こんにちは!私は茨城大学4年生の福留直宙(ふくどめなおひろ)といいます。今回はLittle MonsterさんとMonday Capitalさんのご招待で、ニューヨークでブロックチェーン漬けの3週間を過ごし、そして、日本にいるだけでは到底できないような、強烈な経験をさせていただきました。今回はその中でも特に心に残ったことについて書かせていただきたいと思います。
インターンシップ
3週間のなかで最も時間を占めたのは、Shift Marketsという、主に仮想通貨取引所プラットフォームのホワイトラベル(OEM)や、トークンの作成を担っている企業でのインターンシップです。
私達に与えられた仕事は、彼らの製品を日本で展開する際の、法的要件のリサーチでした。私と同じくインターン生の井上くんは工学系の学生であり、今までは法律にかかわる仕事をしてきたことはありませんでしたから、これは難題でした。その上、もちろん仕事は英語で行いますから、彼らのネイティブイングリッシュについていくことも至難の業でした。
しかし、仕事に対するアプローチやメンタルの維持では井上くん、日本の法規制の動向ではLittleMonsterの森川さんのお力をお借りしながら、なんとかやり通すことができました。また、私が全く無知だった仮想通貨関連の法律という分野の知識を身につけること、さらにそれを英語で説明するという経験は、日本でただエンジニアとして働くだけでは得られない経験だったでしょう。
私にとって非常に残念だったのは、社員の人々と談笑をすることができるほどの仲にはなれなかったことです。しかし設備の使い方や仕事の質問、エレベーターで雑談する時など、片言の英語に親切に対応していただけたことにはとても感謝しています。彼らの紳士ぶりやフレンドリーさが、この会社の、フラットで活発な雰囲気を作っているのだろうと思いました。たとえば今後私がチームで働く際には、あのような人間性を持ちたいと思います。ありがとうございました。
ブロックチェーンウィーク
Block Rabbit愛読者のみなさんはご存知かもしれませんね。5/13からの1週間を中心とするブロックチェーンウィークには、マンハッタン中で多くのイベントが催されました。私はFluidity Summit、Consensus、TokenSummit、そして2つのミートアップイベントの、合計5つのイベントに参加させていただきました。これらのイベントを通して、私は2つの刺激を受けました。
1つ目の刺激は、「クリプトへの熱気が、日本のそれとは段違いである」ということを感じたことでした。というのも、イベントに出展しているスタートアップや業界に参入してくる銀行や投資会社の数、そしてニューヨーク州行政の動き、どれをとっても、日本で感じていたよりも明らかに大きな規模だったからです。
例えばクリプト資産の私はもともとブロックチェーンの技術的な面しか見ていませんでしたから、その通貨や資産としての面に、世界トップの銀行が注目していることは、そのリスクの高さを考えても寝耳に水でした。ニューヨーク州がクリプトタスクフォースを作っていることも、世間のクリプト資産に対する盛り上がりを物語っているように感じます。この盛り上がりを肌で感じることは、日本ではそうは経験できなかったでしょう。
2つ目の刺激は、クリプトスタートアップがそれぞれ、強い信念をもって活動を行っていることです。
クリプトスタートアップは、分野ごとに競合が多く存在しています。例えばインターン先のShift Marketsのような、取引所プラットフォームをホワイトラベルとして売っている企業は、ブースを数えただけでも3つ以上はあったでしょう。最近流行しているステーブルコインをとっても、MakerDAOをはじめとする多くのスタートアップが生まれています。
ブースで「他の似ているサービスとはどう違うの?」と聞いたときには、どこからもはっきりと答えが返ってきました。自分のサービスが成功し、生き残れるという自信にあふれているのは私にとって眩しく感じられました。彼らのようにキラキラと意欲に溢れて、やりたいことに向かった経験が、私に果たしてあったでしょうか?この人達のようになるには、「まず自分のやりたいことに、がむしゃらに取り組むことから始めよう」と思うようになりました。
ブロックチェーンウィークは、私にとって、ブロックチェーンそのものというよりも、それを取り巻く人々のバイタリティや、メンタルの面を学ぶことができた、とても良い機会だったと思います。
おわりに
今回のインターンシップとブロックチェーンウィークでは、ここに書ききれないほどの多くの発見と出会いと刺激に恵まれました。日本でも、この経験を糧に、自分のやるべきことをしっかりと見据え、そこに向かって一心に頑張っていきたいと思います。
この企画を最初から最後までお世話してくださったLittleMonsterの皆さん、ShiftMarketでチューターとして動いてくださったパトリックとアンソニー、そして、寝食をともにし、3週間という長い期間を互いに刺激し合った、3人のインターン生に感謝を述べたいと思います。本当にありがとうございました。