に理解し、適切に管理することが重要です。リスクを減らすために、分散投資やリスク評価を行うことが推奨されます。 ________________________________________ 4. イールド・ファーミングを利用した投資戦略と今後の展望 イールド・ファーミングを利用した効果的な投資戦略には、まずリスクの分散が重要です。特定のプラットフォームに集中投資するのではなく、複数のDeFiプラットフォームを利用し、リスクを分散することが推奨されます。たとえば、Uniswapで流動性を提供しながら、Aaveで資産を貸し出すことで、異なる種類の報酬を得ることができます。 また、イールド・ファーミングの利回りは流動的で、プラットフォーム間で変動します。これを利用して、利回りの高いプラットフォームに資金を移動させる「Yield Hopping(利回りジャンプ)」という戦略も存在します。ただし、取引手数料や移動にかかるガス代を考慮し、利回りを最大化するための計算が必要です。 今後、イールド・ファーミングはさらに進化し、DeFiの中核を担う投資手法の一つとして発展することが予想されます。特に、より多くの伝統的金融機関がDeFiに参入することで、市場規模が拡大し、利回りやリスク管理の手法も洗練されていくでしょう。技術的な進展とともに、イールド・ファーミングは引き続き注目される投資手法となることが期待されます。

クリプト訪ねて三千里:第1373話日本を拠点としたクリプトヘッジファンド・トークン発行体におけるタックスヘイブン活用方法

日本を拠点としたビジネスにおけるタックスヘイブンの活用方法について解説します。英領バージン諸島(BVI)は、税制の優遇措置や法的安定性から、クリプトヘッジファンドやトークン発行体にとって最適な拠点の一つです。この記事では、BVIでのファンド設立やトークン発行に伴うコスト、収益体制、さらにブレークイーブンポイント(損益分岐点)について解説します。 1. BVIのクリプトヘッジファンドにかかる初期コスト BVIでクリプトヘッジファンドを設立するには、まず法人設立費用が必要です。一般的な法務や会計にかかる初期費用としては、約$5,000~$10,000が目安です。ライセンス取得には時間とコストが発生しますが、他の国と比べると迅速で低コストな手続きが可能です。加えて、サービスプロバイダーや運用会社との契約による月額の管理費用も考慮する必要があります。 2. トークン発行にかかる運営コスト トークン発行の際、セキュリティ監査やスマートコントラクト開発が不可欠で、これには$10,000~$50,000のコストがかかります。さらに、プラットフォーム手数料やマーケティング活動、プロジェクト運営費も考慮すると、発行前後のコストは大きな規模となります。そのため、事前にしっかりとした資金計画が求められます。 補足: ひとことでタックスヘイブンと言っても、その活用方法は目的に応じて異なります。例えば、クリプトヘッジファンドの場合はスキームの構築や金融ライセンスが必要で、関連するペーパーコストが発生します。一方、トークン発行体ではシステム開発費や運営費が主要なコストとなります。 3. コスト対策: 効率的な運営戦略 BVIの法的構造を利用すれば、税制優遇措置を最大限に活かすことができます。ファンドやトークン発行による利益に対する法人税は非常に低く設定されており、アウトソーシングによって運営管理コストを抑えることも可能です。特に初期段階では、法務や会計業務を外部委託することで、運営コストを最小限に抑えられます。 4. 収益体制とブレークイーブンポイント クリプトヘッジファンドの収益モデルは、主に管理フィーとパフォーマンスフィーで成り立ちます。管理フィーは通常年間2%、パフォーマンスフィーは利益の20%が標準的です。これに基づいて、運営にかかる固定費と変動費を計算し、最低限の運用資産規模を決定します。 例えば、年間の運営コストが50万ドルの場合、最低でも$25 millionの運用資産が必要となり、これが損益分岐点となります。トークン発行においても同様に、発行コストを上回る資金調達を確実に行うことが、ブレークイーブンの達成に不可欠です。 5. BVIでの成功事例と収益最大化のポイント BVIには、すでに成功を収めている多くのクリプトヘッジファンドやトークン発行体が存在します。彼らはBVIの柔軟な規制を活かし、コストを最小限に抑えながら、効率的な運営と収益の最大化を実現しています。成功のポイントは、迅速な立ち上げと、損益分岐点を超えた後のスケールアップ戦略にあります。

クリプト訪ねて三千里:第1372話トークン経済の進化と価格決定のメカニズム:その鍵を握る要素とは?

