クリプト訪ねて三千里:第844話
DeFIプロジェクトにおけるスリッページの克服方法

スリッページは、DeFiのプラットフォームを使用する際に考慮すべき重要なポイントのひとつです。スリッページとは、実際の価格と予想される価格との差のことを言います。

画像のように1BNBで購入するときと100BNBで購入する時で得られる1INCHトークンの数が異なります。1BNBでは142.83トークンが得られますが、100BNBでは1BNBあたり133.56トークンが得られます。枚数が多いほうが、価格にインパクトを与えてしまうということです。この場合、1BNBでは0.51%、100BNBでは6.97%と結構価格の違いが見られます。価格のインパクトは0.0070012に対して0.0074873と、100BNBで買った場合はマーケットの価格が6.94%上昇することになります。すごく上がってしまいますね。

この価格が上がり度合いは「流動性」と呼ぶこともあります。流動性が乏しい場合は、少しの売買で価格が変動してしまいます。一方で流動性が厚い場合は、けっこう多くの枚数でも価格の変動はありません。暗号資産の中で最も流動性があるのがビットコインです。

ビットコインは現在3.3万ドルですが、3.3万ドルを買ったところでほとんど価格は動きません。しかし、3.3万ドルのJPYCを買った場合は大変なことになります。117円が72円!実に 37%の目減りです。

DeFiプラットフォーム毎のスリッページを回避するために使用している戦略のリスト

Uniswap

UniswapはAMM戦略(Automated Market Making)を用いて、スリッページと流動性を管理しています。ここでは、流動性をプールするシステムが構築されており、取引手数料はネットワークをサポートする流動性提供者に支払われます。このプロバイダーのネットワークを利用して、Uniswapは暗号トレーダーの注文を完了します。これにより、スリッページを克服する独自の方法が生まれます。このメカニズムでは、トレーダーがプールの流動性全体を購入することで、大きな注文の場合に価格が高くなることを防ぎます。プロバイダーの数を多くすることで解決できますが、それはプラットフォームの成長に伴っていずれ大きくなるでしょう。

Kyber

流動性プール、メーカー、トークンホルダー、トークンプロジェクトを含む多様な流動性システムを採用しています。これらの貢献者は、Kyberが作成したスマートコントラクトと相互に作用し、リザーブを設定することができます。準備金には、Orderbook Reserve、Automated Price Reserve、Fed Price Reserveの3種類があります。

Bancor

Bancorはセルフバランスの仕組みを作りました。これは、Bancorが独自に開発したトークン「BNT」が、リザーバーのバランスを管理するための中間体として機能するものです。このコントラクトを使えば、マッチメイキングを待つ必要はなく、そのトークンを使ってバランスを取ることができます。クリプトトークンがBNTのリザーバーを持っている限りですが・・。

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BlockRabbit『クリプト訪ねて三千里』とは。

第596話からのターン。バトンタッチを受けたcryptoトレーダーは、DeFiとは何ぞや?ユーザー目線でコツコツ嚙み砕いていくコラムを書いていきます。

~第595話まで
現在の実態経済からは少し離れたところに、もう1つの経済圏がブロックチェーンによって興ると考えるShoが、その興隆を追っていくために毎日1社ずつ界隈のプロダクトを紹介していく超短編気まぐれ日刊コラムであり、メディア記事も幾つかピックアップしてお届けしておりました。

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ABOUTこの記事をかいた人

農耕型・堅実派のアルゴリズムトレーダー。夢はヘッジファンドを自動で運用することです。簡単なプログラミングからパソコンの組み立てまで全て一人でできるバランス感覚の持ち主です。 DeFi(分散金融)をわかりやすくお伝えすべく「クリプト訪ねて三千里」に挑戦しています。