ベルリンを訪問した際に、知り合いを通じて紹介してもらったSam(Sam Williams)はイギリス出身の起業家。大学ではComputer Scienceを専攻していて、Decentralized Operating Systemの研究で博士号まで取得した秀才。現在は数社のスタートアップでアドバイザーを務めたり、Techstarという米国では著名なアクセラレータでメンターとして従事しながら、Arweaveの代表としてBlockchainの先端を突き進んでいます。

 

そんなSamが多忙の中、インタビューの時間を設けてくれたので、その会話を共有させていただければと思います。

 

クリプト訪ねて三千里”でもArweaveを一度取り上げたので、良ければそちらもご確認ください!

Q1. Blockchainに興味を持ったきっかけを教えて下さい。

 

一番最初のきっかけは2010年、友達に教えてもらったことがブロックチェーンとの出会いです。その当初はComputer ScienceでOSデザインを専攻していたものの、インターネット上のお金という概念が理解できず、怪しいものだという印象でした。大学に入ってからはP2Pネットワークに興味が沸き、当時流行っていたBittorent等のネットワークシステムに惹かれていきました。博士課程でも、分散型OSの研究を進めていく中、データストレージとして適しているということでブロックチェーンを改めて友達から教えてもらい、そこから本格的にブロックチェーンを開発していくようになりました。

 

Q2. Arweaveとは一体どのようなサービスで、どんなユースケースを想定していますか?

 

ArweaveはPermaWebと我々が呼んでいる永久不滅のウェブサイトの根幹となるブロックチェーンを開発する企業です。ユーザーは私たちのブロックチェーンにウェブサイトやアプリを構築することで、自分たちが作り上げたものを永久にアーカイブすることができます。

 

想定しているユースケースは主に二つあり、1つ目はプラグインのプラットフォームです。検閲不可能な、権威の届かない、データをアップロードした本人のみが管理することができるプラグインとして活用できます。また2つ目が、アーカイブとしての活用。例えば、UKにおいては、従業員の雇用情報は40年保存しなければならないと法律で定められています。Amazonでさえも40年間同じサービスを提供できる保証がない中、どうやってこの実用性からかけ離れた法律に準拠するのか?その解決策の1つとして、このArweaveがあると考えます。

 

しかし、何でもArweaveに記録できるというわけではなく、ある程度のコンテンツポリシーというものが存在します。それに準じて、各ノードがそのコンテンツを記録するかしないかを決定することができます。いわゆるProof Of Accessという合意形成アルゴリズムを採択しています。

 

また、現在既に1000近くのアプリ、コンテンツがArweaveのブロックチェーン上で動いていますが、中でも興味深いのがこのWeavemailです。送受信にはETHを送金するのと同じ感覚でトークンを必要としますが、単なるメールの送受信というだけでなく、このWeavemailはGoogleに読まれる心配がないため、検閲されることもなく、ブロックチェーン状に記録するため紛失する恐れもありません。

 

BR編集部の考察)ユーザビリティーはともかく、このWeavemailというウェブアプリはベルリンらしいカウンターカルチャーチックなArweaveの思想を具現化したものだと感じました。限られた数社に独占され、誘導され、整えられたインターネットは本来のインターネットのあるべき姿ではなく、無秩序に近い自由の場こそがインターネットであるという想いが垣間見えます。

 

Q3. Blockchainの今後の5年間はどうなるのか?

 

(Arweaveとして、ウェブの観点から考えると)Blockchainは5年間で、ウェブを少しだけ進化させると思います。ニュースレポート等の永久に保存されるべき情報が徐々にPermaWebにアーカイブされていき、現行のウェブからの移行が始まっていくと期待しています。Blockchain自体は依然として複雑で、完全に浸透していくには10‐15年はかかると考えています。

 

まとめ

 

P2Pのネットワーク体系に学生時代から純粋に心惹かれているからか、Dencentralizedを尊重するSamの姿勢がインタビューの中のコメントでも垣間見えました。マーケティングに頼らず、コミュニティの自然な成長を望み、開発のお手本を提示するに留まる等、あくまでも指針的な立場を崩しません。

WWWが普及する前に、一部のコミュニティで流行っており、今でもインターネットギークの間で支持され続けるGopherをArweaveにアーカイブし、インターネット創世記の想いと意思を継ぐSamやArweaveの動向には今後も注目です!

 

(取材、翻訳、執筆:Sho)

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