トークン経済は、ブロックチェーン技術の発展により、デジタルトークンが実際の価値を持つ新しい経済圏を築いています。この記事では、その価格決定のメカニズムや、トークン経済が進化する中で重要な要素について解説します。 トークンの市場流通量と価格への影響 トークンの価値を理解するための基本要素の一つが「市場流通量」です。サーキュレーティング・サプライとも呼ばれるこの指標は、市場に実際に流通しているトークンの数を意味します。流通しているトークンが少ないほど、需給バランスが崩れ、希少性が高まることでトークンの価値が上がる可能性があります。 例えば、トークンの**バーン(焼却)やロックアップ(一定期間の凍結)**が行われると、流通量が減少し、それが価格に大きな影響を与えることがあります。しかし、エアドロップの実施によって一時的にホルダー数が増加した場合、長期的には売り圧力を生む可能性もあります。そのため、トークンの魅力を維持し、価値減少を避けるための戦略的施策が求められます。 ユースケース(Use Case)とトークンの実需 トークンの価値は、その**ユースケース(実際の利用用途)**に強く依存します。つまり、そのトークンが何に使われ、どのくらいの人がその利用に興味を持つかが、その需要を決定します。特に、DeFi(分散型金融)やNFT、ゲーム内通貨といったエコシステム内で使われるトークンは、エコシステムの成功がそのままトークンの価値に反映されます。 例えば、SolanaやEthereumのような大規模エコシステムで利用されるトークンは、利用者や開発者の増加によって実需が高まり、価格上昇が期待できます。このように、エコシステムの成長がトークンの価値に直接的な影響を与えるのです。 ガバナンス機能とステーキング報酬 多くのトークンはガバナンス機能を持っており、トークン保有者がプロジェクトの意思決定に参加できるという点で価値を持っています。これにより、単なる取引手段に留まらず、プロジェクトの未来を左右する力を持つことができ、保有者にとっての魅力が増します。 さらに、ステーキング報酬が得られるトークンも増加しています。特に**PoS(Proof of Stake)**型のブロックチェーンにおいて、ステーキング報酬が保有インセンティブとなり、トークンの価格を下支えする要因となっています。報酬の多寡やステーキング参加率がトークンの流動性や価値に与える影響も無視できません。 最後に:トークン経済の未来 トークン経済はこれらの要素が複雑に絡み合いながら進化を続けています。流通量やバーンスケジュール、ユースケース、ガバナンス機能、ステーキング報酬など、トークンの価値を決定する多くの要因を理解することで、より賢明な投資判断ができることでしょう。

