ICO投資で得られるものとは

Original Article : This is what you get when you invest in an initial coin offering
Posted on Nov 9, 2017 by Trevor N. CadiganJacqui FrankKara Chin

Evercoin Cryptocurrency Exchangeの共同設立者であるMiko Matsumura氏がビジネスインサイダー誌のSara Silverstein編集長とICOについて対談した。

Miko Matsumura こんにちは、Evercoin Cryptocurrency Exchangeの共同設立者Miko Matsumuraです。本日はイニシャル・コイン・オファリング(以下ICO)について知っておくべきことをすべてお話します。

Sara Silverstein 今日はICOについてできるだけすべてを学びたいと思っています。かなりたくさんのことが現在進行中のようですからね。一般的にICOとは何ですか?

Matsumura ICOはちょっとおかしな名前です。 初期のコイン提供、つまりイニシャル・コイン・オファリング。実際に起きていることは、トークンが作成・発行されて、一般に販売されている…ということ。 近ごろのかなり大きな現象ですよね。

Silverstein それで何が手に入るのですか。コインということですが、結局何なのでしょう。

Matsumura ウォレットソフトウェアに格納する暗号トークンです。最終的にはこのエンティティが作り出した経済上の価値によって、その価値も決まります。

Silverstein それでは、新規株式公開(IPO)株を所有しているようなものではないという? その背後にあるものの株を持っているわけではないのですね。

Matsumura 人びとがコインや暗号トークンに抱いている大きな懸念のひとつは、だいたいの場合、これらが実際に法的権利を与えてくれるものではないという点です。これはかなり興味深い問題で、これらを所有する人びとにとって潜在的な懸念材料になります。

Silverstein それではビットコインのようなものであると…。ビットコインの価値とは、ビットコインのブロックチェーンをよい方向にキープしているものにあるという?

Matsumura そういうことですね。

Silverstein ICOコインはこれらに関係していて、新しいICOが新しい企業の誕生に拍車をかけています。そしてその企業が成長し続ける限り、おそらくそのコインの価値も高まるのですね。

Matsumura そうですね。実際、ICOトークンにはふたつのクラスがあります。ひとつは資産担保証券。資産担保は文字通りの意味で、そこには不動産があります。したがって、そのトークンの物理的または仮想的な商品を表しています。

もうひとつはユーティリティトークンです。基本的にある種のマクロ経済において商品やサービスを購入するために使われます。

Silverstein どれくらいの数が存在するのですか?

Matsumura 1日あたり約30のICOが新たに発行されています。今年はこれまでに、ICO市場に30億米ドルが流れ込みました。ひとつの企業がICOあたり2億米ドルをも調達しています。興味深いのは彼らがビットコインとイーサリアムでそれを達成したことです。 これら自体の価値もまた上昇し続けていますからね。

あるケース −−たとえば eosは、ビットコインとイーサリアムの価格上昇に呼応して、約7億米ドル調達しました。

Silverstein それがビットコインの価格上昇の要因のひとつなんですか? ICOを購入するにはビットコインを使わなくはなりません。だから、こうしたICOの動きのすべてが、事実上ビットコインの価格をあげているという。

Matsumura 実はもっとも一般的なプラットフォームは、イーサリアムのブロックチェーンなんです。したがって、ICOへの送金を目的としたイーサリアムの購入は、間違いなくそのための経済的な推進要因でしょう。しかし、ビットコイン自体の価格に関しては、より大きな地政学的ファンダメンタルズが存在するといいたい。私たちは、ビットコイン・インターフェイスや仮想通貨インターフェイスにとっての法定通貨に関して、大きな動きを目の当たりにしています。
だから新しいヘッジファンドがたくさん登場していますね。100を超える仮想通貨ヘッジファンドの一部は 、私が知っているだけでも4つありますが、 5億米ドルの規模です。彼らは仮想通貨インターフェイスにとってかなり大量の法定通貨です。

Silverstein あなたが投資しているファンドのひとつは、ICOのみのファンドですよね?

Matsumura そうですね。私はPantera Capitalの限定パートナーでもあります。 1億ドルのICOオンリーのファンドです。したがってトークンでのみ投資し、従来のベンチャーエクイティには投資しません。

Silverstein もしビットコイン祭りを逃したり、そうしてしまったと思っている人は、これらICO祭りに参加すべきなのでしょうか? かなりエキサイティングなことが起きているように聞こえます。

Matsumura もう少し注意が必要だと言いたいですね。クラウドファンディングに遺伝的なルーツがあるために、資金調達方法としてこれほどの人気がでているということがあります。問題のひとつは、誰もがICOをやっているいとこのようなものだということです。実際のところ少し怖いですね。私はおそらく、これら金融商品のほとんどから距離を置くことでしょう。

現在は鯨クラスの大型投資家がますますこれら金融商品を注意深く調査している状態で、それは非常に適切です。市場が自己規制を行っている点が興味深い。CEOたちに対して仮想通貨をやぶからぼうに投じている一般投資家の数はますます少なくなっています。これは健全な傾向だと思います。

Matsumura これらを分析するのは非常に複雑だと思うんです。特定のICOのファンダメンタルな価値を理解することは、専門家としてそれを日がな一日やる人の仕事と思っています。

Silverstein 不可解なICOに関して、注意している点はどんなものですか。

Matsumura まあ私にとっては、それを支えているブロックチェーン技術とのファンダメンタルなつながりを真剣に検討することですね。ブロックチェーンを非常に簡潔にいいあらわすと、本当に本当に遅いデータベースということなんです。ブロックチェーンを使用したい理由があるとすれば、あなたが誰も信頼しない場合だけですね。

そのような状況とは何でしょう。ビットコインの状況がまさにそれです。なぜなら、あなたのお金のことで誰も信用するべきではないし、それをしてくれているのがブロックチェーンだからです。それを強調するために、ブロックチェーンはとてもスローなデータベースなのです。したがって、より高速なデータベースが必要なのであれば、そのデータベースの運営において信頼できる誰かが存在する状況を見つけ出せば済むわけです。

だからこそ私はICOを分析するときに、このテクノロジーのファンダメンタルな用いられ方を真剣に検討するのです。それが関連していようがいまいが、私はそれがカギだと感じています。

Silverstein それでは、ブロックチェーンがすべてに革命を起こし、すべては分散化できるという一般的な考え方は、必ずしも理にかなっていないと。

Matsumura そうですね。私たちは今、多くのインフラで中央集権化のピークにあって、多くのケースではその反動で分散化に向かっている、というのが私の投資持論ポイントのひとつなんです。そして、多くの外面性がある。つまり、様々な種類のシステムにおいて、人びとは負担に同意しなかった費用を負担しているということです。