クリプト訪ねて三千里-第1446話 オンチェーン証券化(Tokenized Securities)の実務構造:RWA市場における清算とカストディ

米国債やMMFなどのオンチェーン証券化がどのように機能するのかを解説。発行、償還、清算、カストディの実務構造を整理します。Web3市場では、実世界資産(RWA: Real World Assets)のオンチェーン化が急速に進んでいます。

特に米国債、MMF(マネーマーケットファンド)、社債などの「Tokenized Securities(証券トークン)」は、DeFiと伝統金融を接続する領域として注目されています。


Tokenized Securitiesとは何か

Tokenized Securitiesとは、

  • 債券
  • 株式
  • ファンド持分

などの金融資産を、ブロックチェーン上のトークンとして表現したものです。

重要なのは、単なるデジタル化ではなく「所有権の移転」をオンチェーン化する点です。


なぜ注目されているのか

背景には以下の3点が考えられますが、結局のところ現実資産の利回りがオンチェーンへ流入しているということです。

  • 米国金利上昇
  • ステーブルコイン運用需要
  • DeFi利回り低下

基本構造

オンチェーン証券化は以下で構成されます。

  • 発行体
  • カストディアン
  • トークン保有者
  • 清算インフラ

ブロックチェーンは、この所有権記録レイヤーとして機能します。


発行プロセス

一般的な流れ:

1. 発行体が原資産を保有

2. トークンを発行

3. 投資家へ配布

このとき、原資産との1:1対応が重要になります。


カストディの役割

オンチェーン証券化では、カストディが極めて重要です。

理由:

  • 実資産はチェーン上に存在しない

ためです。

つまり、

  • オフチェーン資産
  • オンチェーン記録

を結びつける必要があります。


清算構造

従来金融では、清算に数日かかる場合があります。

一方オンチェーンでは、

  • 24/7
  • 即時移転

が可能です。

ただし、法的所有権との整合性が必要です。


DeFiとの接続

Tokenized Securitiesは、DeFiで以下の用途があります。

  • 担保
  • 利回り運用
  • ステーブル裏付け

TradFi資産がDeFi流動性へ接続されます。


実務上の課題

1. 規制

  • 証券法
  • KYC/AML

への対応が必要です。


2. 流動性

  • 二次市場の不足

価格発見が難しくなります。


3. カウンターパーティリスク

  • 発行体
  • カストディアン

への依存があります。


 

 

まとめ

Tokenized Securitiesは、単なる資産デジタル化ではありません。

重要なのは、

  • 所有権
  • 清算
  • カストディ

をオンチェーンでどう接続するかです。

RWA市場は、DeFiとTradFiの境界を曖昧にし始めています。

今後は、ブロックチェーンが「投機市場」だけでなく、金融インフラとして利用されるフェーズへ進む可能性があります。

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