クリプト訪ねて三千里:第1156話
Solanaが先月から2度目の停止. 価格が暴落

・Solanaが、水曜日に5月から2度目の停止を起こした。そして同日から価格は12%の下落

・昨年の仮想通貨の価格上昇時に、イーサリウムを中心にポートフォリオを組んでいた投資家たちが、Solanaをはじめとする様々なブロックチェーンへの分散投資を始めていた

・しかしここ1年半の間はブロックチェーンネットワークが何度も停止する事態となり、トレードオフの事実が明らかとなった

 

Solanaはビットコインとイーサリウムに続く最も有名な仮想通貨だが、今週水曜に、5月に入ってからの2度目の停止の事態となり、価格が12%暴落した。

 

Solanaネットワークのバリデーター達は数時間にわたって新たなブロックの生成を行っておらず、結果としてSolana上に構築されたアプリケーションも停止することとなった。同ブロックチェーンのTwitterアカウントは、この事態を報告し、事態の解決のためにバリデーターたちはアプリケーションの再起動を余儀なくされた。

 

ここ数年でSolanaは、イーサリウムと比較した際のその取引スピードの速さと低コストからNFTやDeFi界隈から注目を集めていた。Solanaは毎秒5万の取引を処理可能であり、平均コストは僅か$0.00025程であった。対するイーサリウムは毎秒13の取引を処理し、そのコストはSolanaと比べ物にならないほど高い。

 

イーサリウムに頼っていた投資家の多くが、Solanaをはじめとする他の多くのブロックチェーンへ分散投資を、去年の仮想通貨ブームから始めていた。そしてSolanaは、去年の6月に3.1億ドルのプライベートトークンセールをAndreessen HorowitzとPolychain Caipital 主導のもと行った。

 

しかしここ1年半の間は、Solanaは何度も停止しており、投資家たちにとってもこの分散投資はある程度のリスクを伴うものであるという事実を突きつけた。

 

今回の暴落の原因は、システムの停止もあるが、Solana上に存在するNFTに対する需要の低下も一つの要因として考えられている。Cryptoslamのデータによれば、Solana上のNFTの取引量は61.3%も減少している。OpeanSeaのデータでは、1日当たりの取引量も43.4%落ち込んだ。Solana上に存在するNFTといえば、”Trippin’ Ape Tribe”, “DeGods”, “FatCats Capital”などがあるが、これらの取引量も40%ほど減少しているとのことだ。

 

去年の夏ごろに多くの仮想通貨が過去最高値をつけてから、各国政府の規制やCBDCの出現などがあり仮想通貨市場全体として、非常に厳しい状況が続いてる。そしてこのNFTの取引量の減少も、仮想通貨市場が一度落ち着くことでNFTバブルの一旦の終りを告げているのかもしれない。

 

しかし、MetaverseはNFTや仮想通貨に比べて比較的新しいトレンドであり、同業界はNFTや仮想通貨を用いることで無限の可能性を持っている。この二つの相反する方向を向く2つのトレンドが、全体としてどのようなものとなるのかこれからも注意深く動向を追っていきたい。

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

BlockRabbit『クリプト訪ねて三千里』とは。

第924話からのターン。暗号資産、DeFi、NFTに感化された新進気鋭の若手が定期的に登場します!
ユーザー目線でコツコツ嚙み砕いていくコラムもあり、アメリカ発の最新情報など絶妙にサンドウィッチされて生きた情報をお届けいたします。

第596話~第923話まで、バトンタッチを受けたcryptoトレーダーは、DeFiとは何ぞや?ユーザー目線でコツコツ嚙み砕いていくコラムを書いていきました。

~第595話まで
現在の実態経済からは少し離れたところに、もう1つの経済圏がブロックチェーンによって興ると考えるShoが、その興隆を追っていくために毎日1社ずつ界隈のプロダクトを紹介していく超短編気まぐれ日刊コラムであり、メディア記事も幾つかピックアップしてお届けしておりました。

BRニュースレターにご登録ください!ご登録頂くと日本語版Weekly Does of DeFiが無料で読める!