クリプト訪ねて三千里 第1591話:Base CobaltがB20を拡張、RWA向けトークン基盤は「発行後の管理」へ

BaseのCobaltアップグレードがメインネットで有効化され、B20に資産回収、複合ポリシー、倍率更新などが追加されました。RWAの競争軸が発行機能から、規制資産を継続管理するインフラへ移る意味を読み解きます。

トークン化資産は発行して終わりではない

Base MainnetでCobaltアップグレードが有効化されました。注目点の一つが、Baseネイティブの資産発行規格B20の拡張です。RWAやステーブルコインでは、発行後にも制裁対応、資格変更、秘密鍵紛失、裁判所命令などへの対応が必要です。Cobaltはこうした現実世界の運用をプロトコル側へ組み込みました。

burnからseizeへ変わった意味

新しい`seizeWithMemo`では、権限を与えられた管理者が対象口座の残高を別アドレスへ移せます。従来の`burnBlocked`は残高を焼却するため総供給量が変動しましたが、seizeは移転なので供給量を維持できます。さらに処理理由をmemoとして記録し、専用イベントを残せるため、法的保全や監査との接続を設計しやすくなります。機能自体は発行者がポリシーを設定しなければ有効になりません。

コンプライアンスがスマートコントラクトの部品になる

CobaltではUNIONとINTERSECTによる複合ポリシーも追加されました。例えばKYCの許可リストと適格投資家リストを組み合わせ、双方を満たす場合だけ移転を認める設計が可能になります。資産表示倍率の変更を予約できる仕組みも入り、株式分割などTradFi特有のイベントにも対応しやすくなりました。

日本のRWAにも共通するインフラ論

RWA市場では「何をトークン化するか」が目立ちますが、実運用では権利移転、凍結、回収、監査、コーポレートアクションをどう処理するかが重要です。Baseの方向性は、L2を単なる高速なEVMではなく、規制資産を運用するための市場インフラへ広げるものです。日本でセキュリティトークンや預金・証券のオンチェーン化を進める場合にも、発行後のライフサイクルをプロトコルレベルでどこまで標準化するかが重要な設計論点になります。