イールドファーミングとは、様々なDeFiプロトコルを利用して、投資のリターンを最大化するための効果的なメカニズムです。レバレッジ、ハイリスク&ハイリターンを享受できるイールドファーミングの手法はいくつかありますが、イールドファーミングで最も頻繁に使用されている手法の一つが流動性マイニングです。
流動性マイニングとは
Defiプロトコルには、ユーザーから該当資産を借りる(保管する)ことで成り立つレンディングプールがあります。これらのプールがユーザーのニーズを満たし、プロトコルが効果的に機能するためには、十分な流動性の供給が必要です。ここで、貸し手は、流動性を維持するために自らの資産をプールに提供することで、重要な役割を受け持つことが可能となります。
流動性提供者は、プロトコルの作動メカニズムにおいて重要な役割を果たしていることから、その行動に対してトークンが報酬として与えられます。この流動性提供者へのトークンの分配を流動性マイニングと呼んでいます。Synthetixは流動性マイニングを世界に紹介しましたが、CompoundがCOMPトークン(Compoundのネイティブトークン)の流動性マイニングを導入し、ユーザーがプロトコルを使用することでより高い報酬を得られるようになると、この技術は一躍有名になりました。
イールドファーミングのリターン
イールドファーミングでは、以下の2つの指標でリターンを算出します。これらの指標は似ているように見えますが、APRが単純に年利を表しているのに対し、APYは複利の影響を考慮した利率を表しています。
- APR – Annual Percentage Return(年間収益率)
- APY – Annual Percentage Yield(年間利回り)
リスクファクター
イールド・ファーミングは非常に高いリターンを提供する一方で、大きな金融リスクを伴う金融サービスです。複数のDeFiプロトコルの使用を通じて、高額なガス料金、価格のスリップ、およびインパーマネントロスにつながります。さらに、スマートコントラクトコードの脆弱性やバグは、イールドファーミングにおいても莫大な損失をもたらします。例えば、Harvest Finance社は、昨年10月の流動性ハッキングで約2,000万ドルの損失を出しました。
したがって、イールドファーミングの世界に入る前に、DeFiプロトコルのメカニズムをよく勉強して、その長所と短所を理解し、練習を重ねることが大事です。
イールドファーミングは暗号資産を保有する者にとって、有益な投資戦略の一つになりつつあります。既存金融では考えられなかった概念です。
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BlockRabbit『クリプト訪ねて三千里』とは。
第596話からのターン。バトンタッチを受けたcryptoトレーダーは、DeFiとは何ぞや?ユーザー目線でコツコツ嚙み砕いていくコラムを書いていきます。
~第595話まで
現在の実態経済からは少し離れたところに、もう1つの経済圏がブロックチェーンによって興ると考えるShoが、その興隆を追っていくために毎日1社ずつ界隈のプロダクトを紹介していく超短編気まぐれ日刊コラムであり、メディア記事も幾つかピックアップしてお届けしておりました。