クリプト訪ねて三千里:第1393話 Layer 2チェーンの最新動向:Arbitrum、Base、World Chain、ZKsync、Taikoの要点まとめ

EthereumのLayer 2チェーンは、スケーリングソリューションとして急速に成長を遂げています。それぞれのLayer 2チェーンがユニークな特徴を持ち、独自のエコシステムを形成しています。この記事では、主要なLayer 2であるArbitrum、Base、World Chain、ZKsync、Taikoの最新動向をまとめました。

Arbitrum(アービトラム)

  • 成長の中心:
    Arbitrumは、Ethereum取引の55%以上を占める主要Layer 2として、他をリードしています。特に、$4B以上のステーブルコイン流動性を確保しており、DeFiやコンシューマープロジェクトで活用されています。
  • 注目ポイント:
    • Orbit Chainでは、大量のNFTミントが可能で、1,000件のNFTミントにかかったコストはわずか$0.0029という驚異的な低料金。
    • 年初来で$2.5Bの純オンチェーン流動性フローを記録。

Base(ベース)

  • 急速なユーザー拡大:
    2023年8月にローンチされたBaseは、短期間で急成長し、2024年第3四半期には4,720万のユニークユーザーを記録しました。
  • 注目ポイント:
    • ステーブルコインの利用量が急増し、2024年10月26日には他のすべてのブロックチェーンを超えるステーブルコイン送金量を記録。
    • ガス収益は2024年3月26日に$2.39Mのピークを迎えましたが、その後、EthereumのDencunアップグレードにより減少。

World Chain(ワールドチェーン)

  • 個人向けに設計されたLayer 2:
    「World ID」というデジタルIDを活用したスマートアカウント(Safe)が特徴で、非カストディ型の資産管理やアプリ利用が可能です。
  • 注目ポイント:
    • ローンチからわずか4か月で1,430万のスマートアカウントが作成され、累計$700M以上の送金量を達成。
    • 取引の95%以上がSafe経由で行われており、セキュリティと利便性が両立。

ZKsync(ZKシンク)

  • エコシステムの進化:
    ZKsyncは、複数のロールアップを相互接続する「Elastic Chain」という新しいエコシステムを構築しています。分散型デジタルID(DID)やDeFiの成長が顕著です。
  • 注目ポイント:
    • アルゼンチン・ブエノスアイレスでローンチされた「QuarkID」は、36万人の住民向けに分散型デジタルIDを提供。
    • AaveやVenusなどが合計$50MのTVLを達成し、DeFi分野の拡大に貢献。

Taiko(タイコ)

  • 独自の「Based Rollup」モデル:
    Ethereumバリデータによるトランザクションシーケンスを特徴とする「Based Rollup」。30日間で6,000万以上の取引を記録し、アクティブユーザー数も急増しています。
  • 注目ポイント:
    • 30日間のアクティブアドレス数が642K、前四半期比で181%増加。
    • 過去7日間で$150Kのオンチェーン利益を記録し、経済的にも成功を収めています。

Layer 2チェーンは、それぞれの強みを活かしながら急速に進化を遂げています。ArbitrumはDeFiとステーブルコインの流動性、Baseはユーザー基盤の拡大、World Chainはスマートアカウントの利用促進、ZKsyncは分散型IDとDeFi、Taikoは独自の「Based Rollup」モデルで注目を集めています。これからのEthereumスケーリングの未来において、これらのLayer 2がどのような役割を果たすのか、引き続き注目が必要です。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

BlockRabbit『クリプト訪ねて三千里』とは。

第1338話から。執筆者の事業展開を定期的にご報告します。DAO「分散型自律組織:ブロックチェーン上で世界中の人々が協力して管理・運営される組織」の考えの下、金融、ウェルスマネジメント、暗号資産、DeFi、NFTのビジネスのネタをお届けします。独創性あふれる生きた情報をお届けいたします。コラボ歓迎!!執筆者への個別メッセージも可能です。どの執筆者宛かを記載し、内容とともにhello@blockrabbit.ioに直接コンタクトを下さい。*フォーム問い合わせでもリーチ可能です。

第924話~第1337話まで。暗号資産、DeFi、NFTに感化された新進気鋭の若手が定期的に登場!ユーザー目線でコツコツ嚙み砕いていくコラムもあり、アメリカ発の最新情報など絶妙な情報をお伝えしてきました。

第596話~第923話まで、バトンタッチを受けたcryptoトレーダーは、DeFiとは何ぞや?ユーザー目線でコツコツ嚙み砕いていくコラムを書いていきました。

第1話~第595話まで
現在の実体経済からは少し離れたところに、もう1つの経済圏がブロックチェーンによって興ると考えるShoが、その興隆を追っていくために毎日1社ずつ界隈のプロダクトを紹介していく超短編気まぐれ日刊コラムであり、メディア記事も幾つかピックアップしてお届けしておりました。

カテゴリー