クリプト訪ねて三千里:第1148話
次のDeFiブームをつくるERC-4626とは

NFTに関心のある人なら、ERC-721というのは聞いたことがあるだろう。

DeFiLamaのデータによると、すべてのDeFiプロトコルのTVL(DeFiプロトコル内にロックされた総額)は1930億ドルに近い。 2020年夏に分散型金融が爆発的に増えた後、「イェールドファーミング」という概念が登場した。 利用者は貸出プロトコル「Compound」のようなプラットフォームに資金を入金し、従来の銀行のように、預金者へ利子を支払いながら、借入者へ資金を貸し出している。

 

しかし、イールドファーミングは、この概念に関する重要な知識や十分な資金がないと、個々のユーザーにとって魅力的ではなく、それが「イェールドアリゲーター」の誕生となった。これは利用者の資金をプールした後に、利子率をその時々で調整するようなスマートコントラクトの総称であり、別名「Vaults」と呼ばれている。

 

しかし、これらのVaultsには実装基準がなく、Vaults上にアプリを構築することが難しく、セキュリティ脆弱性も高い。 スケーリングも制限されていた。Vaultsがスマートコントラクトで運営されているため、一般ユーザーが直接彼らと相互作用することができず、Vaultsの上に構築できる潜在的な分散型アプリ(dapps)の重要性だけが高まった。

 

Ethereum Improvement Proposal (EIP)がFeiプロトコル創業者のJoey Santoroによって、12月22日に作成され、ERC-4626の始動へ向けて動き出した。

 

このEIPの主な目的は、Vaultsの強固な実施基準を確立することであったが、特定の基準が欠如している潜在的なセキュリティ影響についても概説した。

 

EIP-4626は3月18日に承認された。 以降、多数のDeFiプロトコルが同基準を実装している。HearnFinance、Balancer、RariCapital、およびmStableは、それぞれのVaultsにERC-4626の実装を開始した(承認されたEIPは、ERC[Ethereum Requests for Comment]と呼ばれる)

 

ERC-4626を使用してつくられたVaultsは、同基準によって作られた他の全てのVaultsと相互運用性を持つため、統合が容易となり、イェールドというものの周りに新たなイノベーションを起こす可能性を持っている。

 

ERC-4626によってつくられたVaultsは主に二つに分類される。「転換可能」と「転換不可能」である。転換可能なものでは、ERC-20トークンがユーザーへと発行され、このトークン量はユーザーのVaults内の所有権の割合に比例している。転換不可能なものはトークン自体を発行しない。

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現在の実態経済からは少し離れたところに、もう1つの経済圏がブロックチェーンによって興ると考えるShoが、その興隆を追っていくために毎日1社ずつ界隈のプロダクトを紹介していく超短編気まぐれ日刊コラムであり、メディア記事も幾つかピックアップしてお届けしておりました。

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