皆さま、こんにちは!
先日プレ告知でお知らせしたブロックチェーン国際会議2018をレポートいたします。ブロックラビットは公式プレスとして参加してきました!

まずは2日間に渡ったフォーラムの概要から。後日に登壇者の中から4人のインタビュー内容をご紹介してまいります!

WBF New York 2018のスタート!

ブロックチェーン国際会議、4回目となる今回のテーマはSTO(証券トークンによる資金調達)とステーブルコイン
会の幕開けは開催主であるWBFのCEO、Anthony Lau氏の自信に満ちた挨拶から始まりました。

WBF(World Blockchain Forum)は分散型元帳技術(DLTとブロックチェーン)の世界的なイベントを開催してきました。2018年3月にロンドンで第1回のサミットを開催し、グローバルなブロックチェーンの関係者や革新的なメンバーが集る「技術と人間の知性の相互のやりとり」をテーマにブロックチェーンのフォーラムを定期的に行っています。CEOのAnthony氏は、オンラインとバイルプラットフォームの分野の起業家で、企業のコンセプト化、開発の成功に長けている人物だそうです。

続いて登壇者の中から印象深かった方を簡単にご紹介してまいります。

Celsius network

ニューヨークのブロックチェーン界隈では去年からいたるところでICOイベントを開いていたので、最早誰もが見たことのあるのではと感じてしまうCelsius networkのファウンダー&CEO、Alex Mashinsky氏。
CelsiusはCelsius Walletに預け入れた仮想通貨で利子収入を得たり、担保にして現金を借り入れることのできる次世代型仮想通貨ウォレットのプラットフォームです。
Alex氏は音声を符丁化してリアルタイムに伝送する技術、VoIP(Voice over Internet Protocol)の開発者として有名ですが、現在はCelsius network を使用してお金をリアルタイムにやりとりするMoIP(Money over Internet Protocol)へ移行しようとしています。

講演で彼はE=MC² は何だと思うかと問いかけました。様々な答えが出る中、EはEthereumなどの仮想通貨、MはMembers、C²はCommunityとCreditであると説明しました。この掛け合いは結構いつもやられてるんですが、流石アメリカ、毎回かなり突拍子もない答えを言う人が沢山います。そしてそれにアレックス氏が突っ込むというのが最早定番化しています。

お金とは何か|幽玄Partnersのスコット博士

幽玄Partnersのチーフ科学者、W. Scott Stornetta博士。
ブロックチェーンに特化した投資会社で、日本にインスパイヤーされて幽玄という名前がつけられたそうです。幽玄は「理想である目標と規律のある実行」を目指しており、ブロックチェーン技術の使い方にたいへん興味をもっているものの、現実社会で安全に、そして世界をよりよくするために使用されることが約束されなければならないと考えているそうです。
Scott博士のお話はかなり数学的で、「お金とは何か」の歴史から始まり、P2Pでお金を送金できる価値に注目しており、今後はこのような金銭のやりとりが広がっていくのではないか。しかしそれには長い目が必要だろうと話しました。

途中、新しいステーブルコインがこの日にローンチされるということで、お祝いのテープカットがありました。ちなみにこれはなんのコインだったか覚えておりません。。。なんのステーブルコインだったんでしょうか。

UBER,AirBNBに投資した超有名エンジェル投資家、Jeffrey Wernick氏

UberAirBNBのエンジェル投資家、Jeffrey Wernick氏のトークはブロックラビット取材史上、最高に面白いものでした。Jeffrey氏はとにかくビットコイン推しで、最高に革新的!とビットコインの素晴らしさを延々話すのですが、ビットコインへの愛情が深すぎてその他のトークンを「Sh××コイン」などと蔑称で話すので、会場ではずっと笑いが起きていました。持ち時間が過ぎて司会者から制止されても話すのを止めないなど、本当にユニークな方でした。Sh××コインというのはテレグラム上ではよく出てくるワードですが、登壇でしゃべった人は初めて見ました。

会場外には展示ブースが設けられていました。

BIT BETAのブースではブロックチェーンのプランザクションのデモが行われていて人気を集めていました。

STO(セキュリティ・トークン・オファリング)についてのディスカッション


今回のフォーラムの主題のひとつ、STO(セキュリティ・トークン・オファリング)についてのディスカッションは、LumenaryのファウンダーでCEOのNelson Chu氏がモデレーターを行いました。彼にインタビューを行いましたので、詳しくは後日!

