はじめに
最近何かと話題の”Roblox”を皆さんはご存じだろうか。Roblox が何なのかについては
ちらの記事で紹介しているので、Roblox が何なのか知らない読者の方は是非前回の記事を読
んでから、この記事も読んでほしい。

Roblox は 10 月末に原因不明の大規模なシステムダウンが発生し、数日間ゲームはおろか
ウェブサイトも閲覧不能となっていた。かと思えば、先日同社は 7-9 月期決算(第 3 四半
期)を発表し、市場の予想を上回る結果となったため、一時株価は最大 42%上昇した。

そんな絶好調の Roblox 社だが、実は同社は赤字続きのことを皆さんはご存じだろうか?

実は赤字の Roblox 社
第 3 四半期終了時点で、収益は 13.5 億ドルで昨年同期の 6.1 億ドルと比較して、120%以
上の伸びである。さぞかし大儲けしているのだろうと思いきや、実は Roblox 社は 2021 年通
算で 3.5 億ドルの損失を出している。つまり赤字である。昨年同期も 2 億ドルの損失だ。い
ったいこれはどういうことなのか。

この謎を解き明かすために同社の損益計算書を見てみよう。


上の画像は、Roblox 社の損益通算所の一部であり、収益全体に対して占める各支出の割合
をパーセント形式で表している。一番下の総コストが収益に対して 126%となっており、それ
は支出の方が収益より多い=赤字ということを示す。この各支出の中で”
Research&development”(研究開発費)と”General administrative”(一般管理費)の
み、割合が増えている。細かい説明は省くが、Roblox 社の報告によれば一般管理費の増加
は、今年 Roblox 社が上場する際に発生した手続き諸々からくるものだ。しかし研究開発費に
ついては、この支出の増加はこれからの新機能の開発や機能性の向上、プロダクトのイノベ
ーションのための費用とされている。

何が言いたいかというと、Robolx 社はまだまだサービスを開発し、大きいものにする気
満々であるということだ。Roblox 社は、まだまだ未来へ投資し、ゲーミングメタバースの代
表として君臨するために、今も進化し続けている。

ゲーム内通貨 Robux
しかし、Roblox がゲーム界のメタバースとしての覇権を手にするには一つの障害がある。
それがゲーム内通貨の”Robux”だ。Robux は Roblox 内で使用されるゲーム内通貨で、ユー
ザーは Robux を先ず法定通貨で購入し、アバタースキンやゲーム内での能力など、様々なも
のに課金することができる。

ゲームを開発した、ディベロッパーユーザーは、自分のゲーム内でユーザーが課金した
Robux を稼ぐことができる。それは Developer’s Exchange (DevEx)という、2013 年に導入
された取引所で、実際のドルと交換することができる。こうしてディベロッパーユーザー
は、ゲーム内で稼いだ Robux を現実世界で使える収入に変えているのだ。

Robux の限界
しかしこの制度では、Roblox が今後本当にメタバーストして全世界の人を取り込むプラッ
トフォームに成長した際に、独自の Roblox 内における経済システムを発展するには、問題が
ある。

話は変わるが、つい最近社名を変更した Meta もメタバースを開発しており、その中で NFT
商品の購入を可能にしている。当然それらの NFT はイーサやポリゴンといった仮想通貨、も
しくは同社が開発している通貨ディエム(旧リブラ)となるだろう。

ではこれがどう Robux の問題と関連するのか。それは Robux の大きな問題点として、その
通貨が現状法定通貨としか交換可能でない点にある。当然メタバースは仮想通貨、NFT、ひい
てはブロックチェーンと深い関連性を持ち、それらがあってこそデジタル経済圏が確立す
る。

その流れの中で、Roblox 社の DevEx でしか、更にそれがある国の法定通貨としか互換性が
ないとなると、不便でしょうがない。Robux はあくまでゲーム内通貨で、ブロックチェーン
上に存在する仮想通過ではないため、どこかの取引所にリストされて、他のコインやトーク
と取引さることも難しい。

このようなコインの流動性の点を考えると、Roblox はゲーミングメタバースとして、多く
の人々を包括するプラットフォームとなることは可能であるが、Robux を中心とした独自の
デジタル経済圏を創り出すためには、まだまだクリアすべき課題が多いと考える

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BlockRabbit『クリプト訪ねて三千里』とは。

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現在の実態経済からは少し離れたところに、もう1つの経済圏がブロックチェーンによって興ると考えるShoが、その興隆を追っていくために毎日1社ずつ界隈のプロダクトを紹介していく超短編気まぐれ日刊コラムであり、メディア記事も幾つかピックアップしてお届けしておりました。

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