みなさん、こんにちは。ニューヨーク在住のIchiroです。
さて、今回は前回の記事、ビットコインで支払えるオンラインショップまでの要約から始めたいと思います。
<前回までの要約>
1.FX(CFD)トレードにおいて、BTCUSDには手を出す気はなかったが、考えを改めてデモ口座でトレードを開始することにした。
2.ジェネリック薬のオンラインショップでクレジットカードが使えず、代わりにビットコインでの支払いが可能だったので購入しようとした。
3.肝心の商品は品切れだったが、将来の支払いのため今ビットコインの購入のみを検討することにした。
で、結局そのオンラインショップが一番推奨するサイト(We Move Coins)から少額のビットコインを買おうと思ってアクセスしたのですが、なんとショップは一時休業でした。
https://wemovecoins.com/soldout/
(9/2アクセス)

こんな調子です。
これはもしかしたら、SegWitが関係しているのかもしれません。SegWitとは簡単に言うとビットコインの性能を良くするためのアップグレードで、ソフトウェアはそれに対応する必要があってプログラムの改修が必要らしいです。
それで次に2番目に推奨されているサイトのBITPANDAにアクセスすると取引を断られました。
https://www.bitpanda.com/users/registrationGeoBlock
(9/3アクセス)

「私たちはあなたのお住いの地域でのサービスの提供を許可されていません。登録申し込みはブロックされました」、ということです。これはドッドフランク法(ウォール街改革および消費者保護法)の影響かもしれません。
正直これで一気に買う気がなくなりました。今回はこのまま何もしないことにしました。ジェネリック薬は別のサイトから購入することにします。
ただ今回ビットコインの購入を検討する過程で様々な問題があることが分かりました。SegWitやSegWit2x、ハードフォークなどなど。私も言葉とあいまいな内容しか理解していません。ビットコイン/仮想通貨はまだまだ相当流動的です。
実は私は2年くらい前、マウントゴックスの破綻が明るみに出てしばらく経ってから、ビットコインの入門書を3冊くらい読んだことがあるのですが、状況はその頃から大きく変わりました。今回の経緯で再び仮想通貨の現状をキャッチアップすることが必要なのかなと思いました。そのために基礎的な知識については再び本を読もうと思っていますが、同時にビットコインを自分で手に入れて保管してみようと考えました。それは購入保管の過程で、色々な実務的知識を身につけることができるし問題点/課題も分かるからです。結果的には購入しなかったとはいえ、今回の経験が以外と面白かったというのもあります。そしてその過程を今後皆さんにお伝えできればと思っています。
それではどの仮想通貨を購入するかといいますと、これは今のところはビットコインです。他の仮想通貨はあまり考えていません。その理由はビットコインには先物市場が存在するからです。つまり先物の売買によって現物の価格変動をヘッジできるからです。先物市場とは具体的には例のFX(CFD)のトレードです。以前の記事でBTCUSDのデモ口座でのトレードを始めることにしたとお話しました。私はそのブローカーにリアル口座も持っていて、そこでBTCUSDのトレードが可能です。その口座には、別のブローカーの口座から現金を引き出して入金する予定ですので、取引開始までに少し時間がかかるでしょう。
そして最後に先物の売買による現物のリスクヘッジについてお話ししたいと思います。
まずは言葉の説明から。先物(Futures)と先渡(Forward)の違いですが、これは取引所に上場されているのが先物で、先渡は業者との相対取引(Over-the-Counter)になります。将来取引するブツと価格を今決める、という点では同じです。なので今後は両者を「先物」という言葉で表すことにします。
人類史上初めて先物が上場された取引所は大阪堂島の米会所です。これは米の現物価格の乱高下をヘッジするためのものです。現物価格の乱高下をヘッジするのが先物の機能であれば、米などの農産物だけでなく株や債券の売買にも有効なはずです。こうして金融先物を世界で初めて上場したのが、シカゴ・マーカンタイル取引所(CME: Chicago Mercantile Exchange)です。その中心的な人物はレオ・メラメッドといいまして、彼はユダヤ人で子供のころナチス・ドイツの迫害から逃れるため、杉原千畝リトアニア領事に通過VISAを発行してもらい、両親に連れられてヨーロッパからアメリカに逃げてきたという人です。(彼の自伝が、「Escape to the Futures」で邦訳もあります)
先物で現物価格の乱高下をヘッジしようとする人をヘッジャーといい、ヘッジャーのリスクを引き受ける人をスペキュレーターといいます。つまりFXの個人トレーダーは金融先渡取引を行ってヘッジャーのリスクを引き受けているスペキュレーターということになります。
さて先物の売買で現物をヘッジする方法ですが、原理は
「現物価格がそっちに行ったら困る方向に張る」です。
具体的には、例えば現物を保持していて値段が下がったら困る場合は、値段が下がる方向、つまり価格が下がることを前提に先物を売る、ということになります。
この場合、現物市場と先物市場が連動していて同じ方向に値動きしやすいということが大前提です。
つまり現物の価格が下がって困るけど、先物を売っているので先物の価格が下がった後買い戻すと利益が上がるので、その利益で現物の価格下落による損失を(一部)補填できるということです。
将来現物を買おうと思っている場合は、価格が上昇すると困るので価格が上昇する方向、つまり先物を買うことでヘッジします。要するに将来現物を買う場合今より値段が高くなってしまったが、先物を買っているのでそれを売れば利益になり、それで値段の上昇を補填できるということです。
私の場合はビットコインを買った時点でBTCUSDを売ることになります。そうすればビットコインの値段が下がっても、BTCUSDを買い戻すことによって利益を得ることができます。値段が逆行した場合はBTCUSDでは損がでますが、現物価格の上昇によってその損失が補填されるということです。
お分かりいただけたでしょうか。
私のビットコイン購入プロジェクトの一番始めは、BTCUSDのリアル取引口座にお金を入金することになりました。(デモ口座の方は仕事が忙しくてまたトレードできませんでした)
今回はこれで終わりにしたいと思います。
最後までお読み頂きありがとうございました。