FBIと米国法務省は去年、北朝鮮政府から支援を受けているハッカー集団が米国内の病院に危害を与えることを防ぎ、50万ドルの仮想通貨と身代金を差押えた。
火曜日に、法務省のLisa O. Monacoがハッカー集団はカンザス州の病院に2021年に身代金を要求し、金額が支払われなかった場合は同施設の中心サーバーを攻撃すると脅していた。病院は身代金を支払ったが、法務省の当時の発表ではその支払いは仮想通貨で行ったと公表されなかった。
政府に支援されたハッカー集団については、好ましいニュースは何一つない。同グループは2021年に、BTCとETHで4億ドルもの金額を盗んでいる。そして4月には、米政府は北朝鮮の仮想通貨業界における不法な活動について、サイバーセキュリティ面での助言を発表している。
Monaco氏は、FBIと米法務省は盗まれた仮想通貨が発見されたパブリック型のブロックチェーンを分析することで、ハッカー集団の行動を分析できたと語っている。そしてその資金は中国内のマネーロンダリングを常習的に行っている者のウォレット内に入っていることが発見された。
米政府は、2021年のコロニアル・パイプライン社へのランサムウェア攻撃時にも、同手法を用いることで盗まれたBTCを取り戻していたと述べた。
調査の間には様々な身代金の支払いの履歴を確認し、ハッカー集団はコロラド州の病院からも同様に身代金を受け取っていたり、窃盗を行っていたことが判明した。その総額は50万ドルにのぼる。
米法務省はどの仮想通貨で盗んだ資金を管理しているかは明言しなかった。しかし、ランサムウェア攻撃による窃盗資金の管理は、通常BTCやMoneroといった匿名性の高いコインで行われている。
Monaco氏は、米政府はこれらの資産の差押えに成功したほか、資産の払い戻しも終えているという。
今回のニュースから、再びサイバーセキュリティの脆弱性が明らかになったと感じた。このような犯罪集団は非常に優秀なハッカーたちを揃えており、ハッカー集団出身のホワイトハッカーなども少なくない。しかし、ハッカー集団から引き抜きを行い、ホワイトハッカーとすることで人々を守るはずである政府が、北朝鮮ではハッカー集団を支援するという構図になってしまっている。これでは不法行為を取り締まるものがおらず、北朝鮮のサイバー環境は不法地帯となってしまうだろう。
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