ERC998トークン
2018年、ERC998というイーサリアムトークンの規格がMatt Lockyer氏によって提案されました。ERC20トークンは、最も広く使用されているイーサリアムトークンで、fungible、つまり各トークンが均一で同じ価値であるのが特徴です。
ERC721トークンは非代替性のトークン(NFT)です。各トークンはユニークであるため、独立して価格を設定することができます。したがって、ゲーム「CryptoKitties」の猫のようなユニークなデジタル資産をこのようなトークンに保存することができます。
ERC998トークンは、どちらもnon-fungibleである点でERC721トークンと類似しています。また、ERC998トークンは「コンポーザブル」であり、トークン内の資産を構成したり、複雑なポジションに編成したり、1回の所有権移転を使って取引したりすることができます。
ERC998トークンは、ユニークでNon-FungibleなERC721トークンとFungibleなERC20トークンの両方の性質を保持しています。ERC998トークンは独自のデジタル資産セットを所有できるため、資産のポートフォリオや多様な資産の持ち株会社として考えることができます。
想定される使用例
ERC998トークン標準は、一連の新しいユースケースを可能にします。簡単な例としては、電話機とプリペイドの通話時間単位をERC998トークンにバンドルすることができます。
ERC998は、互いの価値を補完・強化する資産を多数保有することで、多くの価値を生み出すことができます。
より複雑なユースケースを想定すると、宇宙船の所有権をERC721トークンで表現することができます。2つの目的地を100往復するのに必要なロケット燃料は、別のトークンで表すことができます。保険契約とサービス契約は3つ目のトークンで保持することができます。これら3つのトークンの資産を1つのERC998トークンで所有し、宇宙旅行会社にオークションにかけることができます。
ERC998トークンは既存の規格に追加される価値あるものであり、まったく新しいユースケースを可能にします。
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現在の実態経済からは少し離れたところに、もう1つの経済圏がブロックチェーンによって興ると考えるShoが、その興隆を追っていくために毎日1社ずつ界隈のプロダクトを紹介していく超短編気まぐれ日刊コラムであり、メディア記事も幾つかピックアップしてお届けしておりました。