クリプト訪ねて三千里:第1038話
MetaMaskとConsenSysとは

皆さんはConsenSysという会社を聞いたことがあるだろうか?何とこの会社はイーサリアムに関連したプロダクトやソリューションを提供する、いわゆるイーサリアム専門会社である。

 

その領域は非常に多岐にわたり、DeFiやNFTは勿論のことイーサリアム上にて発行可能なトークンの作成、管理、配布といった一連のプロダクト開発からオペレーションまでの一貫管理を可能とするようなソリューションまで提供している。

 

 ブロックチェーン技術だけでもかなり難解である上に、イーサリアムの仕組みまで理解している人材は希少である。仮想通貨業界はブロックチェーンという技術的な知識が必要なだけではなく、トークンエコノミーやコインを中心としたP2Eのようなサービス作成のためにはビジネスやファイナンスの要素も絡んでくる。よってこれから仮想通貨業界全体は慢性的な人手不足に悩まされると予想する。

 

 そして同社の製品の中でも最も有名なのが、MetaMaskである。MetaMaskはイーサリアムブロックチェーン用のウォレットである。ご存じの方もいるだろうが、イーサリアム上にはイーサ以外のトークン(ERC-20トークン)が無数に存在する。そして、それらを一元的に管理可能にするのがMetaMaskである。

 

 MetaMaskを用いることで、イーサリアム上に構築されたブロックチェーンゲームなどと連動させて支払いを行うことが可能となっており、イーサリアム上のアプリケーションを使用するならほぼ必須となっている。

 

 また、この製品の面白い点は手数料を自分で設定できる点にある。支払をするということは、イーサリアム上でトークンを移動させることとなり、トランザクションが発生する。トランザクションの実行にはガス代が発生するが、そのガス代を自分で調節できるのだ。より高いガス代を支払えばバリデーターに優先的に取引を処理してもらい、支払を素早く済ませることが可能となっている。

 

 しかしそんなMetaMaskにも、対応しているブラウザが少ないこと、他の仮想通貨のとの互換性の欠如、ハッキングの可能性などの問題点も存在する。

 

 その他には、NFTサービスとしてConsenSysはアートやゲーム、音楽等のコンテンツをNFT化するサポート事業を営んでいる。

 

 非中央集権化がキーワードとなっているブロックチェーンと仮想通貨であるが、いまだにコミュニティの発展や技術の開発には株式会社という中央集権的な組織が必要となっている。まだ完全な非中央集権的組織による、ブロックチェーンとクリプト産業の発展に時間がかかりそうだ。

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BlockRabbit『クリプト訪ねて三千里』とは。

第924話からのターン。暗号資産、DeFi、NFTに感化された新進気鋭の若手が定期的に登場します!
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第596話~第923話まで、バトンタッチを受けたcryptoトレーダーは、DeFiとは何ぞや?ユーザー目線でコツコツ嚙み砕いていくコラムを書いていきました。

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現在の実態経済からは少し離れたところに、もう1つの経済圏がブロックチェーンによって興ると考えるShoが、その興隆を追っていくために毎日1社ずつ界隈のプロダクトを紹介していく超短編気まぐれ日刊コラムであり、メディア記事も幾つかピックアップしてお届けしておりました。

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