[Little Monster Inc. × Monday Capital] 2019年1月10日開催 第1回目Blockchain講義 at 茨城大学レポート


皆様、新年明けましておめでとうございます!
BlockRabbit 編集部です。本年もどうぞ宜しくお願い致します。
2019年の干支は「亥」イノシシ。亥年には「次のステージに向けた準備期間」といった意味合いがあると言われています。Blockchainも実用化に向けて今年1年どのように社会に適応していくのでしょうか。今年も私達と一緒に追っていきましょう!
BlockRabbitでは以前より海外大学のBlockchainへの取り組みを記事に挙げていましたが、一方で我々は昨年より茨城大学様と共同でブロックチェーンカリキュラムを密かに作り上げていました!
そして先日待望の第一回目の講義を無事修了しましたので皆さんにレポートしたいと思います。

今回の講義の目的

第一回目の講義を振り返る前に、なぜLittle Monster Inc.がこの度日本の大学とBlockchainカリキュラムを作成するに至ったのかという理由に少し触れたいと思います。
Monday Capital と結託し、更には茨城大学様との素晴らしいご縁がありこの度実現しました!

ご協力

この度の講義は多くの皆様のご協力なしには実現へ至りませんでした。まず最初にご紹介を含め御礼申し上げます。
国立茨城大学大学院工学部教授の鈴木智也教授より授業の数枠を我々に託して頂き開催の運びとなりました。本講義は茨城大学理工学部、そして大学院理工学部の学生の皆さんを対象に行います。鈴木教授はCollabWiz株式会社の代表取締役でもあり、予測や統計分析、データサイエンスに情熱があり、今日まで多大なご協力を頂きました。鈴木教授ありがとうございます。
そして今回、講師として来日するのは米国サンフランシスコを拠点とするベンチャーキャピタル、Monday Capital のYiannis Varelas(イヤニス バレラス) と Katerina Stroponiati(カテリーナ ストロポニアティ)です。Monday Capitalのメンバーは、従来AI、ビックデータ、音声認識エンジニアとして活躍していました。そのため、技術的見地で物事を考察する力が非常に優れており、今回の茨城大学での講師を務める事となりました。彼らも次世代のエンジニアの教育の必要性を強く訴えており、ビジョンが一致した事から今回の開催に至りました。

さて、教室に集まってくれた皆さんありがとうございます!
今日から4回の講義を通して学生の皆さんがBlockchainについてより学びを深め、興味や希望を膨らませてくれる事を期待します!
Katerina先生、Yiannis先生宜しくお願い致します!

講義内容

1月における茨城大学での講義は全4回に渡ります。
講義第1回目のテーマは

”The internet of inclusion Web1 Web2 Web3”

インターネットが出てくる前、いわゆるPre Web時代とはどんなものだったのかという説明から始まります。新聞やラジオなど一方通行であり、時間と場所の制限がある情報発信を行っていた時代がPre Web時代ですね。
Web1とは、ウェブが一番最初に普及した頃の事を指し、インターネットが生まれましたが速度がとても遅かった時代を指します。ここでは時間と場所の制限なく情報にアクセス出来るようになりましたが、まだまだ一方通行な情報発信のままでした。
今の学生の皆さんはポケベル、PHS携帯を使用していた時代なんて想像がつくのでしょうか?
(私は持っていましたよ~)
Web2とは、現代の私達が使用している2005年を境いに急速に発達したウェブの時代。ソーシャルメディアが発達し、ここでは誰もが簡単に自身のコンテンツを作る事が出来、コメントしたりすることで人々が交流できる、2wayコミュニティーが可能になりました。 
とても便利になったWeb2の世界ですが現在様々な問題が蔓延っています。
それは独占されたインターネット、ゼロプライバシーなどテクノロジーの発達にセキュリティーが追い付いていない点などが挙げられます。

ここである生徒から質問が!

Great question 1:
「インターネットは情報が搾取されるとあるが、GPLライセンスやCreative Commons Licenceなどのプライバシー保護で守られるのではないか?」

Answer:
「そのような規制は確かにあるが、実際には国ごとにライセンスは違うので大きなスケールで考えると、例えばあるサーバーがヨーロッパにありクライアントがアメリカから使用するとなると他国の法律にプレッシャーは与えづらいことがあるなど、まだまだ完全には遠い。」

