まとめ
・米財務省が昨日、北朝鮮のハッカーグループ「Lazarus」の保有するイーサリウムウォレットを制裁対象に追加した
・今回対象となったアドレスは、先月Axie Infinity から総額6.2億ドルを盗難したアドレスである
今回の制裁について
北朝鮮のハッカーグループ「Lazarus」は先月Axie Infinityのネットワークである「Ronin Network」から6.2億ドルもの資金を盗み出したと考えられている。実際の攻撃では173,600WETHと2500万USDCを盗み出している。
そしてこのグループが犯行の主体であることは、米財務省が同グループのイーサリウムウォレットを制裁リストに追加したことで分かった。米財務省が対象としたウォレットのアドレスと、先月Axie Infinityの開発母体であるSky Mavisが同サービスの攻撃者として発表したアドレスが合致したためである。
Sky Mavisが同アドレスが攻撃の主体であるということを認めるとともに、ブロックチェーンのアナリティクス会社ChainanalysisやEllipticも同様に、そのアドレスがAxie Infinityにハッキングを仕掛けたアドレスであると認めている。
FBIはLazarusを「政府に支援されたハッキング集団」としており、同グループの最初のサイバーアタックは2009年にまでさかのぼる。Lazarusは2-17年のWannaCryへのランサムウェア攻撃や2014年のSony Picturesの情報漏洩など、様々なサイバーアタックの主犯として考えられている。
これまでサイバーアタックの主な被害が情報流出であったのに対し、これから更にステーブルコインやCBDCの普及が進み多くの人々がデジタル通貨の使用を始めることで、サイバーアタックも資金流出や盗難といった、実際の金銭的被害を多く伴うこととなるだろう。特にCDBCとなれば国からの資金の盗難となるため、国家がこれからLazarusのようなハッカー集団に対してどのような対策と措置を取っていくのか非常に興味深い。
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現在の実態経済からは少し離れたところに、もう1つの経済圏がブロックチェーンによって興ると考えるShoが、その興隆を追っていくために毎日1社ずつ界隈のプロダクトを紹介していく超短編気まぐれ日刊コラムであり、メディア記事も幾つかピックアップしてお届けしておりました。