クリプト訪ねて三千里:第678話
ステーブルコイン裁定取引

ステーブルコインのアービトラージができる、と聞けばリスクフリーで収益が得られるとお考えでしょうか。アービトラージ(裁定取引)は非トレーダーにも人気なトレードで直感で分かりやすいということが挙げられます。逆に言うと、少し熟練したトレーダーであれば、価格の乖離=何か裏があるかもしれないと懐疑的になってしまうというのがあるみたいです。まあ、実際のところは裁定機会というのは山のようにあり、特にクリプト、DeFiの世界は裁定だけで飯が食っていけるくらいあると思いますので、そう疑心暗鬼になる必要性はないのかもなぁ、と(自分に)言い聞かせています。

ステーブルコインというのは例えばドルにペッグしたクリプトのことを意味します。クリプト業界では「テザー(USDT)」というドルにリンクしたステーブルコインが最も使われており、これは度々裏付けがないとニュースになり乱高下することもございますが、最近はそんな火種もあまり見られず、利用される=信用されているということで今もステーブルコインの王様でもあります。相場がよいときはそんなニュースも意味をなさないということですね。「USDC」は反面、サークルとコインベースが共同開発したもので、裏付け資産もありますよ、テザーなんかより全然安心ですよ、と謳っているステーブルコインです。他にもPaxosやDeFiで用いられるDAIもありますが、基本はステーブルコイン=$1で、一次的にずれたとしても収束する回帰性があると考えてよいです。

こちらの記事はそのステーブルコインの裁定取引によって得られたDeFiの仕組みを説明したものです。(リンク先に飛ばなくてもよいように説明をします。)

数分で約430万円の利益──アメリカで人気のDeFi取引の一部始終

使ったのは「テザー(USDT)」と「USDC」です。トレーダーが価格のずれを発見します。その際、レバレッジの使えるDEX(デックス:分散型取引所)であるdYdXで、USDCを10倍分を借りて同じくDEXであるユニスワップでテザー(USDT)に交換します。この時点でドルベースで利益を得ているわけですが、今度はCurve(カーブ)というDEXでUSDCに戻し、dYdXで返還したというわけです。

ステーブルコインで全てが$1であるとして分かりやすい取引だったと思いますが、これが例えば対象がETHであったり、DeFiトークンであったり、法定通貨建てであったり(〇〇/EUR、〇〇/USD、〇〇/JPY)すると、裁定取引の幅は広がります。このような鞘を狙うDeFiアービトラージャーは確かに存在します。

なんでこれを自分でやらないのかなぁと(自分のことを)不思議に思っています。

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BlockRabbit『クリプト訪ねて三千里』とは。

第596話からのターン。バトンタッチを受けたcryptoトレーダーは、DeFiとは何ぞや?ユーザー目線でコツコツ嚙み砕いていくコラムを書いていきます。

~第595話まで
現在の実態経済からは少し離れたところに、もう1つの経済圏がブロックチェーンによって興ると考えるShoが、その興隆を追っていくために毎日1社ずつ界隈のプロダクトを紹介していく超短編気まぐれ日刊コラムであり、メディア記事も幾つかピックアップしてお届けしておりました。

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ABOUTこの記事をかいた人

農耕型・堅実派のアルゴリズムトレーダー。夢はヘッジファンドを自動で運用することです。簡単なプログラミングからパソコンの組み立てまで全て一人でできるバランス感覚の持ち主です。 DeFi(分散金融)をわかりやすくお伝えすべく「クリプト訪ねて三千里」に挑戦しています。