仮想通貨の「儲かる」が186万件に対して、「儲からない」が482万件です。儲からないが72%を占めていて、マーケット参加者としてはおいしい状況だと考えています。
個人の意見の集合体が全体の総意とも言えますので、各主張を比較しながら思考訓練をしてみましょう。今回の記事を踏まえ、皆さまも自分自身の意見を持って相場に臨みましょう。
“お通夜から初七日へ”の記事を読んで
まずは、このインパクトのある見出しからです。
仮想通貨で最速で億り人になる方法:お通夜から初七日へ
仮想通貨からの撤退者がかなり多いということですが、まさにその通りと感じています。日本人に特に多いですが、熱しやすく冷めやすい国民性が如実に表れた結果と言えるでしょう。
結局は上がる方向しか見えていないということで、それは仕方のないことなのかもしれませんが、下げ相場でも儲かる手段がありますし、そんなセンチメントだからこそ徐々に上がるという考えも出てきます。要するに先のことはわからないのですが、だからこそ自分の意見をしっかり持って対応すべきと思っています。
相場の典型例としては、上がる⇒群がる⇒一般市民も参加する⇒トップからの急激な下落⇒損する人が出てくる⇒下落継続⇒悲観的な意見が出てくる⇒上がらない⇒忘れられていく⇒下がりにくくなる⇒徐々に上がる⇒上がる みたいなサイクルを経験します。今は「上がらない」のフェーズでしょうか。まだ「忘れられていく」フェーズには至っていないと思われます。
“ビットコインは「ゲームオーバー」”を読んで
次は、ビットコインは「ゲームオーバー」=米No.1テクニカルアナリストの記事です。
下がれば下がるだろうという意見で、さすが専門家というところです。こういう意見も出てきますが、もちろん反論意見も出てきます。メディアの操作と言うほどのことでもないですが、今の状況であれば悲観的ニュースの方がウケがいいということです。
仮想通貨に好材料の発表を読んで
天空の狐さんのビットコイン/仮想通貨ラボ「仮想通貨に好材料の発表が続くが、目先はビットコイン・元・金に注視」では、上記記事と全く視点が異なっています。確かに好材料が揃った時期があり、底入れかと思われた中ですが、実際は下落を経験しています。好材料で上がると書いていないところが肝でもあります。
ニュースには、価格に即時に反映するニュースとほとんど反応しないニュースがあります。ほとんど反応しないニュースにおいても、重要でないニュースと長期目線で重要なニュースがあります。今回の好材料としている報道は、いずれもほとんど反応しないニュースでかつ、長期目線で重要なニュースと位置付けることができそうです。
実務者と評論家の意見相違
実売買トレーダーと、いわゆるアナリストの違いをここで述べたいと思います。原稿を提出した段階のビューは、それぞれ本当に思っていることを書いています。ただし、実売買トレーダーは、記事を書いた30分後であっても意見を変更します。マーケットは状況に応じて刻々と変わるからです。一方で、アナリストの意見はほとんど変わらず、仮に意見を変えるとしても次回のレポートでなぜ変更するのかを確かな材料を持って説明します。
原理は単純で、以下のようなものだと思えばシンプルです。価格を意見とみなして、価格そのものが実売買トレーダーの意見(みどりの線)で、移動平均がアナリストの意見(黄色のゆるやかな太線)です。
ハイプ・サイクルに近似
更に突っ込んで説明をすると、実売買トレーダーの意見は適当です。マーケットの状況が変わることを知っていますし、材料も変わります。そして、更に重要なこととして、コメントで飯を食っているわけではないので、予想が当たっても当たらなくてもどちらでもいいからです。
受託者責任を負うトレーダーはしっかりとした説明を求められますが、そうでないトレーダーは結果だけが重要なので、その根拠を示す必要がないのです。ただ、適当とは言っても、他者に責任を負わないというだけであって、他に例のない鋭い見立てをすることもありますので貴重な材料となることもあります。
さて、根拠が必要ないということなので、私も根拠のない予想をしてみます。仮想通貨はいわゆるハイプサイクルに近似しているのではないかと、思うのです。
※画像はWikiから拝借しました。
ハイプ・サイクルとは、特定の技術が広まって落ち着いていく過程を図示したものです。今は幻滅期(幻滅のくぼ地、Trough of Disillusionment)に到達する前か、もしくは到達した後なのか。明確に示すことはできませんが、回復から安定へとたどる過程が将来あると私は確信しています。
まとめ
仮想通貨が「儲かる」のか「儲からない」のか。意見を比較してみました。私はハイプ・サイクルのような過程をたどると考えていますが、個人によって意見は異なると思います。皆さまはどう思われるでしょうか。それではよい一日を!