2017年にビットコインが新たな最高値を記録し続ける10の理由

Original Article : 10 Reasons for Bitcoin Price To Grow To New Heights in 2017
Posted on Jun 19, 2017 by Nina Lyon

2017年12月末までに3000米ドルに達すると予測したが、現時点ですでに達してしまった。

そこで今回は、仮想通貨分野を代表する世界的なエキスパートたちにコンタクトをとりました。Bitcoin Investment Fund PLC、Gemini Exchange、BNP Paribas、SociétéGénérale、Alphabit.Fund他、多くの企業トップたちだ。

ビットコイン価格の今後の可能性と、価格上昇が3000米ドル超で続くことを、はたして期待できるのかについてコメントを求めてみました。

日本では法的認知

今年最大の価格上昇の主な理由の一つは、ビットコインが日本で法定通貨として公式に認められたことにある。

日本の仮想通貨市場は盛んであり、他の国々も社会生活における仮想通貨の使用に対する態度を温めつつあるようだ。

Bitcoin Investment Fund PLCのグローバルアドバイザー部門ディレクター、Daniel Masters氏は次のように語る。

2015年12月時点で発表していた我々の目標は、2017年末までに4,400ドルというものです。最新の価格動向の背景には明らかな理由があります。主に日本とオーストラリアがとった法制上の前向きな姿勢により、その後の取引量が予想を上回る結果になったといえます。

ロンドンのビットコイン投資会社Bitstocksのポートフォリオマネージャー兼投資顧問のAdam Norrie氏は、ビットコインの価格が動いている現状は複数の要素に大きく起因する可能性があるとしたうえで、ビットコインを法定通貨として合法化した日本を、価格上昇の第一の理由として挙げた。

日本がビットコインを法定通貨として合法化する。これはビットコインにとって非常に大きな前進であり、他国がこれに追従する先例ができました。これがビットコイン市場への新たな資本流入にもつながっています。

ビットコイン市場におけるアルゴリズム取引パターンの開発と実施に焦点を当てる自己勘定取引会社兼値付け業者SHA256 Trading S.A.のCEO、Juan J. Manini-Rios氏は、このビットコイン購入狂想曲の要因として、複数の理由が存在すると考えている。

ここ数週間ビットコインにとっては非常によいニュースが重なりました。日本で支払い手段として法的に認められたこととと、中国の主要取引所で引き出しが再開されたことは言及するに値します。さらに、昨年まで仮想通貨にかたくなな態度をみせていた管轄区域の一部が、今はかなり友好的になったように見受けられます。その好例はプーチン大統領のロシアでしょう。最近、イーサリアムの共同制作者であるビタリック・ブテリン氏に面会しています。2016年やそれ以前と比較したとき、2017年は確かに規制面でよりリラックスした年だといえます。

BitcoinSmartMoney.com のビットコインおよびブロックチェーンのコンサルタントを務め、仮想通貨のトレーダーでもあるMark Dukas氏は次のように述べる。

この数カ月間に仮想通貨が日本から受け入れられました。すばらしいことです。日本は90年代〜2000年代初めに失われた10年を経験し、今や仮想通貨普及のパイオニアになりました。これにより、代替支払いシステムに興味を持つ人びとがビットコインを使用できます。同時にエコシステム内のコイン供給には限りがあることから、価格上昇を助長します。大掛かりなコインの採用が投機と相まって、驚異的な価格変動を起こしているのです。

オーストラリアでは二重課税なし

オーストラリア政府はここ数年にわたり、仮想通貨への二重課税問題を解決する計画をしてきた。2017年7月、ついにビットコインを含むデジタル通貨の購入に対して、商品・サービス税(GST)を課さないことに決めた。

NEWSBTCのCEOでビットコイン投資家のJonathan Millet氏は、この決定の重要性を指摘する。

オーストラリアが二重課税を停止し、日本が合法化して使用と投資を拡大したことで、より多くの資金が仮想通貨全般に流入し、2017年末までにビットコインのさらなる飛躍が語られています。次の7カ月、飛躍が続くのであればさらに4カ月…。オーストラリアはすぐにでも消費税の引き下げを実施する予定で、日本も来年7月に予定しています。

仮想通貨のトレーダー達は7月初めに再びビットコインの価格上昇の波がくると予想している一方で、海外に移転したオーストラリアのブロックチェーンやビットコイン関連ビジネスは、同国に戻ってくることをすぐにでも検討し始めるだろう。

さらなるICOが仮想通貨の値を底上げ

市場におけるICOの出現は、仮想通貨投資業界をより強固なものにしている。 仮想通貨市場の全体的な時価総額はすでに1000億米ドルを超え、さらなる成長を続けている。

