皆さん、こんにちは!先日のビットコインが10,000USDを突破したというニュースはニューヨークはもちろん日本でも大変な大騒ぎでしたね。そして本日現在は9300ドル台というジェットコースターのような相場の動きを見せております。
情報出展:https://www.coindesk.com/price/
今まさに米系メディアではこのビットコイン、そしてそれを支えるブロックチェーンに関しての報道というのが加熱しております。果たしてビットコインは正義なのか悪なのかという単純な二元論から、アルトコインそれぞれにフォーカスした内容まで幅広い情報が錯綜しております。
その中でも、先日COINIDOL.comが紹介している記事が大変センセーショナルで興味深い内容でしたので、日本語でご紹介させていただきます。
著者のRoman SemkoさんはウクライナでFIN TECHの研究をしながら今注目されているマシーンラーニングやロボティクスの研究もされてらっしゃる方です。
https://www.linkedin.com/in/romansemko/
IOTAの関係者ということもありますので記事内容がIOTAを若干礼賛しすぎ?ている内容になっておりますが、その前提を踏まえたとしてもビットコイン一強になっているこのご時世に一石を投じるいい記事だと思いますのでご紹介いたします。
Original Article : Decentralised Cryptocurrency is Dead
Posted on Nov 29, 2017 by Roman Semko
ブロックチェーンは革命的な存在から、これまでのように古く腐ったシステムのいちモデルになってしまいました。ビットコインが金融界の秩序を民主化し、仲介業を排除してくれるとまだ信じているなら、もう考え直す時期が来ています。
ブロックチェーン、Tangle(タングル)、2x Blocks、スマートコントラクト、Segwits(セグウィット)、Lightning Networks、Schnorrなど、オタクたちが作り出すあれやこれや。問題は様々な方法で解決できるものです。
事態は思う以上に深刻です。ビットコイン開発者のサトシ・ナカモトによるオリジナルのビジョンには欠陥があります。
金銭的報酬は必ず不平等を生み出す
問題は報酬です。 ネットワークを稼働させるために誰かに支払いをすることによって、あなた自身のパワーが奪われていきます。あなたがパワーを手放せば、システムがバランスを失います。一握りの強力なプレーヤーとそれを支える巨大で無力なベース。ベースは強力なマイナーがいなければ存在できません。一方マイナーは時を経てより強力になっていきます。
最古の分散型台帳であるビットコインはすでにこの問題を抱えています。ごく少数のマイニングプール(採掘集団)が総ハッシュレート(採掘作業量)の半分以上をコントロールしているのです。 これは悪いニュースです。どんなコインであっても、システムの「保守管理者」になんらかの金銭的報酬を提供している限り、この問題から逃れることはできません。
もっとも高いハッシュレートを持つ人がコントロール権を握ります。プルーフ・オブ・ステーク(PoS—PoWの代替システム)があるじゃないか、それがすべてを解決してくれるという人もいますが、単に問題をシフトさせているだけです。 PoSでは代わりに、コインの保有量が多い人がショーの主役になれるということ。 ハッシュレートを富に置き換えただけで、結局同じことです。環境にとってはよいかもしれませんが、中央集権化の問題は解決していません。
不平等は必ず中央集権化につながる
分散化されたコインは一見、現行の金融界の秩序とは違う味付けになっているだけで、少数の富める者がシステムを好きなように操作できるという意味で同じです。 コインやそのテクノロジーが問題なわけではありません。PoWであろうがPoSであろうが、あるいは何であっても、マイナーに報酬を与えている限り、彼らはシステムを登りつめ、それを超えた存在になってしまいます。マイナーのモチベーションはお金、それだけです。コインそのもののことなんて気にかけていません。明日ビットコンが消滅すれば、イーサリアム、LiteCoin、その他の何かを採掘するだけのことです。
したがって、ブロックチェーンのアップグレードということになった時、彼らは常に自分の利益を優先します。 ユーザーたちがハッピーじゃない? じゃあハードフォークで、より強い(ハッシュレート)パワーを持っている人が誰か確かめてみよう。古いチェーンが死んだからといって誰が気にするというのだ?という具合に。
中央集権化が仮想通貨をすたれさせる
コインの運命がほんの一握りの人びとに握られているとしたら、現行の通貨システムと一体何が違うというのでしょう。中央銀行を中央「マイナー」に置き換えただけのことです。これの何が素晴らしいというのか。
夢は死んだ
パワーをマイナーに引き渡したということは、分散型仮想通貨というアイデアを破壊したも同然です。夢はすでに死んでいる。仮想スペースで主流となれるどんなコインであっても、マイナーを排除しない限り、いずれ同じ問題に直面するでしょう。
しかし希望はある
誰もシステムを超えた存在になるべきではないし、その一部でありたいという以外のモチベーションを持つべきではありません。 マイナーとユーザーに違いはないはずです。すべてのメンバーが平等でなければなりません。問題の根本に立ちかえり、ネットワークを稼働させる金銭的報酬を排除すれば、それは実現できます。「報酬なし=不平等なし」「不平等なし=中央集権化なし」です。
しかし金銭的報酬なしで、強制的にユーザーをノードに向かわせる方法はあるのでしょうか。IOTA(アイオータ)は最初からそれを実践していた有望なプロジェクトの1つです。ネットワークを使用するために、ユーザーがそれを維持しなくてはなりません。彼らはトランザクションを実行するために、他の2つのトランザクションを承認する必要があります。実にシンプルですね。
この方法なら、ユーザーの上に立つユーザーはいません。ネットワークの一部になりたいのであれば、それのためにやらなければならないことがあるわけです。各ユーザーが自分のニーズに応じて貢献し、それを受け取る……共産主義の理想が少なくとも仮想台帳上でついに実現しました!
しかし真面目な話、実際にこれは真の分散化を達成するために最良のアプローチなのです。IOTAネットワークが小さく、コーディネーターが配置されている限り、真の分散化はありません。しかし、コーディネーターをオフにするための最低必要数(ユーザー) を確保できれば、現在の仮想スペースのオーダーを永久に吹き飛ばしてしまうでしょう。
真の分散化の誓いこそ、業界がIOTAを愛する理由であり、他のどのプロジェクトよりも多くのパートナーシップを持っている理由でもあります。なぜ一握りのうさんくさい個人に支配されてしまうかもしれない通貨の可能性にかけたいと思うでしょうか。真の分散化と平等は、あらゆる大規模導入に必要不可欠です。99%の仮想通貨がこのテストに合格できません。
私たちはエキサイティングな時代の中に今います。仮想通貨について非常に悲観的になったことは謝りますが、誰かが決心してすべての問題の根源に向き合わなければ……。もしかしたらそれが、将来の仮想通貨プロジェクトへの警告やヒントとなるかもしれません。マイナーなき真の平等を模索しなければ、いつかあなたのプロジェクトも頓挫してしまうことでしょう。