クリプト訪ねて三千里:第1028話
NFTの新しい形 LootNFTとは?

・「Loot」とは?

2021年8月27日、Vineの共同設立者でもあるDom Hoffmannが、Lootを発行しました。これは“ランダムな冒険者の装備”について書かれた単語だけのNFT8000個からなるプロジェクトです。そこに書かれている文字をよく見ると、ショートソードやディバインローブオブザフォックスなど、ゲーム中でキャラクターが使っているようなアイテムが表示されています。

 

・なぜ文字だけのNFTが注目されるのか?

Lootは新しいNFTの形を導入しました。その面白さを説明する前に、Loot NFTとは何かについてもう少し理解しておく必要があります。。

LootNFT内には8つのアイテムの情報が書かれており、単に1つの画像のNFTではなく、スマートコントラクトで読み取り可能なパラメータを持っています。つまりは各アイテム情報がブロックチェーン上に乗せられているということです。さらに、8つのアイテムはそれぞれ、Lootの世界の中で独自のレアリティを持っています。

例えば、上述のショートソードは8,000個の中で325回しか出現せず、ディバインローブオブザフォックスはたった1回しか出現しません。

つまり、スマートコントラクトと互換性のある、RPG的な言葉が書かれたNFTがあり、ある言葉は他の言葉より出現頻度が低いということです。

 

多くの人がLootに興奮するのは、NFTが何であるかということではなく、それが何になり得るかということであるように見えます。つまり、このNFTは文字だけが記録されているため、いくらでも解釈のしようがある、それを面白いと思った人の解釈に委ねられているということです。LootのNFTを土台にして、誰でも何かを作ることができるのです。

 

Electric CapitalのAvichal Gargは、Lootを52枚のトランプに例えて、このように語っています。「トランプの山は、それ自体では、絵が描かれた52枚の紙に過ぎません。しかし、ちょっとした工夫で、ポーカーからハーツ、クレイジーエイトまで、何千ものゲームの土台にもなるのです。」

これと同じ様に、Lootは、ゲーム全体のメタバースの基盤として機能することができます。理想的な最終状態は、「ショートソード」のような戦利品がさまざまな機能を果たすゲームのエコシステムです。

メタバースにおけるそれぞれの人が好きに作る「ドラゴンクエスト」だと考えてもらえるとわかりやすいかもしれません。Loot NFTの上に何かを構築する人は、与えられたアイテムが果たす機能を自分自身で決定することができるのです。

 

 

ゲームそのものを構築することなく、ゲームの基礎を構築することで、LootはそのNFTの運命を分散型コミュニティの手に委ねることしました。成功するかどうかは別として、多くの人にとって魅力的なアイデアであることは間違いないと思います。

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BlockRabbit『クリプト訪ねて三千里』とは。

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現在の実態経済からは少し離れたところに、もう1つの経済圏がブロックチェーンによって興ると考えるShoが、その興隆を追っていくために毎日1社ずつ界隈のプロダクトを紹介していく超短編気まぐれ日刊コラムであり、メディア記事も幾つかピックアップしてお届けしておりました。

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