前出のAdam Norrie氏は、業界に流入する新たな資金もビットコインの価格上昇が続いている理由だと述べている:

一般的に仮想通貨は時価総額で成長し続けており、これがビットコイン価格に全くマイナスの影響を与えず、むしろ仮想通貨がひとつのかたまりとして、そのスペースを拡大させています。この事実によってチャート化することができます。

MiningMavenのマネージングディレクターで、Coinsiliumの社外取締役でもあるMalcolmPallé氏は次のように語る。

このような変動は、新たな資産クラスが登場した場合に珍しいことではありません。 鯨油は、照明や潤滑油などのユースケースが新たに発見されたため、1864年当時1バレルあたり67.2米ドルといった具合に、南北戦争時にゼロから跳ね上がってピーク時を迎えました。 現在の投機的なノイズを何らかのかたちで理解したい場合、賢明な人びとは仮想通貨の採用および使用における急激な成長の要因に注目しています。よい出発点としては、ICOを利用した新たな資金調達のパラダイムがあるでしょう。これは膨大な数の参入者を仮想通貨スペースに駆り立てています。

Daniel Masters談:

私たちはビットコインを含むデジタル資産の新しいユースケースの登場を目の当たりにしているのだと思います。2009年以降—ビットコインの起源年以来、デジタル資産は当初、通貨にまつわる問題を解決してくれるという見方がありました。プライベートなブロックチェーンの出現により、私たちは取引や決済をめぐる問題のために構築されたソリューションの登場を目撃しました。現在は活気に満ちたICO市場の出現により、デジタル資産が資本形成における問題を解決しうる、新たな段階に移行したといえます。

Juan J. Manini-Rios談:

現在ビットコインは、仮想通貨の総時価総額の50%未満であることを考慮する必要があります。ブロックチェーンの資産スペースには、ビットコインだけでもかなり色々起きています。これは、今やこの資産クラスで一定の多様性を持ちながら投資することが可能になったことを意味します。特定の通貨それぞれがもつリスクをヘッジしながら、当該セクターのリターンを捕らえたいと考える大物投資家にとって、これは非常に有用です。さらに、仮想通貨のデリバティブ市場はゆっくりと、実現可能な投資の可能性や取引戦略に新たな次元を加える段階に近づいています。もはやビットコインにとどまらない仮想通貨が、プロのトレーダーや投資家にとってこの資産クラスをより興味深いものにしています。

中国では取引所がビットコインの引き出しを再開

2月に中国人民銀行はマージンベースで手数料なしのビットコイン取引を閉鎖し、地元の取引所の立ち入り検査に踏み切り、直後に複数の仮想通貨取引所で、米ドル建ての引き出しが一時停止となった。2017年4月から、仮想通貨取引所最大手のひとつの顧客Bitfinexは、仮想通貨取引所が顧客の資金を動かしていた台湾銀行との問題のために、所有するビットコインを法定通貨に交換できなかった。その直後に、OKCoin.cnほか中国の仮想通貨取引所が、2017年4月18日から一時的に米ドル建てのデポジットを一時停止しているというメッセージをユーザーに送付している。

しかし6月には、主な仮想通貨の取引所が再開され、引き出しが可能になった。

前出のAdam Norrie氏は、この事実も今にちのビットコイン価格の上昇に寄与していると語る。

より最近の出来事として、中国の取引所がビットコインの引き出しを再開したことがあります。この地域における取引への信頼感が再び高まりはじめ、価格にプラスの影響を与えています。

主流になる

前述した理由は世界におけるビットコインの普及を説明するものだ。新時代の通貨の利点についてより多くの人びとが知るようになれば、それだけ速くメジャーになっていく。

ビッドコインのマイニング開発者兼トレーダーのDell Jensen氏は次のようにコメントした。

我々はまだ初期の普及段階にいるのであり、一般の受入れ体制が飛躍的に拡大するのは時間の問題でしょう。様々な障壁が取り払われつつあることから、2018年までにビットコインは4000〜5000米ドルに達するとみています。このプロセスは急激です。

Mark Dukas氏は、ビットコインが新たな国々や投資家およびユーザーの手に渡っていると指摘する。

新興市場は、2017年前半に投資家の資金が急速に流入したため、現在白熱しています。ビットコインは、ブラジルやインドなどの新興市場で実際に利用されているのです。こうしてますます多くの人びとが群れをなすことになるでしょう。 インド準備銀行の警告にもかかわらず、同国では推定2,500人が日々ビットコインに投資しています。

