流動性プロバイダー:プラットフォームに流動性を提供する人
トレーダー:プラットフォームで取引をする人
流動性プロバイダーは、流動性プールに資金を追加します。流動性プールは、トレーダーが取引できる大きな資金の山と考えることができます。プロトコルに流動性を提供する見返りとして、流動性プロバイダーは自分のプールで発生した取引から手数料を得ています。ユニスワップの場合、流動性プロバイダーは2つのトークンの等価値、例えばETHとDAIを50:50でETH/DAIプールに預けます。
誰でもマーケットメーカーになることが可能です。流動性プールに資金を追加するのはとても簡単で、報酬はプロトコルによって決まります。例えば、ユニスワップv2はトレーダーに0.3%を請求し、それが流動性プロバイダーに直接支払われます。他のプラットフォームやフォークでは、より多くの流動性プロバイダーをプールに呼び込むために、より低い金額を請求することもあります。
なぜ流動性を集めることが重要なのか?自動マーケットメーカーの仕組み上、プール内の流動性が高ければ高いほど、大口注文のスリッページ(自分の買いたい値と実際の額がずれる現象)が少なくなります。その結果、より多くのボリュームがプラットフォームに集まることになります。
スリッページの問題は、自動マーケットメーカーの設計によって異なりますがそこは留意すべきポイントで、取引後に流動性プール内のトークンの比率がどれだけ変化するかで決まります。比率が大きく変化した場合、大量のスリッページが発生することになります。
例えば、ユニスワップのETH/DAIプールにあるETHを全て購入したいとしてもそれは不可能で、指数関数的に高いプレミアムを支払わなければなりません。xかyのどちらかがゼロの場合、つまりプール内のETHやDAIがゼロの場合、この式はもう意味をなさないのです。また、自動マーケットメーカーに流動性を提供する際には、インパーマネント・ロスも念頭に置く必要があります。
インパーマネント・ロスとは?
インパーマネント・ロスとは、プールに預けたトークンの価格比率が、預けた後に変化することで起こります。その変化が大きければ大きいほど、インパーマネント・ロスも大きくなります。そのため、自動マーケットメーカーはステーブルコインやラップトトークンなど、価値が似ているトークンのペアとの相性が良いのです。ペア間の価格比が比較的小さな範囲にとどまっていれば、インパーマネント・ロスも無視できます。
比率の変化が大きい場合、流動性提供者はプールに資金を追加するよりも単にトークンを保有する方がよい場合もあります。それでも、ETH/DAIのようにインパーマネント・ロスにかなり晒されるユニスワッププールは、発生する取引手数料のおかげで利益を上げています。
とはいえ、この現象の名称としてのインパーマネント・ロスはあまりよいものではありません。インパーマネントとは、資産が最初に預けた時の価格に戻れば、損失が軽減されることを想定しています。しかし、預けた時と異なる価格比で資金を引き出した場合、損失はパーマネント(永続的)なものとなります。場合によっては、取引手数料を受け取ることによって損失が軽減されることもありますが、それでもリスクを考慮することは大切です。
結論
自動化マーケットメーカーは、DeFiのメインキャラクターです。基本的に誰でもシームレスかつ効率的に市場を作ることができます。板注文型取引所と比較すると限界がありますが、クリプト業界にもたらす全体的なイノベーションは非常に貴重です。
自動化マーケットメーカーはまだ初期段階にあります。ユニスワップ、カーヴ、パンケーキスワップなどの現在使用されている自動化マーケットメーカーは、デザインはエレガントですが、機能はかなり限定されています。今後も革新的な自動化マーケットメーカーが続々と登場することでしょう。これにより、手数料が下がり、摩擦が減り、最終的にはすべてのDeFiユーザーの流動性が向上するはずです。
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完全翻訳ではないですが、分かりやすいよう微修正をしております。
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現在の実態経済からは少し離れたところに、もう1つの経済圏がブロックチェーンによって興ると考えるShoが、その興隆を追っていくために毎日1社ずつ界隈のプロダクトを紹介していく超短編気まぐれ日刊コラムであり、メディア記事も幾つかピックアップしてお届けしておりました。