OlasではAIエージェントの活動履歴を予測モデルの学習データへ還流する仕組みが動き始めています。2,000万件を超えたオンチェーン活動から、AI×Cryptoの次の競争軸を読み解きます。
AIエージェントの活動そのものが資産になる
AI×Cryptoでは、エージェントにウォレットを持たせて取引させる構想が注目されてきました。Olasが一歩進めているのは、その活動から生まれるデータを次のモデル改善へ戻す循環です。OlasのAIエージェントによる累計オンチェーン取引は2,000万件を超え、エージェント間取引も1,400万件を超えています。単にAIをブロックチェーンへ接続する段階から、経済活動の履歴を蓄積するネットワークへ変わりつつあります。
予測市場がモデルの学習装置になる
中核開発企業Valoryが公開したOlas-Predict-R1-14Bは、予測市場で実際に使われた21万件超の予測データを学習に利用しました。将来事象の確率予測を行い、結果が確定すれば予測の良否を検証できるため、Prediction MarketはAIにとって天然のフィードバック環境になります。2,628市場を使った後続評価では、Brier Scoreがベースモデルの0.2249から0.1792へ改善しました。Brier Scoreは予測確率と実際の結果のずれを測る指標で、低いほど良好です。
Web3の強みはモデルではなくデータ循環か
重要なのは14Bモデルそのものより、エージェントが予測を購入し、市場で行動し、結果が確定し、その履歴が次の学習材料になる構造です。Mech Marketplaceではエージェント同士がサービスを売買できるため、推論、データ、決済、インセンティブを同じ経済圏に置けます。AIモデルの性能差が縮小するほど、誰が独自の検証可能なデータを継続的に生成できるかが差別化要因になります。日本のWeb3事業者にとっても、AIエージェントを単なるUIとして導入するのではなく、その活動データがプロダクト改善へ戻る設計まで含めて考える必要がありそうです。