法律事務所の方や投資系の会社の役員が登壇され、STO(証券トークンによる資金調達)について討論が行われました。
ルールを決めること、またSEC(米国証券取引委員会)の許可が下りる形でのICO、監査や法律のことなど、これからクリアしなければならない課題も多く、しっかりした仕組みができるまで長期的に考えなければいけないという結論でした。早ければ来年にも動き出しそうな国もあるようですが、国により制度も異なるので、法律の厳しいアメリカや日本でSTOを行えるようになるには、まだ数年は先になる見通しのようです。

ステーブルコイン

もうひとつの主題、ステーブルコインはピラゴラスという投資会社CEOで、また個人投資家としても有名なMitchell Dong氏がモデレーターとなり、今後ステーブルコインはどうなっていくのかを話し合いました。

ステーブルコインについて詳しくは「注目のステーブルコインとは」をご覧ください!

1日目が終わり、ものすごいディナーが始まりました!
Theアメリカな分厚いステーキが供されるなか、テーブルのメンバー同士が自己紹介をするのですが、某球団のオーナーや金融王など、とんでもない方々がいらっしゃっており、2,000ドルのチケットも納得の面々でした。

リップル社

2日目。
あのCoindeskのリポーターが聞き手となり、リップル社のチーフマーケットストラテジストのコリー・ジョンソン氏に、果たしてリップルにステーブルコインが必要か?銀行との関係性は今後どうなる?など興味深い話しが繰り広げられました。

intuit

米国の会計ソフト、クイックブックスなどでおなじみのintuitの副社長でブロックチェーン開発部門の部署(あるんですね!)からIndu Kodukula氏。
ブロックチェーンに関しての一般的な発表内容でした。

Block ProducerのパネルディスカッションとしてEOSチームの登壇

Block Producer パネルとして、注目のEOSが登場。
EOSはイサリアムのような分散型プラットフォームで、手数料が無料な上に処置能力が高いと評判ですが、昨年7月にもイサリアムネットワークのGas(手数料)高騰問題にEOSのコミュニティがかかわっていたなど、色々問題が取り沙汰されています。このフォーラムの数日前にも問題が起こっており、EOSの登壇には注目が集まっていました。
EOSの4人が登壇し、会場からの質問に直接答えるスタイルで行われました。直前に起こった問題に対しての質問も投げかけられましたが、きちんとした返答がなされ、大きな舞台で真摯に答える姿勢に好感が持てました。

イサリアムを使ってゲームアプリを作る

Liverpoolのイサリアムエコシステムやアプリケーションの担当の方などが集まり、イサリアムを使ってアプリを作るセッションがありました。現在、ゲームマネーはイサリアムのERC20トークンを使用するのにあたり、Metamaskなどのアプリが必要です。
Metamaskとは、イサリアム系の仮想通貨やトークンを Google Chromeなどのweb上で管理できるウォレットです。
仮想通貨の業界からゲームに参入する人たちにはウォレットの手続きは難しくないですが、ゲーム業界の人間にとっては、トークンを管理するアプリが必要なのは難しいし面倒なもの。ウォレットなしにERC20トークンを使って、ゲームに使えるお金のやりとりの可能性があるのではないかという話が盛り上がっていました。

中央にいらっしゃる日本人はプラチナエッグ社CEOの竹村氏。このフォーラムで唯一の日本人の登壇者でした。
竹村氏にもたいへん面白いインタビューできましたので、こちらも後日をお楽しみに!

まとめ

以上、駆け足でブロックチェーン国際会議2018 in NYをご紹介しました!
今回のテーマはSTOとステーブルコイン。
数年前の1週間でICOをやります!というような、簡単ですが不安も伴う魑魅魍魎な世界から、きちんとした制度を設け、まっとうにSTOが行える世界が求められている、と感じられたフォーラムでした。STOとステーブルコインはゆっくりと、しかし着実に動き始めています。

トークンエコノミーという言い方は今後より頻繁にでてくるでしょう。
正常なトークンエコノミーを使って価値のやりとりができるようになると、仮想通貨に興味がある人たちにとって、トークンの利幅投機的な側面だけでなく、より現実的な使い方が生まれてくるのではないか、と筆者は思うのでした。

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