ウォールストリートジャーナルの記事「暗号資産ブームで詐欺横行、狙われる投資家」を参考にしているのですが、暗号資産に関する20年10-12月期から21年1-3月期の詐欺による被害額は8200万ドルで、1年前の10倍程度になるとのことです。
暗号資産が上昇していることもありますが、ブームに便乗しての詐欺は確かに存在感が増してきているのかなと思います。特にDeFi、NFT関連の詐欺が増えてきたように思えます。
自分は詐欺に出くわさない、すぐに見破ることができると過信している人ほど危険です。それは悪意があるかないかということと、詐欺は別だからです。悪意のある行動を見破ることはできるかもしれませんが、善意の詐欺(自分が良かれと思ってやっている)はそうそう見抜けません。見抜くと言っても、ご本人からすると清廉潔白で疑いようがない行動をしているので、見抜くべきはテクニカルなことと自分側のリスク管理のみです。これは、極論を言うと自分の親であっても疑うべしということを意味します。トレーディングにも当てはまるのですが、詐欺であることと未来を予測することは不可能です。詐欺であってもそうでないと勘違いしている人、自分は未来予測ができるのだと勘違いしている人が確かに存在するのだということを踏まえて、自分はどう行動すべきかというのが重要です。人に依存してはいけないのです。
なお、この数字は警察当局等に自己申告している額のみなので、さらに巨額の詐欺が行われていることは間違いないでしょう。高い利回りが期待できるDeFiも詐欺師にとってはよい餌で、投資家の資金を持ち逃げする「rug pull(ラグプル)」という詐欺(敷いてある絨毯をひっぺはがす)が多いです。私もTwitterでDMが来て、詐欺師と小一時間ほどやり取りしてしまったこともあります。今回は時間の無駄だけで終わりましたが、ほんの少しの心の隙間に入り込み、実現可能な数字で示してくるので常に注意を払いたいものです。
慎重にしすぎるのもいけませんが、余裕を見せすぎてもいけない。ここは戦場であるということを忘れてはいけないということです。とする一方で、そんな固くならなくても新テクノロジーを楽しむというのもよいことだと思います。
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BlockRabbit『クリプト訪ねて三千里』とは。
第596話からのターン。バトンタッチを受けたcryptoトレーダーは、DeFiとは何ぞや?ユーザー目線でコツコツ嚙み砕いていくコラムを書いていきます。
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現在の実態経済からは少し離れたところに、もう1つの経済圏がブロックチェーンによって興ると考えるShoが、その興隆を追っていくために毎日1社ずつ界隈のプロダクトを紹介していく超短編気まぐれ日刊コラムであり、メディア記事も幾つかピックアップしてお届けしておりました。