クリプト訪ねて三千里 第1594話:米10年債5%時代、Bitcoinを支える現物需要と縮むレバレッジ

米10年債利回りが5%台に乗る一方、BitcoinはETFを中心とする現物需要に支えられています。金利上昇が現物価格より先にレバレッジ、資金調達、DeFi利回りを圧迫する現在の市場構造を整理します。

金利上昇でも現物市場が崩れなかった理由

米10年国債利回りは10月1日に5.3%台まで上昇し、暗号資産にとってリスクフリー金利のハードルが一段と高くなりました。それでもBitcoinは第3四半期に約43%上昇しました。背景にあるのが現物ETFを通じた資金流入です。米国のBitcoin現物ETFには同四半期に約63億ドルが流入し、高金利によるバリュエーション圧力を別系統の現物需要が吸収する構図となりました。

先に調整したのはレバレッジだった

価格だけを見ると金利ショックの影響は小さく見えますが、デリバティブ市場では異なる動きが確認できます。9月25日には一部取引所のOpen Interestが14.3%減少しました。Open Interestは未決済のデリバティブ建玉で、市場に残るレバレッジの規模を見る指標です。長期金利上昇は借入コストやBasis取引の採算を悪化させるため、現物を売る前にレバレッジポジションを縮小する動きが起こり得ます。

5%の国債が暗号資産の資本コストを変える

重要なのはBitcoinと米国債の単純な逆相関ではありません。安全性の高い国債で5%前後の利回りを得られる環境では、DeFi、暗号資産担保融資、Basis取引などは追加リスクに見合う上乗せ収益を求められます。これはプロトコルのTVL獲得や企業のBitcoin財務戦略にも影響します。現在の市場を見る際は価格方向だけでなく、ETFによる現物需要とOpen Interestによるレバレッジ需要を分けて観測することが重要です。