クリプト訪ねて三千里-第1409話-Aptos、静かなる疾走 — 新生チェーンは何を変えるのか？

Aptosとは？高速・安全・低コストなL1ブロックチェーンの現在地

Aptosは、近年注目を集めているレイヤー1ブロックチェーンのひとつです。元Meta（旧Facebook）のDiemプロジェクトの技術とチームをルーツに持ち、「高スループット・低レイテンシ・セキュアな開発環境」を兼ね備えたチェーンとして、さまざまなプロジェクトが集まりつつあります。本記事では、Aptosの特徴や課題、開発環境、ユーザー体験についてわかりやすく整理します。

Aptosの注目ポイント

🐢 Move言語による高い安全性

Aptosは、Meta発の新興言語「Move」をスマートコントラクトに採用しています。Solidityよりも所有権の管理が明確かつ安全性が高いのが特徴で、資産の二重使用やバグのリスクを事前に排除しやすくなっています。開発者にとっては「セキュアなDApp開発」が可能になり、ユーザーにとっては「安心して使えるアプリ」が増えていく期待が持てます。

🐢 並列処理（Block-STM）による高速トランザクション

Aptosは、独自の並列処理技術「Block-STM」を採用しています。これは複数のトランザクションを同時に処理できる仕組みで、**理論上13万TPS（秒間取引件数）**という高スループットを実現可能としています。一般的なブロックチェーンが「1つずつ順番に処理」するのに対し、Aptosは「同時並行に処理 → 結果の整合性を後から調整」というスタイルです。

🐢 手数料（ガス代）が非常に安い

Aptosでは、1回のトランザクションにかかるガス代が非常に小さいです。たとえばETHのように数百円〜数千円ではなく、日本円換算で数円〜十数円レベルで済むケースがほとんど。そのため、NFTゲームやDeFiなど、「少額でも頻繁に使う」ユースケースにおいて大きなメリットがあります。

Aptosが抱える主な課題

🐢 開発者人口がまだ少ない

Move言語は新しく、学習コストもやや高いため、Solidityと比べて開発者コミュニティが限定的です。ただし、公式ドキュメントやAptos Foundationの支援活動により、徐々に拡大しています。

🐢 TVL（預かり資産）はまだ成長途上

2024年から2025年にかけて徐々にTVL（Total Value Locked）は増えてきましたが、EthereumやSolanaと比べるとまだ小規模です。ただし、USDCのネイティブ対応など、インフラ整備が進むことで今後の成長余地は大きいと見られています。

Aptosを触るためのおすすめウォレット

• Petra Wallet（Aptos公式推奨）

• AptosConnect, Bitget Wallet, OKX walletなどなど、使い勝手は年々向上中です。

Aptos上の主要プロジェクト

• 🪙 Liquidswap：Aptos初のDEX、Pontem Networkが運営

• 💰 Thala：ステーブルコイン $MOD を中心に構成されるDeFiプロトコル

• 📈 Aries Markets：レンディング＆トレーディングが可能な複合型プラットフォーム

• 📱 Kana Labs：クロスチェーンアグリゲーターとしてAptosにも対応

Aptosは「実用フェーズ」に入りつつある

Aptosは、Moveによるセキュリティ、Block-STMによる処理能力、低ガス代による使いやすさを兼ね備えた注目チェーンです。一方で、開発者数やTVLの規模など、エコシステムの広がりにはこれからの努力が求められます。2025年時点で、Aptosは「次のSolanaになる可能性を持った実力派チェーン」として、確実に地歩を固めつつあります。Aptosの動向を追うことで、次世代のWeb3インフラがどのように成長していくのか、そのヒントが見えてくるはずです。