クリプト訪ねて三千里:第17話 seriesOne

みなさま、こんにちは!NYのスタートアップらを毎日取り上げるコラム『クリプト訪ねて三千里』です。今日ご紹介するseriesOneはスタートアップを支援するプラットフォームを提供しており、”Hopping the Chasm”を掲げるBlockRabbitとしては見逃せない取り組みを行っています!

seriesOne: https://secure.seriesone.com/about-us

Blockchainを活用したオンライン投資プラットフォーム

seriesOneは主に2つのサービスを提供しています。

1)起業家の資金調達手段

2)投資家の投資機会の提供、事務処理の削減

起業家は株式、社債、トークンと引き換えに資金調達をすることができるのと同時に、世界中の投資家*へのアクセスを獲得できます。(*厳密には世界中ではない)

投資家はKYC/AML、Accredited Investor(認定投資家)としての証明等の煩雑な事務処理を比較的簡単に済ませることができ、更に投資手段は銀行振込やACH、カード払いだけでなく、暗号通貨での支払いも受け付けています。

Kickstarterとは異なり、株式や社債、トークンを提供する点がポイントですが、seriesOneは天下のSEC監視下のアメリカに拠点を置く中、どのようなスキームでこの投資プラットフォームを運営しているのでしょうか?

 

seriesOneの企業マップ図解

seriesOne Holding Inc.という親会社がseriesOne.com platformを保有し、seriesOne Capital, LLCとseriesOne, LLC. を傘下に置いています。

seriesOne Capital, LLCが部分的にプラットフォームを運営しており、主にRegulation DAの領域で関わり、FINRA/SIPC認可のSeriesOne Securities LLCというブローカーディーラーもその他の部分でプラットフォームに関与しています。

seriesOne, LLCは認可済のファンディングポータル(CRD #285012)でクラウドファンデイングの領域を担当。

親会社であるseriesOne Holdings Inc.はブローカーディーラーやファンデイングポータルとして認可を受けておらず、またFINRAの会員でもない”箱(節税目的)”としての位置づけでしょう。

おそらく株式や社債を購入する場合は、登録を受けているseriesOne Capital, LLCの下、Regulation D506(c)に基いて投資契約を結ぶものと考えられます。

トークン(Digital Security)を購入する場合は、同じく別の登録を受けているseriesOne, LLCの下、クラウドファンデイングという名目に基いて行うのでしょう。

アメリカ国外の投資家については、各国の規制に準ずるとのことですので、日本の投資からは主にクラウドファンデイングでのスキームを利用することになるかと思いますが、AngelListやKickstarterに続きスタートアップ界隈を推し進める動きは日本からも注目すべき興味深い動きです!

【参考文献】

1]アメリカの投資家から資金調達をするために必要な知識:Regulation D(レギュレーションD)

https://www.monroe-legal.com/jp/2016/04/05/regulation-d-%E3%83%AC%E3%82%AE%E3%83%A5%E3%83%AC%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3d/

2]Regulation A

https://www.sec.gov/smallbusiness/exemptofferings/reg