「仮想通貨」という言葉を耳にした時、頭に浮かぶのはどんなイメージだろうか。
“通貨”という単語から、日本円やドルのようなお金の一種だと認識している人も多くいるだろう。
しかしながら、仮想通貨と呼ばれるものは厳格には日本円やドルのような法定通貨とは異なる存
在なのである。
実際に、仮想通貨に関する法律として「資金決済に関する法律(資金決済法)」が存在するが、そ
の条文の中で仮想通貨は、“暗号資産”という呼称が使われている。
これは、“通貨”という単語が使われる事で、本来は法定通貨ではない仮想通貨が、通貨の一種
であると認識されることを防ぐ目的も含まれているのである。
では、暗号資産とは法律上でどのように定義されているのだろうか。
暗号資産の定義は、資金決済法第2条5項に規定がある。暗号資産の定義として、不特定の相
手から物品やサービスの提供を受けたり購入及び売却を行うことができる「財産的価値」であり、
電子情報処理組織を用いて移転することができるものといった旨が述べられている。同時に条文
には、「本邦通貨及び外国通貨並びに通貨建資産を除く」と規定されている。
一方で、法定通貨とは国家によって強制通用力が認められている通貨であり、「日本銀行法」の
第46条2項と「通貨の単位及び貨幣の発行等に関する法律」の第7条に裏付けられている。
そのほか、暗号資産と法定通貨の違いとして、暗号資産には①中央管理者がいないこと、②発
行上限が存在すること③大きな価格変動のリスクがあること等が挙げられる。
上記のように、法律上の定義における明確な違いとともに、各々の特徴・性質から両者の違いを
理解することができるのである。
さて暗号資産というものが、我々が普段から使用する円やドルとは違う存在であると理解が進ん
だ今、改めて暗号資産とは一体何であろうか、そして暗号資産をめぐる法律システムはどのよう
に整備されているのだろうか。
今後、暗号資産の認識を少しずつ進めながらも、周囲の法規制についての理解を深めていきた
い。
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BlockRabbit『クリプト訪ねて三千里』とは。
第924話からのターン。暗号資産、DeFi、NFTに感化された新進気鋭の若手が定期的に登場します!
ユーザー目線でコツコツ嚙み砕いていくコラムもあり、アメリカ発の最新情報など絶妙にサンドウィッチされて生きた情報をお届けいたします。
第596話~第923話まで、バトンタッチを受けたcryptoトレーダーは、DeFiとは何ぞや?ユーザー目線でコツコツ嚙み砕いていくコラムを書いていきました。
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現在の実態経済からは少し離れたところに、もう1つの経済圏がブロックチェーンによって興ると考えるShoが、その興隆を追っていくために毎日1社ずつ界隈のプロダクトを紹介していく超短編気まぐれ日刊コラムであり、メディア記事も幾つかピックアップしてお届けしておりました。