国内仮想通貨交換所の板の厚み

皆さま、こんにちは。クリプトトレーダーです。本日のテーマは「国内仮想通貨交換所の板の厚み」です。トレーディングは流動性が特に重要です。売りたいとき、買いたいときに反対の板がなければ損益を確定させることができません。

実売買とペーパー売買の最も大きな相違がこの「約定が可能かどうか」というところだと思います。その指標として一般的には出来高を参考にしますが、売買代金・出来高(取引量)だけでは市場の厚みを説明していることにはなりません。なぜならば、売買を頻繁に繰り返すだけのHFT(高頻度売買アルゴリズム)が取引量を押し上げているだけの可能性もあるからです。大事なのは、危ないときに逃げられるかどうか、これに尽きます。

とは言っても、「危ないとき」はどこも板がないものですが、通常時に板がなければ緊急時にあるはずがありません。そんなことも考慮して、実際の板を見ながら国内交換所を吟味していきます。

代表的な仮想通貨交換所の取引量

代表的な仮想通貨交換所の取引量
デイリーで平均した取引量を表にしてグラフ化しました。銘柄はBTCJPY(ビットコイン)です。このグラフだと、取引量の大きさの順番はquoinex、zaif、btcbox、bitflyer、coincheckとなります。

果たして、この順番通りの流動性が各仮想通貨交換所に備わっているかどうかというところです。

板の厚みをPythonでチェック

Pythonプログラムを実行した結果が上記の通りです。これはQUOINEX(コインエクスチェンジ)の状況です。各5社の情報を以下にそれぞれまとめました。

業者名 ベストスプレッド サイズ考慮スプレッド
コインエクスチェンジ 352 4位 806 3位
ザイフ 90 3位 635 1位
コインチェック 48 1位 1,483 4位
ビットフライヤー 83 2位 735 2位
btcbox 1,130 5位 3,833 5位

これを見ると、例えばコインチェックについてはベストスプレッドが小さいですが、サイズを考慮すると4位に転落します。ビットフライヤーはどちらも2位ですが、安定していると言えそうです。ザイフもいいかもしれませんね。

取引量の多かったQUOINEX(コインエクスチェンジ)はどうでしょうか。他の業者と比較して有利であるとは言えない感じです。

こちらはPythonのコードです。

[code lang=”js”]

import ccxt

#"zaif", "coincheck","bitflyer", "quoinex","btcbox"
exch=ccxt.btcbox()

orderbook=exch.fetchL2OrderBook(‘BTC/JPY’)
ask=orderbook[‘asks’][0][0]
bid=orderbook[‘bids’][0][0]

crypto_size=3

ask_volume=0
i=0
while ask_volume < crypto_size:
    ask_volume+=orderbook[‘asks’][i][1]
    i+=1

for ii in range(i)[::-1]:
    print(int(orderbook[‘asks’][ii][0]),’ ‘,orderbook[‘asks’][ii][1])
print(‘—————————-‘)
print(exch.id + ‘ベストスプレッドが’,ask-bid)
print(‘—————————-‘)
bid_volume=0
j=0
while bid_volume < crypto_size:
    bid_volume+=orderbook[‘bids’][j][1]
    print(int(orderbook[‘bids’][j][0]),’ ‘,orderbook[‘bids’][j][1])
    j+=1

ask_size_price=orderbook[‘asks’][i-1][0]
bid_size_price=orderbook[‘bids’][j-1][0]

print(‘******************************’)

print(exch.id + ‘のサイズ’ + str(crypto_size) + ‘枚を考慮したスプレッドが’,ask_size_price-bid_size_price)

[/code]

まとめ

流動性の感覚については、取引量を参考にしがちですが、実は板の厚みが最も重要です。板の厚みは一時点のものなので、状況に応じて当然変わりますが、取引量だけを参考にするよりは幾分かマシです。

板の厚み、もしくはベストビッドやベストアスクがプログラムで取得できるということは、今後ますます仮想通貨交換所間でのアービトラージが高度化することを意味しています。個人トレーダーでもマーケットメーク戦略の導入もできそうなところが仮想通貨トレードのイケているところです。この記事をヒントに皆様の行動を促すことになれば幸いです。それではよい一日を!

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