クリプト訪ねて三千里:第1371話 2049年のブロックチェーンと分散型金融(DeFi)の未来

ブロックチェーン技術と分散型金融(DeFi)の進化が25年後の2049年にはどのように展開されているのか、その未来について想像を膨らませてみましょう。 1. ブロックチェーンのインフラストラクチャー:デジタル世界の基盤 2049年には、ブロックチェーンは単なる金融取引や資産管理のためのツールではなく、社会全体のデジタル基盤として機能しているでしょう。現在、企業や政府が信頼性を担保するためにブロックチェーンを採用し始めているのは、まだ初期段階に過ぎません。25年後には、私たちの日常生活のほぼすべてのデータがブロックチェーン上で管理され、改ざん不可能なデータの流れが保証されていることが当たり前の世界が実現しているでしょう。 具体的には、個人のアイデンティティ、医療記録、土地や不動産の所有権、教育の証明書などがすべてブロックチェーン上に記録されます。この情報にアクセスするためには、個人が保有するデジタルウォレットが必要で、各種手続きがよりシームレスに、かつセキュアに行われるようになっているでしょう。 2. 分散型金融(DeFi):新しい金融の標準 2049年には、DeFiが従来の銀行システムを完全に置き換えている可能性があります。中央集権的な銀行や金融機関がなくなり、誰もがアクセス可能なオープンな金融エコシステムが確立されている世界です。今は一部のクリプト愛好家や投資家に使われているDeFiプロトコルですが、2049年には世界中の個人や企業が日常的に使うものになるでしょう。 ・自動化された資産運用:アルゴリズムがユーザーの金融資産を最適化し、個々のリスク許容度に基づいたポートフォリオを構築します。これは現在のロボアドバイザーの進化形であり、自己実行型スマートコントラクトによって運営されます。 ・ステーブルコインとデジタル通貨の支配:2049年には、国際通貨としてのステーブルコインや各国のデジタル通貨が標準となるでしょう。国境を超えた取引や個人間の資金移動も一瞬で行われ、手数料や中間業者がほぼなくなる世界です。 3. ガバナンスとコミュニティ主導の経済 もう一つの大きな変化は、ガバナンスモデルに見られます。2049年には、DAO(分散型自律組織)が多くの産業やコミュニティの運営の中心となっているでしょう。現在、DAOはまだ試験的なプロジェクトが多いですが、25年後にはこの仕組みがより洗練され、企業や政府の意思決定もコミュニティ主導で行われるケースが増加していると考えられます。 具体的には、会社の株主総会や国の政策決定は、ブロックチェーン上の投票システムを通じて行われ、透明性と公平性が保証されるようになるでしょう。このようにして、中央集権的なリーダーに依存しない、新しい形の民主主義が実現されます。 4. スマートシティとIoTの統合 2049年には、スマートシティが世界中に広がり、IoTデバイスが日常生活の隅々まで行き渡っているでしょう。このIoTデバイス同士の取引やデータのやり取りもブロックチェーンを基盤にして行われます。例えば、エネルギーの取引や、自動運転車同士の通信、さらには家庭の家電製品まで、すべてがスマートコントラクトによって管理され、効率的に動作します。 スマートシティでは、各住民が自分のエネルギーを他者と取引したり、自動車やドローンなどの交通手段を共有したりすることで、持続可能な社会が実現されるでしょう。このような都市は、完全に分散型のエコシステムで運営され、セキュリティとプライバシーが強化されたデジタル社会となるでしょう。 5. プライバシーとセキュリティの革新 2049年には、現在の懸念であるプライバシーとセキュリティに対する課題が大幅に改善されています。量子コンピュータの登場により、暗号化技術は飛躍的に進化し、より安全な取引やデータ保護が可能になります。各個人のプライバシーは、自己管理型のデジタルIDシステムによって保護され、ブロックチェーン上での匿名性が確保されるでしょう。 また、ハードウェアウォレットや他の保護ツールも進化し、個人の資産やデータが常に安全に守られる世界が実現されます。このような技術進歩により、詐欺やハッキングのリスクは大幅に減少し、人々は安心してデジタル世界で生活できるようになるでしょう。 2049年、ブロックチェーンと分散型金融は今以上に社会の中心的な役割を果たしているでしょう。デジタル化が進んだ社会において、ブロックチェーンは信頼性と透明性を提供し、DeFiは金融アクセスの平等化を実現します。私たちは、個人のアイデンティティ、資産、データ、ガバナンスまで、あらゆる側面でこれらの技術に依存する時代を迎えるでしょう。それは、より効率的で公正、かつ安全な社会の基盤を作り上げるための大きな進化なのです。   BlockRabbit『クリプト訪ねて三千里』とは。 現在の実態経済からは少し離れたところに、もう1つの経済圏がブロックチェーンによって興ると考える筆者が、その興隆を追っていくために毎日1社ずつ界隈のプロダクトを紹介していく超短編気まぐれ日刊コラムです!その日目に留まったメディア記事も幾つかピックアップしてお届けします!勝手にピックアップ。今日のクリプト界隈の出来事。   ・Satoshi時代のBTCウォレットにまた動きが(Decrypt) Satoshi時代(Satoshiが活発であった2009-2010年)のBTCウォレットにあった約30億円分のBTCが移動。移動先や理由は不明。2年振りのATHを更新した今、次の大きな動きを示唆しているのかも?オカルトチックですが、Satashi時代というワードがワクワクさせられますね笑   ・Padadigmの出資先ポートフォリオ(The Block) DeFiやインフラ中心にちゃんと抑えている印象。クリプトに至っては民間とVCの間で見ている範囲に差がないのは面白い。DAOとかハッキングが無ければ、本来かなり機能していたのかもしれない。   今日のスタートアップ・ハント!   Tokenlog:https://hack.ethglobal.co/showcase/tokenlog-recMOlbRaaVUzrXyo Continuously gather feedback...

