普段人々は銀行で、振込や口座振替といった様々な機能を使用している。考えれば当然だが、このような機能は口座から口座への送金が行われることによって実現している。今は様々な手段を使って送金機能にアクセスできるため、ついつい口座から口座への送金は簡単だと思い込みがちだ。
しかし、国から国への、国境をまたいだ送金はそうはいかない。なぜなら送金側の銀行からすれば、送っている資金が正当なものなのか(犯罪資金などではないか)、受取先はどのような人なのか、送金先の口座はどこなのかなど、様々な情報が必要になる。特に送金先の口座については、いくら銀行といえど、世界中に無数に存在する口座から特定の口座を見つけそこに対して送金をするのは、非常に骨の折れる作業だ。言語も違う国同士でこの作業を行うのはほぼ不可能に近く、それを解決するために考案されたのがSWIFTである。
SWIFTとは、国際送金の際に銀行間が使用するメッセージ機能だ。どの国の、どの銀行の、どの支店の、どの口座にいくら送るのかなど、送金に関わる情報を共通のコードを介して伝える。さらに高度な取引になれば、送金のトラッキングや送金手続きの条件等、プログラミングのように様々な情報を伝えることは可能だ。
しかしSWIFTにおいて、肝心のお金は送らない。あくまでSWIFTはLINEのようなメッセージングのみで、実際の送金は銀行間で行われる。あくまでSWIFTは言語の違う国の銀行同士が連携して送金作業を行うための、送金用の共通言語というイメージだ。
ちなみに仮想通貨のリップルは、国際送金用に開発された仮想通貨で、現在のこのような煩雑で時間のかかる国際送金をブロックチェーン技術を使って、より素早く正確なものにしようとしている。
SWIFTはメッセージングのみと記述したが、実際の送金はまた通常の国内の送金とは違い、コルレス銀行という銀行を仲介して行う。実際の国際送金のお金の流れについて、次回の記事で紹介していく。
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