先日取り上げたFigure Technologiesに引き続き、モーゲージ(住宅ローン)を取り扱うスタートアップをご紹介します!日本では住宅を購入する際にローンを組むのが一般的ですが、米国では日本のような住宅ローンも勿論ありながら、購入した自宅を(一旦)手放し、現金化するケースも多いようです。
米国で借り入れを行う場合、W2と呼ばれる源泉徴収票を提出する必要があり、派遣社員やフリーランサー、小規模ビジネスのオーナー等のW2を持たない人々が借り入れを行う方法は利率が非常に高いものに限られています。そこで、現れたのがEasyKnockのような不動産テックスタートアップです。
米国の不動産ファイナンス事情をもう少し深く知りたい方はこちらの記事を読まれることをおすすめします!
EasyKnock: https://www.easyknock.com/
住宅をすぐに現金化
不動産テックとしてNYで注目を浴びているEasyKnockはどのようなビジネスを運営しているのでしょうか。
EasyKnockが提供する商品は2つ。
Sell and Stay:
住宅を住宅を売り払って、まとまった資金を手に入れられる商品です。
住宅という資産はあるものの、今すぐにまとまった資金が欲しい方が対象となっており、ユーザーは自分の住宅をEasyKnockに売ることで、まとまった額を手に入れることができます。
特にSell and Stayでは、資金が必要だが住宅を手放したくない人が主な対象で、住宅をEasyKnockに売った後でもその住宅に住み続けることができます*。
*勿論家賃を支払う必要あり。
ウェブサイトには簡単な計算機があり、ユーザーは自分の住宅の市場価格と住宅ローンの残高から、手に入れることができる資金を見積もることができます。
例えば、約4000万円の住宅を所有し、住宅ローンの残高が約2000万円の場合。
EasyKnockで売ることで得られる資金は約630万円。
その資金が3週間以内に銀行に振り込まれます。
同じ住宅に住み続ける場合の月々の支払いは約33万円。(住宅価格の10% / 12という計算)
また、最終的に住宅を買い戻したい場合の価格は約2800万円。
流動性の乏しい不動産なだけに、言及するのが難しいですが、かなり限定されたユーザーが使用するのではと考えられます。
上記の例を見ると、すぐに現金化してあげる手間や時間にいくら払うのか、は要件等ですね。
MoveAbility:
こちらは上記の商品とは異なり、住宅を売り払い、まとまった資金を手に入れ、他の住宅に移る人が想定されています。
住宅を売り払った後も一年間ほどは、そのまま家賃を支払い続けることで住み続けられるのがEasyKnockのウリとのことです。
こちらはウェブサイトの計算機によると、ほぼ市場価格で買い取ってくれるようで、事務手数料以外(住宅価格の1.5%)のみ?
まだまだ情報格差や非流動性を盾にしたビジネスのようにも感じますが、ブロックチェーンによる不動産のトークン化によって、ここからどこまでユーザーが利便性やコストの削減を得られるのか、追っていきたいところです!
【EasyKnock】
・出資ラウンド(2019/5現在):Series Aと同時に借り入れ(Debt Finance)
・資金調達額:$319.7M
・売上予測:$2M
*出典はCrunchBase
https://www.crunchbase.com/organization/easyknock#section-patents-and-trademarks-by-ipqwery
・ポジションについて
2019年5月現在の従業員は-50名?(正確な情報は不明)。
空きのポジションは2019年5月現在エンジニアからマーケティングと幅広く募集していますので、興味のある方は挑戦してみは如何でしょうか!