クリプト訪ねて三千里 第1585話:DeFiのTVL増加は本当に資金流入なのか

DeFiのTVLが増えても、新規資金が流入したとは限りません。ETHやSOLなど担保資産の価格上昇でもドル建てTVLは膨らむため、Stablecoin SupplyやBorrow Amountと組み合わせて実需を読み解きます。

TVLだけでは資金の動きを判断できない

DeFi市場を見る代表的な指標がTVL(Total Value Locked)です。しかし、ETHやSOLなどを担保にするProtocolでは、Token価格が上昇するだけでもドル換算のTVLは増えます。最近のEthereumやSolanaでも、TVLの伸びに対してStablecoin Supplyの増加が緩やかで、資産価格の上昇が数字を押し上げている可能性があります。

確認すべきは資金量と利用量

新しいLiquidityが実際に入っているかを見るには、価格変動の影響を除いたToken Balanceに加え、Stablecoin Supply、Net Bridge Flow、Borrow Amountを組み合わせる必要があります。例えばレンディングでは、預入額だけが増えてBorrowが伸びなければ、金融活動そのものが拡大したとは言い切れません。DEXでもTVLと同時にVolumeやFeesを見ることで、預けられた資本がどれだけ使われているかを確認できます。

オンチェーン市場は「残高」から「回転率」へ

Protocolを比較する際も、TVLの大きさだけでなく、資本がどれだけ貸し出され、取引され、Feeを生んでいるかを見ることが重要です。日本企業がDeFiやTokenized Assetを評価する場合も同様で、残高だけではなくUtilizationやRevenueまで追うことで、実際の金融需要をより正確に捉えられます。