クリプト訪ねて三千里:第1048話
OpenSea、NFTの販売が好調で過去最高の月となる

ビットコインやイーサが年明けに下落しているにもかかわらず、NFT(ノンファンジブル・トークン)の取引量は過去最高を記録しています。

NFT(ノンファンジブル・トークン)のマーケットプレイスであるOpenSeaは、過去最高の出来高を記録する月に向かっており、NFTがビットコインの価格下落から切り離された暗号通貨経済の一分野である可能性を示しています。

Dune Analytics社のデータによると、1月前半のOpenSeaの出来高は約27億ドルで、8月に記録した最高の34億ドルを上回る勢いです。

Dune Analytics社によると、1月9日、OpenSeaは1日で最大の2億6,100万ドルの取引量を記録しました。1月に入ってからは、連日、1億5,000万ドルを超える取引量を記録しています。

NFTの出来高が復活したのは、NFTコレクション「Bored Ape Yacht Club(BAYC)」とその姉妹コレクション「Mutant Ape Yacht Club(MAYC)」「Bored Ape Kennel Club(BAKC)」の価格高騰が原因のようです。コインデスクの計算によると、BAYCコレクションだけでOpenSeaの取引量の約10%を占めています。

また、NFT取引の新たな展開は、暗号資産の最もホットな成長セグメントに大きな市場構造の変化をもたらしています。

OpenSeaは、新たに立ち上げられた分散型NFTマーケットプレイスLooksRareとの競争に直面しています。LooksRareは、3日間で約4億ドルの販売量を記録し、OpenSeaが記録した数字と肩を並べています。
新規参入者がNFTの市場シェアを巡って既存のOpenSeaと競争しているため、OpenSeaの販売量はNFTの普及ペースを過小評価している可能性があります。

また、11月にNFT市場のアグリゲートであるGenieが登場し、資金力のある投機家がNFTの売買を一括して行うことができるようになり、時間と取引コストが削減されたことも、取引量の増加につながったと考えられます。

NFT取引のブームは、新年早々、より広範な暗号通貨市場が流血を経験したことに起因しています。

時価総額で最大の暗号通貨であるビットコインの価格は、月曜日に一時的に40,000ドルを下回り、年初から17%以上の損失を出しました。その後、ビットコインは反発し、記事掲載時には1コインあたり約42,800ドルで取引されています。

これまでNFTの出来高を独占してきたイーサリアムのブロックチェーンに関連する暗号通貨であるイーサは、今年に入ってから9.8%の損失を出しました。

2017年に設立されたOpenSeaは、NFT市場のリーディングカンパニーです。最近、ベンチャーキャピタルのParadigmとCootueが主導するシリーズCラウンドで、3億ドルの新鮮な資金を調達しました。今回の資金調達により、OpenSeaの評価額は133億ドルとなり、7月のスタートアップの評価額15億ドルから約10倍に上昇しました。

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ABOUTこの記事をかいた人

農耕型・堅実派のアルゴリズムトレーダー。夢はヘッジファンドを自動で運用することです。簡単なプログラミングからパソコンの組み立てまで全て一人でできるバランス感覚の持ち主です。 DeFi(分散金融)をわかりやすくお伝えすべく「クリプト訪ねて三千里」に挑戦しています。