前回はブロックチェーン間の相互運用性を実現するメリットについて紹介したが、今回はそのような状態を実際に可能とする手法についてみていく。
ブロックチェーン相互運用性の実現方法
①サイドチェーン
サイドチェーンとはLayer 2のブロックチェーンであり、メインチェーンから独立した形のブロックチェーンである。各サイドチェーンが独自のコンセンサスメカニズム、トークン、セキュリティシステムを有している。サイドチェーンは多くの場合全体のエコシステムの向上のために、特定の役割を割り当てられている事が多い。例としてはPolkadotやCosmosなどがある。
②Oracles
Oracleは相互運用性の中でも、オフチェーンとオンチェーン環境を繋ぎ、情報の格差を縮める役割を担っている。ChainlinkやAPI3はオフチェーンのデータをスマートコントラクトへ提供し、別々のブロックチェーンがChainlinkやAPI3といった共通のオフチェーンデータを用いることで相互運用性を保証している。
③BridgesとSwaps
この方法では所有するデジタル資産をブロックチェーン上に預け入れる(ロックする)したのちに、同一のデジタル資産を別のブロックチェーン上で発行、持ち主のアドレスへ送信する方法である。反対に、Atomic Swapsと呼ばれる手法では、ユーザーはトークンを別々のチェーン間で交換する。どちらの方法もチェーン間のやり取りをスムーズに行うスマートコントラクトを活用することで可能となる。
まとめ
一言に相互運用性といってもその方法は様々である。Polkadotはシャドウチェーンと呼ばれる、Polkadotのメインチェーンから派生したLayer2にあたるチェーンを持つことにより異なるチェーン間の相互運用性を確保している。しかしこの方法では、イーサリアムとPolkadot、ビットコインとPolkadotといったLayer1同士のチェーンでは相互運用性を実は確保できていない。まだまだ完全な相互運用性を実現しうるような技術は発展途上であるが、メタバースやAR等の仮想空間が発展するにつれて、そのような完全な相互運用性を確保できる技術の必要性が高まっていくと考える。
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現在の実態経済からは少し離れたところに、もう1つの経済圏がブロックチェーンによって興ると考えるShoが、その興隆を追っていくために毎日1社ずつ界隈のプロダクトを紹介していく超短編気まぐれ日刊コラムであり、メディア記事も幾つかピックアップしてお届けしておりました。