質問も出て良い感じです。
そして、講義はWeb3の説明に入ります。
Web3とは、Blockchain、AI、ロボティクスなど現在の最新技術を用いたステージです。Blockchainが可能にする事の一つにトラストレスがあり、第三者に個人の信用を証明してもらう必要がないという事がWeb2との大きな違いですね。
Web3が実現する社会とは?
Blockchainとスマートコントラクトによって実現可能なトラストレスな世界。それが分散型でプライバシーが守られる新しいネット社会です。
その実例としてまず1番に作られたBitcoinの実例を切り口に、Blockchainが可能にするいくつかの社会実用例が挙げられました。

Blockchainのペイメントの用途以外にもロジックとしてスマートコントラクトを紹介し、ビジネスへの用途も具体例を元に数点紹介してくれました。

  • プライバシーが保護されている医療データの共有
  • 安全なオンライン決済によるペーパーレス社会
  • 自動運転の導入による無人タクシー

以上のように、今まででは実現不可能かと思われた社会が今や現実の世界に入ってきているのです。
好きか否か、このような未来は必ずと言って良いほど実現されるでしょう。その時を生きる次世代の皆さんにはテクノロジーの理解は必要不可欠になってきているのではないかと我々は感じ、教育の必要性を訴えているのです。

さてここでも生徒の1人より質問が!

Great Question 2:
「 ブロックチェーンは管理の主体がないというのはテロなど悪い用途に使われるのではないか?」

Answer:
「可能性はゼロではない。しかし、銀行と比べると圧倒的にパブリックなブロックチェーンの方が透明性が高いんだ。実際のマネーロンダリングや裏取引の全ては信用があると言われている人や機関を介して行われている。」

生徒の皆さんの積極的な姿勢にこちらが刺激を頂きます。
そして、これから新しい技術と社会に入っていく学生の皆さんに聞いて頂いてとても為になるのではないかと個人的に感じたのが次のパートです。


Web2からWeb3への移行は一見勢いのある、もはや革命といえる技術革新ですが何事も新しいものを確立するまでには通る道があり、また弱みに付け込んで利益を得ようとする者が必ずいるという事も知っておくべきでしょう。
Blockchainと暗号通貨を取り巻く問題にはバブル、スキャンダル、ハッキング、強盗などがあります。
しかしこれは単純に技術革新のダークサイドなのではなく、全ての技術革新には必ず3つの側面があると講師は説明します。

それは

  • まず最初の導入期間にはバブルや崩壊が起こる
  • 後退期
  • そして展開期間に入り黄金期を迎える



ブロックチェーンに当てはめると、過去数年はブロックチェーンが世界中に広まり仮想通貨を筆頭にバブルが起き、その後仮想通貨=ブロックチェーンは詐欺と謳われ今は落ち着きを取り戻している所です。何も目立った動きがないフェーズに見えますが、実はその裏側では、現在何百ものプロジェクトが新しく生まれ、開発が進んでおり、今最終フェーズの黄金期を待っていると講師は言います。
このプロセスはテクノロジーに関わらず何事にも当てはまるのではないかと思いました。
最後に、下の図は過去50年のWeb1, Web2からWeb3への移行に伴い市場に出てきたサービスの一覧です。皆さんが今当たり前のように使っているサービスがたくさん目に入ってくると思いますが、特に2008年以降のサービスの中で知っている名前はいくつありますか?


この表はもう一つ表を見るポイントがあります。
この中の組織のほとんどはサンフランシスコ発の企業ですが、ブロックチェーンの会社の中でアメリカ発の企業は10%に満たないそうです。
それは何故ならブロックチェーンはサービスをリリースした時点で世界中で使われるという事も特徴的で、開発地を選ばない会社が多く世界中でプロジェクトが生まれているそうです。

そして最後のスライドは今現在の既存の中央集権のサービスに代わる非中央集権のアプリケーションを項目別に表した表です。
世界はCentralizeなサービスからDecentralizedなサービスに確実に変化しています。
実用化にはまだまだ時間が必要なプロジェクトがほとんどですが続々と世界中で新サービスが生まれてきているのです。




最後に講師より学生の皆さんへMonday Capitalよりメッセージが送られました。

”技術というものは社会が選んで残っていく。
ブロックチェーンは大きく世界を変える可能性があるんだ。
ただ私たちには将来の事は全ては分からない。
しかし今の限られた少ないアイデアや小さなステップでも、日本のようなハードワークな社会がこの技術に適合し、人々が使い出し、新しい会社をどんどん作っていくと世界の中でとても大きなアドバンテージになる。大事な事は政府がそのために動かなければならない。”

さて、第1回目の講義

”The internet of inclusion Web1 Web2 Web3”

はいかがでしたでしょうか?
みなさん本日はご清聴ありがとうございました!

次回のお知らせ

次回もここ茨城大学で第2回目Blockchain講義を行います。第2回レポートもお楽しみに!!

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