クリプト訪ねて三千里:第1370話 PoSとTOBの関連性

PoSとTOBの関連性PoS(Proof of Stake)における51%攻撃のリスクは、株式市場におけるTOBのプロセスと似ています。TOBでは、買収者が十分な株式を買い集めることで、その企業に対して支配権を得ることができます。同様に、PoSでは、ステークホルダーがトークンを大量に所有することで、そのネットワークに対して大きな影響力を持つことが可能です。 具体的には、PoSネットワークではトークンの所有権=ネットワークの支配力となるため、大量のトークンを取得すればネットワークを操作する可能性が増し、結果的に51%攻撃が実行されるリスクが高まります。これがPoSの一つの脆弱性です。  PoWのエネルギー源泉と集中化の抑制一方、PoW(Proof of Work)は異なるコンセンサスアルゴリズムを採用しており、支配力の源泉がエネルギーと計算リソースです。PoWでは、大量のエネルギーを消費して計算問題を解くことで、新しいブロックが生成されます。これは、物理的なリソース(エネルギーやハードウェア)に依存しており、所有権の移転でネットワークを操作することは不可能です。 PoWにおいては、攻撃者が51%のハッシュレートを取得するためには、膨大な計算力とエネルギーが必要になります。計算リソースの調達はコストが非常に高いため、現実世界のエネルギー価格や供給状況に左右されます。ネットワーク参加者(マイナー)が地理的にもエネルギー供給的にも分散しているため、単一のプレイヤーが過度にリソースを集中させることは難しく、ネットワークが中央集権化しにくい構造を持っています。  PoS vs PoWの比較と結論PoS: トークンの所有権がネットワークの支配権に直結しているため、TOBのように特定の勢力がトークンを集めればネットワークを操作するリスクがある。これは、トークンの流動性が高く、容易に集中化が進む可能性があるため、51%攻撃のリスクが高まる。PoW: 計算リソースとエネルギーがコンセンサスの源泉であるため、物理的なリソースを確保しなければネットワークを支配することはできない。エネルギーの供給やコストが障壁となるため、集中化が起こりにくく、結果的に51%攻撃が起こりにくい構造を持つ。なので、セキュリティの観点ではPoWの方が堅牢であると言えます。 BlockRabbit『クリプト訪ねて三千里』とは。現在の実態経済からは少し離れたところに、もう1つの経済圏がブロックチェーンによって興ると考える筆者が、その興隆を追っていくために毎日1社ずつ界隈のプロダクトを紹介していく超短編気まぐれ日刊コラムです!その日目に留まったメディア記事も幾つかピックアップしてお届けします!

クリプト訪ねて三千里:第1369話 Solanaブロックチェーン上のトークン -SPLトークン-

SPLトークンは、Solanaプログラムライブラリトークンの略で、Solanaブロックチェーン上で動作するデジタル資産です。これらのトークンは、NFT(非代替性トークン)や通常の通貨の形で発行され、Solanaのトークンプログラムを使用して作成および管理されます。SPLトークンの特徴は、異なるタイプのトークンに対して特別なルールを必要としない柔軟性にあり、幅広い用途に対応できる点です。   SPLトークンの特徴 相互運用性: SPLトークンは、他の多くのトークン標準とは異なり、代替可能トークン(FT)と非代替性トークン(NFT)の両方に対応できる汎用性を持ち、Solanaエコシステム内で多様な用途に利用されます。 高い効率性: Solanaブロックチェーンは超高速のトランザクション処理を特徴としており、SPLトークンはこの利点を活かして他のブロックチェーン上のトークンと比べても非常に速く、効率的に取引を行うことが可能です。 スマートコントラクトによる発行: SPLトークンの作成は、Solanaのスマートコントラクト機能を使用して行われ、安全かつ信頼性の高いプロセスで発行されます。   なぜSPLトークンが重要か SPLトークンは、Solanaネットワーク上で代替可能および非代替性トークンの動作を規定する基本的な役割を果たしており、EthereumのERC-20標準に類似した役割を担っています。この標準は、Solanaウォレットやスマートコントラクトとのシームレスな相互運用性を保証し、さまざまなアプリケーションやプラットフォームがSolanaで機能するための枠組みを提供しています。   SPLトークンのユースケース ネイティブ通貨SOL: SOLはSolanaのネイティブ暗号通貨であり、ガバナンスや取引、契約の実行、エコシステム内での価値移転など、重要な役割を果たします。 多様なトークン: JTOやPYTHなど、さまざまなSPLトークンがSolana上で発行されており、取引、流動性の提供、ステーブルコインなど幅広い用途に使用されています。   SPLトークンの用途 SPLトークンは、Solanaブロックチェーン上で多様な用途に利用され、エアドロップやDApps(分散型アプリケーション)、取引、ステーキング、ガバナンス投票などに活用されています。また、支払い手段や価値の移転、ICOやIEOの媒介としても利用されています。   結論 SPLトークンは、Solanaブロックチェーン上の革新的な標準を体現し、効率性、相互運用性、多様なユースケースを提供することで、分散型アプリケーションの促進、安全な取引の実現、そしてSolanaエコシステム内のイノベーションに貢献しています。今後も進化するブロックチェーン業界の最前線に立ち、分散型未来への道を切り開く存在であり続けるでしょう。

