こんにちは!ブロックラビットでは海外のブロックチェーン関連の記事をご紹介しています。 今回はbeincrypto.comにて12月12日付けで公開されたChristian Gundiue氏の記事をご紹介します。今年は、Bitcoin関連の多くのICOプロジェクトが懸念通り口先だけのものだったことがはっきりしてきたり、Bitcoinの価値自体も暴落の一途をたどるなど、あまり明るいニュースが聞かれなかったBitcoin界隈。ところがそうしたいわばキャッチーなニュースのかげで、草の根的に、真の意味で今後の可能性を大きく示してくれる、Bitcoinエコシステム周辺の進歩が実は目覚しいという、非常に目からウロコかつポジティブな内容です。
元記事:Bitcoinエコシステムが究極の逆境のなかで花盛り!RootstockがBitcoinネットワークに与えたEthereum的パワー by Christian Gundiuc
Bitcoin価格の下落に終始した2018年だが、そのエコシステム周辺は、逆に花盛りの様相を呈している。 Bitcoinをめぐるネットワーク上の進歩は、この2年間というものICOがかなりの注目を集めてきたため、あまり気づかれることがなかった。「次なる大物」を求めたICOプロジェクトのラッシュが終息に向かうなか、現在、注目はより草の根的なアプローチのほうに移りつつある。多くのICOプロジェクトが大した成果をあげられていない一方で、この草の根傾向がある意味でBitcoinの地位向上につながっているといえる。 Bitcoin上のプロトコルやレイヤーに長年取り組んできた開発チームが、その進歩を提示しはじめたのだ。そしてそれらは有望なものにみえる。 そんなプロジェクトのひとつがRSK(Rootstock)ブロックチェーンだ。Bitcoinネットワークのサイドチェーンであり、基礎アセットとして、BitcoinにEthereumのようなスマートコントラクト機能を付与する。本格的なネットワークのローンチからわずか1年足らずで、すでにRSK Name Serviceを発表。ネットワーク上で人が読むことのできるドメインを実現した。
Rootstockのルーツ
RSKは、Bitcoinと双方向につながっている初のスマートコントラクトプラットフォームで、マージマイニングを通じてマイナーに報酬を提供する。Bitcoinにペグされているということは、ユーザーまたはスマートコントラクトがRSKブロックチェーンとやり取りした際に、一定量のBTCをロックし、同量のSBTC(RSKプラットフォームで使用されるトークン)をロック解除することを意味する。 この開発段階では、コインのロックおよびロック解除をXapo、BitPay、Blockchain、BTC.comといった既存のBitcoin企業連合が行っている。これは、BlockstreamのLiquidサイドチェーンに似ている。 ただしRSKにはマイナー報酬のために内蔵されたシステムがある点は異なる。 RSKはコインを鋳造せず、プレマイニングもない。高度なネットワークセキュリティを維持するため、マイナーにマージマイニングの可能性を提供している。これは基本的に、すべてのBTCマイナーが追加でリソースを費やすことなく、Bitcoinネットワークと併せてRSKプラットフォームでブロックを生成し、RSKネットワークの保護に対する報酬を受け取ることができることを意味する。結果として、単一のグループだけが大きな力を持つことはなく、各グループが各自の責任を担うことになる。 RSKチームの目的は、Bitcoinブロックチェーンの開発を妨げることなくBitcoinネットワークを拡張し、ユーザーに新機能を提供することだ。そうしてRSKは、より安価な手数料および迅速なコンファメーションを伴う、高トランザクションスループットのブロックチェーンを実現する。もっとも重要なのは、Ethereum Virtual Machine(EVM)用に開発されたスマートコントラクトを、Bitcoinで展開するための扉を開いたことだろう。
2018年のRSK
研究開発は2015年という早い時期に始まったが、RSKブロックは2018年1月に初めてマイニングされた。 2018年という年は開発上の進歩という点で満点の成功だった。今年導入された複数のコード改善に加えて、マイナーの関心も高まり、マージマイニングが5%から40%に増加。その結果コミュニティの関心も高まり、コミュニティが提案したハードフォークも成功している。 ビジネス面では、すでに50社以上がプラットフォームを使用していることを、RSK創設者Sergio Demian Lerner氏が明らかにした。開発はまだ初期段階にあるが、やはり有望だといえる。11月にはRSK ラボがRIF に買収されて、提携関係に入った。さらに多くの開発活動を引き寄せるため、現在RSKプラットフォーム用のオープンソースライブラリを共同開発中だ。
結論
Bitcoinエコシステムは、2018年に多くのポジティブな発展を遂げた。まずLightning ネットワークが2月にローンチされ、その後大きく成長しつつある。 Blockstreamは、金融業界の企業向けにLiquidサイドチェーンをリリースした会社だが、インターネットを経由せずにBitcoinネットワークにアクセスできるBitcoin Satellite APIをローンチした。 RSKはそのオープンソースの精神で、仮想通貨が何よりもまず体現するものを非常にうまく人びとのこころに吹き込んでいる。Bitcoinがプライマリレイヤー0としての地位を強化するにつれて、RSKが分散型アプリ構築における主要プラットフォームとなる可能性は大いにある。ただ、RSKとBTCは競合関係にないが、Ethereumにリスクをもたらすかもしれない。RSKはスマートコントラクト機能の点で、全く同じ次元のものを提供しているからだ。