ここに出どころのよくない大金があると仮定します。大金を自分のものにしたいけど、たくさん使うと「出どころ」が明るみに出てしまう。
これがマネロン発生の動機です。ちなみに現金であれば多少使えますが、現金で使える額は限られています。せいぜい高級レストランで美味しいものを食べる程度。100万円を現金で支払う商品、サービスと言えば自ずと限られます。
他の誰が見ても価値のないNFTを「アート」として出品します。「アート」を売っている側は表の自分です。裏の自分は出どころのよくない大金をETHに変えて「アート」を購入します。購入した側は「アート」の価値に関係なく売っている側に大金を渡します。
「アート」が高く売れた表の自分は、それを収益として計上し税金を納めます。税金を通過したお金はクリーンなお金なので、めでたしめでたしというわけです。
出どころのよくない大金を持つことは一般の人はあまりないと思いますが、次の「節税」のお話は少し深刻です。
会社間取引で、利益が出ている会社はNFTを高く買って安く売り、損失を計上する。赤字会社はNFTを安く買って高く売り、赤字を埋める。バレバレな行為ですが、これを複雑にやることは可能です。
税金が40%として、A会社が20億円の利益、B会社が30億円の損失であれば、この二社から取れる税金は8億円です。しかし、A会社が利益ゼロ、B会社が10億円の損失であれば、この二社から取れる税金はゼロです。この取引をすることによってマイナスサムゲームがゼロサムゲームになるわけです。ただし、意図的にやれば「節税」ではなく「脱税」という経済社会で最も大きい罪を背負うことになりますので気を付けましょう。
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BlockRabbit『クリプト訪ねて三千里』とは。
第596話からのターン。バトンタッチを受けたcryptoトレーダーは、DeFiとは何ぞや?ユーザー目線でコツコツ嚙み砕いていくコラムを書いていきます。
~第595話まで
現在の実態経済からは少し離れたところに、もう1つの経済圏がブロックチェーンによって興ると考えるShoが、その興隆を追っていくために毎日1社ずつ界隈のプロダクトを紹介していく超短編気まぐれ日刊コラムであり、メディア記事も幾つかピックアップしてお届けしておりました。