クリプト訪ねて三千里:第1368話CMCコミュニティの使い方 CoinMarketCap

CMCコミュニティに登録する方法 CMCコミュニティに投稿する方法 CMCコミュニティへの登録方法 CoinMarketCapにアカウントを作成することでCMCコミュニティに参加することができます。CoinMarketCapホームページの「サインアップ」ボタンをクリックし、メールアドレスを入力してアカウントを作成してください。 CMCコミュニティへの投稿方法 登録が完了すると、見慣れたデザインが表示されます。CMCコミュニティは他のソーシャルメディアと同じように機能します。何かを投稿したい場合は、フィードに移動し、メッセージを入力して投稿をクリックします。ユーザーは、暗号通貨について「強気」か「弱気」かをシグナルすることもできる。

クリプト訪ねて三千里:第1367話暗号資産の価値を決定づける要素: トータルサプライとサーキュレーティング・サプライの役割

https://academy.binance.com/en/glossary/total-supply こちらの抄訳バージョンです。   トータルサプライ トータルサプライとは、現在存在し、流通しているか、何らかの形でロックされているコインやトークンの数を指します。これは、すでに採掘された(または発行された)コインの合計から、バーンされたり破壊されたりしたコインの合計を差し引いたものです。   したがって、トータルサプライには、流通供給量(サーキュレーティング・サプライ)とまだ公開市場に出ていないコインの両方が含まれます。例えば、まだ公開市場に出ていないコインとは、プライベートセールや初期コインオファリング(ICO)イベントの後に通常行われるロックアップやベスティング期間の下で保持されているコインなどです。   最終的に焼却されるコインやトークンはトータルサプライから除かれます。例えば、バイナンスが四半期ごとに行うコインの焼却イベントによって、BNBのトータルサプライは恒久的に減少することになります。   トータルサプライとサーキュレーティング・サプライの比較 トータルサプライとは異なり、サーキュレーティング・サプライは、すでに市場に出回っており、様々な暗号資産市場で取引が可能な全てのコインを指します。これは一般の人々の手に渡っているコインを意味し、ロックされたコインや保留中のトークンは含まれません。   暗号資産の市場価値は、ロックされたり保留されたりしている供給の部分によって直接影響されないため、時価総額を計算する際には通常、トータルサプライではなく、流通している供給量だけを考慮に入れます。   サーキュレーティング・サプライと最大供給量 トータルサプライは、既に採掘された(または発行された)全てのコインから、焼却されたコインを引いた数を指します。一方で、最大供給量とは、将来存在するであろう全てのコインの総数を意味します。トータルサプライとの違いは、最大供給量には将来採掘されるコイン、既にトータルサプライに数えられているコイン、そして焼却されたコインも全て含まれる点にあります。   トークンエコノミクスを考えるとき、多くのコインが持つ固有の稀少性が価値の源泉となります。例えば、ビットコインのような採掘可能なコインは、新しいブロックがマイナーによって検証され、ネットワーク全体で認証されるたびに、新たに生成されます。しかし、採掘可能な暗号資産のほとんどには、生成可能なコインの総数に上限(最大供給量)が設けられており、このため新しいコインの生成は永遠に続くわけではありません。この最大供給量は、通常、そのコインのジェネシスブロックが作成された時に定められます。ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー BlockRabbit『クリプト訪ねて三千里』とは。 第1338話から。執筆者の事業展開を定期的にご報告します。DAO「分散型自律組織:ブロックチェーン上で世界中の人々が協力して管理・運営される組織」の考えの下、金融、ウェルスマネジメント、暗号資産、DeFi、NFTのビジネスのネタをお届けします。独創性あふれる生きた情報をお届けいたします。コラボ歓迎!!執筆者への個別メッセージも可能です。どの執筆者宛かを記載し、内容とともにhello@blockrabbit.ioに直接コンタクトを下さい。*フォーム問い合わせでもリーチ可能です。 第924話~第1337話まで。暗号資産、DeFi、NFTに感化された新進気鋭の若手が定期的に登場!ユーザー目線でコツコツ嚙み砕いていくコラムもあり、アメリカ発の最新情報など絶妙な情報をお伝えしてきました。 第596話~第923話まで、バトンタッチを受けたcryptoトレーダーは、DeFiとは何ぞや?ユーザー目線でコツコツ嚙み砕いていくコラムを書いていきました。 第1話~第595話まで 現在の実体経済からは少し離れたところに、もう1つの経済圏がブロックチェーンによって興ると考えるShoが、その興隆を追っていくために毎日1社ずつ界隈のプロダクトを紹介していく超短編気まぐれ日刊コラムであり、メディア記事も幾つかピックアップしてお届けしておりました。
spot_img

Related Articles

Popular Categories

spot_imgspot_img