クリプト訪ねて三千里:第1180話
元Twitter CEOの提唱するWeb5.0とは

元Twitter CEOであり、現Block CEOであるJack Dorseyがweb3.0の先として、「Web5.0」なるものについてツイートし、話題を呼んでいる。

 

複数にわたるWeb5.0に関するツイートでは、そもそも同氏の持つ現在のWeb3.0界隈に対する不満が現れている。彼のツイートによれば「現在のWeb3は非中央集権的なインターネットであるはずにもかかわらず、実際のところ少数のVCや投資家たちが独占している状態」だという。そして彼の提唱するweb5では、ユーザーが自身の個人情報やその他のネット上の情報に対して完全なコントロールを持ち、その情報をウォレット内で所有するような形だという。

 

まず彼の現状のweb3に対する不満は間違っていないだろう。そもそもweb3はユーザーたちが非中央集権的な管理を自分たちですることで、現在のGoogle社やMeta社のようにネット環境や個人情報を独占されることが無いようにする。

しかし、これはweb3に限ったことではないが、多くのクリプト関連のプロジェクトも結局のところ大本の会社が所有している。BTCやETHは確かにブロックチェーンではあるが、DAOのような形で運営はされていないし、クリプト関連会社が上場していることもよくある。

 

Web5ではウォレット内に個人情報やユーザーがネットにアップする情報があり、相互運用性のあるDappsを使用するため、ユーザーはいちいち別々のアカウントをサービスごとに作成する必要がなくなる。イメージ的には、Twitterでアカウントを持っている人が、その他のSNSにアカウントのセットアップをせずに利用できる感じだ。それに加え、Twitterでアップしたものをそのまま別のSNSに持ってくることが可能になる。これはポスト自身もユーザーがウォレット内に所有するデータのため、インターネット上で自由に持ち運びできるというものだ(これまでならユーザーの投稿は会社が管理)

 

web5はBlockの子会社で、ビットコインに注力しているTBDが開発中だ。既にTBDによるweb5の公式HPも開設されており、そこではweb5はwe3とweb2の融合として表現されている。Jackによれば、どうやらweb5はビットコインブロックチェーン上に構築されるようだ。つまりweb5は仮想通貨のRippleのように選ばれたバリデーターが管理するのではなく、あくまでビットコインのような不特定多数のマイナーたちによって管理されるのだろう。この点は引き続き明らかにしていきたい。

 

余談だが、JackとJay-ZはNYの公共住宅であるMarcyHouseの住民にクリプトを教えるため、「Bitcoin Academy」の発足も発表している。クリプトはテクノロジーに加え、金融関連の感覚もなければ理解し辛いため、日本でも早くBitcoin Academyのようにクリプトに関するリテラシー向上の動きが活発化することを願う。

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BlockRabbit『クリプト訪ねて三千里』とは。

第924話からのターン。暗号資産、DeFi、NFTに感化された新進気鋭の若手が定期的に登場します!
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第596話~第923話まで、バトンタッチを受けたcryptoトレーダーは、DeFiとは何ぞや?ユーザー目線でコツコツ嚙み砕いていくコラムを書いていきました。

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現在の実態経済からは少し離れたところに、もう1つの経済圏がブロックチェーンによって興ると考えるShoが、その興隆を追っていくために毎日1社ずつ界隈のプロダクトを紹介していく超短編気まぐれ日刊コラムであり、メディア記事も幾つかピックアップしてお届けしておりました。

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