クリプト訪ねて三千里:第877話
小口の自動売買

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自動売買(アルゴリズム取引)とは、コンピュータプログラムを使って利益のある売買状況を発見し、その注文を自動的に市場に送る取引方法です。トレーダーは、売買注文が実行される前に満たさなければならない一連のルール(アルゴリズム)を定義します。

2000年代初頭、ゴールドマン・サックス(GS)のトレーディング部門では、600人のトレーダーが働いていました。彼らは、同社の主要顧客にサービスを提供するために雇われていた。彼らは、指示された通りに最良の価格で株式を売買した。現在、トレーダーの数は2名です。

トレーディングの仕事はすべてアルゴリズム・トレーディング・プログラムによって自動化され、600人いたトレーダーの仕事はほとんどなくなりましたが、ソフトウェア開発者と呼ばれる200人の技術者を雇う必要がありました。ソフトウェア開発者とは、コンピュータ・プログラムのメンテナンスや改良を行う人たちです。

初期のコンピュータ・トレーディング・プログラムは、比較的オープンな市場で売買価格を決定することが容易であったトレーダーに取って代わるものでした。その後、プログラムは機械学習機能を備えたものもあり、より高度で複雑なものとなり、現在ではニューヨーク証券取引所(NYSE)とは異なるネットワーク上で取引ができるようになっています。例えば通貨は、ニューヨーク証券取引所よりもはるかに複雑で不透明なネットワーク上で取引されています。最近では、ある状況下で人間のトレーダーがどのように行動するかを忠実に再現するようなプログラムが増えています。
これは金融業界全体に言えることで、銀行、年金基金、ミューチュアル・ファンド、その他の巨大な機関は、最良の価格などを得るために、自動取引のためのアルゴリズムを備えたコンピューターに大きく近づいています。
単純な売買だけでなく、異なる市場での価格の異常性を検索し、発見し、利用している。つまり、ロンドン市場でのXYZという銘柄の価格が、ニューヨーク証券取引所と比べて数セント違っていた場合、コンピューターはこれを拾い上げ、低い方の価格で買い、高い方の価格で売るのです。(裁定取引とは、同じ資産を異なる市場で同時に売買し、価格差を利用することです。)

自分でトレーディングシステムを作ることにしたとします。どこから始めればいいでしょうか?Python、C++、Javaでプログラミングができますか?独学で学ぶか、コースを受講することができますが、オープンソースのトレーディングシステムを理解するだけでも、何らかのコンピュータ言語に精通している必要があります。(オープンソースとは、プログラムのコードが誰でもどんな目的でも閲覧可能であることを意味します。)

トレーディングシステムをテーマにしたブログや本で学び、自分なりのトレーディング戦略を立てます。プログラムの作成とデバッグが終わったら、過去のデータを使ってバックテストを行い、思い通りに動作することを確認します。その際、自分が望む結果を得るために、データに合わせてプログラムを修正してしまわないように注意が必要です。自分にとって都合のいいデータだけを使うのも避けたほうがいいでしょう。未来は過去に似ているかもしれませんが、ある程度のバッファを持たせておく必要があります。

自分でプログラムを開発するのに苦労するならば、他人のプログラムを購入することもできます。多くのプログラムが販売されています。ただし、一攫千金に見えるスキームは、それほどでもなく、期待値を下げておいたほうがいいでしょう。

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BlockRabbit『クリプト訪ねて三千里』とは。

第596話からのターン。バトンタッチを受けたcryptoトレーダーは、DeFiとは何ぞや?ユーザー目線でコツコツ嚙み砕いていくコラムを書いていきます。

~第595話まで
現在の実態経済からは少し離れたところに、もう1つの経済圏がブロックチェーンによって興ると考えるShoが、その興隆を追っていくために毎日1社ずつ界隈のプロダクトを紹介していく超短編気まぐれ日刊コラムであり、メディア記事も幾つかピックアップしてお届けしておりました。

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