仮想通貨の投機筋が参入

最近の価格変動を、とりわけ中国人の仮想通貨市場における投機と両替によって膨らんだバブル状態と関連づけるエキスパートもいる。

イーサリアムで統治手続をするブロックチェーン対応企業Otonomosのソフトウェアエンジニア、Joël Hubert氏は次のよう話す。

私たちは投機筋の新しい波が押し寄せているのを目の当たりにしています。これを私は、以前は仮想通貨に投資していたがいまや“楽しみ”に参加したい友人や知り合いとたち、と分類化しています。旧来の暗号通貨トレーダーの輪が、ちょうどよいサイズの“口コミ”で広がっている感じでしょうか。初心者はこの話題について特に知識がありませんし( “ダム・マネー”:個人投資家のこと)、笑っている瞬間もあれば、この強気相場が終わった時に泣きが入ることにもなるでしょう。今年の夏にはビットコインの値が5000米ドルになるかもしれないと思っています。中には1万米ドルなどと言う人もいますが、これはちょっと強気すぎでしょう。いずれにしても、もっともらしい感じはしますが。この影響はビットコインをはるかに超え、オルトコイン市場に飛び火しています。どのオルトコインチャートを選らんでも、近ごろ放物線状の値動きがみてとれますよ。

ビジネス向けアルゴリズム取引ツールとビットコインのトレーダーを擁するエンタープライズグレードの取引プラトフォームSFOXのセールスおよび取引担当、Daniel Kim(Gemini Exchangeの元企業向販売の元責任者、BNP Paribasのバイスプレジデント付きアシスタント)は、新規投資家および投機筋の市場参入で、高いボラティリティを予期している。

アジアが引き続き上昇を牽引していますが、米国もそれほど遅れをとってはいません。デジタル通貨投資における急激な上昇がデジタル通貨にスポットライトをあて、新規投資家や投機筋の関心を引きつけています。次の7カ月にすべてのデジタル通貨でボラティリティを予想していますよ。

ソシエテ・ジェネラル投資銀行部門の電子取引とブロックチェーン専門家、Mattia Rizzi氏は個人的見解を共有。今見ているものはバブルだと語る。価格が上昇すればするほど購入希望者はふえるわけで、それが3000米ドルの急上昇の正体だという。

氏は続けて、

次の数カ月で3,000米ドルを超え、4,000米ドルに達する可能性が高いです。多くの買い注文が出され、よりメジャーな人びとが買いに走っています。8月1日にビットコインの HFが実施されるかどうかを明らかに考慮する必要があります。そうなると、値が1200〜1500米ドルまで下がる可能性もあるでしょう。しかしながら、それはおそらくないでしょうね。

絶えず拡大する投資家グループからの需要

Daniel Masters氏は、たえず拡大している投資家グループが、ビットコインをポートフォリオ構築の際の有用なヘッジ/配分とみなしており、需要が増えていると指摘した。

この傾向は予想されていましたが、多くの期待より早くメジャー層にまで波及したと思います。たとえば、XBT Provider AB(XBT)がオファー(かつGlobal Advisorsによって保証されている)したNASDAQ OMXのビットコインETNは、1月以来運用資産が2倍以上の1億米ドルになりました。そして先週、英国最大のブローカーが、XBTを税制優遇措置のSIPP(退職口座)に配置するため、XBTを利用可能にするオンラインプラットフォームを通じて、ETNをオファーするという発表もありました。

Blockchain対応のテクノロジー企業を対象としたシンガポールのデジタル資産ヘッジファンドHyperChain Capitalの創設者Stelian Balta氏は次のように述べる。

価格の上昇は、新しい機関投資家がエコシステムにやって来たことが理由だと私は思います。ビットコインの価格が上がるだけでなく、すべてのメジャーなデジタル資産がアップしています。1000億米ドルのマーケットキャップ(時価総額)を達成したことで、機関投資家やヘッジファンドなどから新たな関心が寄せられることでしょう。

出版証明の永久記録を作成するためにビットコインのブロックチェーンを使用して、アーティストの著作権管理を支援するBindedの共同創設者兼CEOのNathan Lands氏は、次のようにコメントした。

ビットコインは、(大きなクラッシュや技術的問題もなく)期待された以上にレジリエントであることを証明してきたということが第一の原動力だと考えています。それから大手企業や大物投資家による関心が高まっていることも大きいですね。多くの大物が分前にあずかろうと、先行きを見守っています。価格はもっと上がるでしょう。もしかしたらかなり…。

ビットコインとイーサリアムで取引をし、ビットコインATMネットワークを管理しているスイスの仮想通貨ブローカーBityの共同設立者、Alexis Roussel氏は次のように語った。

