市場センチメントを測る指数は伝統的資産市場においても比較的新しいですが、特にクリプト全体においてはほとんどが市場センチメントではないのかというくらい、価格に反応するような気がします。この Fear & Greed(「恐怖」と「貪欲」)ですが、やはり作成者の主観によるもので、扱いにくい代物です。しかし、自分たちで作るというのもまた難しいので、既にあるのであればそれを使った方が楽だというのが正直なところです。
市場が上昇しているとき、参加者は貪欲です。スシコイン、ドージコイン、DeFiからNFTと目まぐるしく主人公が入れ替わります。FOMO(Fear of missing out)という言葉は覚えておいた方がよいでしょう。FOMOの意味は「自分が居ない間に取り残されるかもしれない」という不安のことです。
マーケットには二つの重要な格言があります。
・トレンドに従え、トレンドに逆らうな “Trend is your friend”
・人の行く裏に道あり花の山
まさにこの二つに集約されるのではないかと思います。トレンドには従うべきだがみんなと同じ行動をしていれば果実は得られない。行動を異にすることは必要だが、トレンドに飲み込まれると損をするという。なかなか難しい波乗りです。
この「恐怖」と「貪欲」の指数は5つのファクターで構成されています。
ボラティリティ (25 %)
ビットコインの現在のボラティリティと最大ドローダウンを測定し、過去30日および90日の平均値で比較します。ボラティリティの異常な上昇は、市場が恐怖に包まれている証拠としています。
市場モメンタム/ボリューム (25 %)
現在の出来高と市場のモメンタムを測定し(これも過去30日、90日の平均値と比較して)、2つの値を合わせます。毎日のように多くの買いが見られる場合、市場は過度に貪欲/強気に振る舞っていると結論付けます。
ソーシャルメディア (15%)
redditのセンチメント分析はまだリアルタイムの反映ではありませんが、ツイッターの分析は実行中です。ツイッターでは、各コインの様々なハッシュタグでの投稿を集めてカウントし、一定の時間内にどれだけの速さでどれだけのインタラクションがあったかをチェックしています。インタラクションが異常に多いということは、そのコインに対する世間の関心が高まっているということであり、貪欲な市場行動と判断します。
あとは、現在休止中のアンケート調査(15%)、ビットコインのドミナンスレート (10%)や、Googleトレンドデータ(10%)です。APIも使えそうですので機械的に判断ができるかもしれません。追っていく価値はありそうです。
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BlockRabbit『クリプト訪ねて三千里』とは。
第596話からのターン。バトンタッチを受けたcryptoトレーダーは、DeFiとは何ぞや?ユーザー目線でコツコツ嚙み砕いていくコラムを書いていきます。
~第595話まで
現在の実態経済からは少し離れたところに、もう1つの経済圏がブロックチェーンによって興ると考えるShoが、その興隆を追っていくために毎日1社ずつ界隈のプロダクトを紹介していく超短編気まぐれ日刊コラムであり、メディア記事も幾つかピックアップしてお届けしておりました。