クリプト訪ねて三千里:第985話
“ステーブルコイン” 安定した仮想通貨に潜むリスクと規制

ビットコインなどの暗号資産の特徴の一つとして、価格の変動性がある。その大幅な価値の変動が、投機の対象としての魅力の一つとなっているといえるだろう。その一方で、決済手段としての利便性を目的として、法定通貨などと連動させて担保とすることで、安定した価値を持つとされる「ステーブルコイン」という種類のコインが存在している。

“安定性”を強みとするステーブルコインだが、日本の金融庁が、ステーブルコインの発行および取引の仲介の規制へと動いている。

その規制内容は、日本円に裏付けされるステーブルコインの発行と仲介において、銀行と資金移動業のみに発行を許可するというものだ。

なぜ、安定した価値を魅力とするステーブルコインについて、その発行者および仲介者を特定のものに限定するのだろうか。

 

その背景にあるのが、ステーブルコインを裏付ける準備金におけるリスクである。つまり、ステーブルコインは、それを裏付ける準備金・担保があって、初めてその安定性を実現するものである。その点、この準備金がしっかりと用意されていなければ、一見安定したステーブルコインも大きなリスクを抱えることになるのである。

その点、この準備金の管理および透明性が十分に確保されていないという現状が存在していたことで、今回金融庁がステーブルコインの発行・仲介における規制の整備へと動いているのである。

今後、様々なコインやテクノロジーが発展していくと思われるが、投資家をはじめとするユーザーの保護、その背景に存在するリスク管理が重要となる。これからもテクノロジーの発展とリスク管理という両者の動きに注目していきたい。

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第924話からのターン。暗号資産、DeFi、NFTに感化された新進気鋭の若手が定期的に登場します!
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第596話~第923話まで、バトンタッチを受けたcryptoトレーダーは、DeFiとは何ぞや?ユーザー目線でコツコツ嚙み砕いていくコラムを書いていきました。

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現在の実態経済からは少し離れたところに、もう1つの経済圏がブロックチェーンによって興ると考えるShoが、その興隆を追っていくために毎日1社ずつ界隈のプロダクトを紹介していく超短編気まぐれ日刊コラムであり、メディア記事も幾つかピックアップしてお届けしておりました。

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