従来の経済から膨らんだ資産が暗号経済に移行しているため、ビットコインとイーサリアムの価格はまだまだ成長する余地が残っています。もし新しいデジタル経済において意味のあるプロジェクトに投資したいとなれば、支払い手段として受け入れられるのは仮想通貨のみでしょう。資産の大幅なシフトと値動きが予想されます。価格上昇に油を注ぐ暗号経済への大きな締め付けが予想されます。そしてこれはまだ大規模な普及の段階ではありません。 それが来るのは今後です。

小規模なファミリーオフィスやヘッジファンドからの投資

Mattia Rizzi氏は、金融サービス会社からのブロックチェーンの関心が高まったことで、投資家が仮想通貨を購入するようになった(Santander、JP Morgan Quorum)という。しかし、彼はまた、米国内にあるかなりのファミリーオフィスやヘッジファンドがポートフォリオの小さな部分をビットコインで投資し始めたことも、仮想通貨の価格上昇に繋がる重要な原因だとみている。

Mark Dukasは次のように述べた。

投機的な市場は、これら放物線の動きを作り出す原動力です。今やFOMO(チャンスを逃すことへの恐れ)を実感している初心者、トレーダー、富裕層がいます。私の信念は、ビットコインが実際のユースケースをもつことで価格の伸びが続くというものです。これは必要な人びとに価値をもたらし、今までに創造されたデジタル資産中、最高のものであることで強調されます。

世界初の規制された仮想通貨基金であるAlphabit.FundのCEO、Liam Robertson氏は、3,000米ドルにまで上昇する強気価格の連続は、市場に参入する新たな資本の指標であり、広範な投資コミュニティ内での仮想通貨受け入れに関し、より高いグレードの指標であると語る。

7カ月で価格がああしたレベルよりも高くなるか低くなるか、確信をもって語る人は、答えを知っているフリをしているだけです。 15〜30%の価格変動はすべてビットコインの楽しみの一部であり、いつでも発生する可能性があります。 しかしながらひとつ言えることは、2020年より前にビットコインが1万米ドルに到達するということです。

メディアの大熱狂

ビットコイン/ブロックチェーンの背後にあるテクノロジーは、さまざまなマネージメントおよびガバナンスの分野でますます使用されるようになっている。新しいブロックチェーン・ベースのプロジェクトが、毎週世界各地で市場に参入している状態だ。しかしながらマスメディアの報道なしには、この新しい金融テクノロジーの一般的による受け入れと理解は不可能だろう。ビットコインもまたこれを享受している。

Juan J. Manini-Rios氏は、最近、ビットコインをめぐるマスメディアの熱狂がうずまいていると指摘する。ビットコインが史上最高値を記録した後はなおさらだ。

今年は、CNBCやブルームバーグ、フォーブス誌などの金融専門メディア、ならびに世界各地の一般的なニュース媒体で、ビットコインとイーサリアムが何度も取り上げられています。昔からのビットコイン派がこれまで家族や友人から、のめり込むのは気をつけろというメッセージを常に受け取っていたことは想像に難くありません。ビットコインほかの仮想通貨投資に興味を持っている人の数が劇的に増えており、それを支えるデータもいくつかあります。 Google検索からのデータ、Poloniex・GDAX(Coinbase)・Krakenといった主要取引所での口座開設数の伸びなどなど…。これらの取引所のほとんどは、この成長率に追いつくためにかなり苦労していて、一部は深刻なサービス不良を起こしているほどです。

高まったマイニングの難易度

Mattia Rizzi氏は、ビットコイン価格上昇の理由の中で、マイニングの難易度が高まった点を指摘した。現在まででマイニングの難易度はすでに7000億を超え、上がり続けている。

Vladimir Lialine氏は、ビットコイン・マイニングおよび取引会社Twixsoftと、ブロックチェーンベースの銀行向けソリューションのディベロッパーHoneypotzの創始者であり、イーサリアムのP2P送金ソフトウェア・ウォレットのEverexpayで、ブロックチェーンのデジタル資産の整合性検証をするソリューション・ディベロッパーだ。 彼もまた、ビットコインのマイニング難易度が劇的に上がっていることを指摘した上で、取引処理をするためにマイナーが損失を補償されるべきだとした。

また、価格は上昇し続けるだろうとして、次の10点を理由に挙げた:

ビットコイン価格上昇が続く理由10

  1. 非流動性、価格発見は非常に不透明であること
  2. 日本が小売店での支払いにビットコインを迅速に採用したこと
  3. ブロックチェーンと仮想通貨をめぐる上昇トレンドの波
  4. ビットコインはベンチマーク
  5. ビットコインがメジャーになりつつあること
  6. マイニングの難易度が大幅に上昇し、取引処理でマイナーが損失を補償されるべきであること
  7. ボラティリティが内在していること
  8. 深刻な下落や反落を伴うメジャーな上昇トレンド
  9. 限定供給であること
  10. ネットワークが混雑 していること