ブロックチェーン 仮想通貨

オンラインにおける最高のセキュリティーとプライバシーの答えは暗号化?

インターネット、ソーシャルネットワークと一線を引いてしまったら、世捨て人になるしかない今の時代。しかし、これらを通じて自分(とその情報)が外界にさらされる程度や量もハンパではありません。ネットサーフィンするたび、ソーシャルネットワークで発信・フォローするたびに、自分の「思考」や「嗜好」が誰かに売られている現実…。

そこで今回は特定のブラウザーとチャットに注目しました。共通点はずばり、最速通信と最高のプライバシーおよびセキュリティーを謳っていることです。

1、ブラウザー「Brave」(https://www.brave.com

Chromiumベースのオープンソース、完全無料webブラウザー。JavaScriptの開発者およびMozilla共同創設者のBrendan Eich氏が手がけました。イニシャル・コイン・オファリングにより巨額の資金を短期間に集めたことがもっとも注目されましたが、その特徴は、まず広告ブロックがデフォルト設定されていることにあります(日本語仕様にもできます)。

ユーザーのプライバシーを侵害し、お金や時間を奪う広告およびトラッカーをブロックすることで、より速いブラウザーを実現したとホームページの最初にあります。広告が表示されないので、たとえばCNNのホームページではChromeが84秒かかるところをBraveなら12秒と、7.2倍もはやいという触れ込みです。

これにより、モバイル端末なら広告やトラッカーをダウンロードするときに発生するデータ課金の節約になり、それ以外でもダウンロードに取られる時間が節約できるという考え方です。そして何より、広告を見ている自分という「情報」が第三者に流れることで発生する価値が守られます。つまり「プライバシー」の保護です。

実際、「プライベートタブ」を選べばページ履歴が記録されないので、ブラウザーを閉じた時点でそのタブとCookieが消える設定もあります。

そして広告をブロックすればスピードが速くなるだけでなく、マルウエアやランサムウエア、スパイウエアなどに感染する確率も下がります。HTTPSを使っているので、ユーザーのコネクションが暗号化されるため、アイデンティティ、履歴、支払い記録などもすべて暗号化されます。つまり「セキュリティー」の確保です。

2、チャット「Telegram」(https://telegram.org

クリプトのチャットアプリ。ロシアのマーク・ザッカーバーグと言われるPavel Durov氏(イケメン)が開発しました。こちらも完全無料、広告なしでオーブンソース(現在はまだ一部)です。そして最速通信と最高のセキュリテイーおよびプライバシーを謳っています。ちなみにこちらはまだ日本語対応はしていません。

TelegramホームページのQ&Aセクションが、ネット上のプライバシーについて熱く語っています。FacebookやGoogleがプライベートなデータをマーケターほかの第三者に手渡していることを強く非難した上で、以下のふたつが最も重要な点であるといいます。

  1. あなたのプライベートな会話を政府関係者や雇用主といった第三者が詮索するのを阻止します。
  2. あなたの個人データをマーケターや広告主といった第三者から守ります。

Telegramでは、セキュリティーとプライバシーを「シークレットチャット」という機能が究極のかたちで実現しています。このシークレットチャットでは、送信者と受信者でのエンドツーエンドな暗号化により、サーバー上にチャットの痕跡を残しません。そしてメッセージは時限式で自動削除を設定ができ、転送も不可。そしてログアウトすると履歴は消えてしまいます。

ほか全体に通じる設定として、自分が設定した期間ログインをしないと、アカウントが自動的に消滅する機能まであります。なんだかスパイ映画みたいですね。セキュリティー性があまりに高いため、保存性はほぼゼロ。

確実に広がりつつあるユーザー数の理由とは?

そのユーザー数は現在1億8000万人とも。使命は、地球上のどこからでも使える安全なコミュニケーションツールの提供だというTelegram、その人気は確実に広がっているようです。

The Cointelegraphの記事によると、こうしたプライバシーおよびセキュリティー重視の姿勢が圧政に苦しむ一般市民たちの間で支持され、たとえば現在も反政府デモで混乱が続くイランでは、インターネットトラフィックの40%をTelegramが占めているとも、単独で4000万人のユーザーがいるとも言われています(もっとも政府によって現在インターネット自体が一部遮断されたままなのですが)。

イラン政府はシークレットチャット機能を憎むあまり、創設者のDurov氏をテロ罪で不在訴追までしたそうです。氏自身は独裁状態のプーチン大統領に目の敵にされて母国ロシアを去り、カリブの島の市民権を取得したのち、ほとんど時間をドバイで過ごしているとのこと。反骨精神の人なのですね。

さて実は、これまでふたつの例からみてきた「高速通信」と「最高のセキュリティー」に加えて、新たな展開がTelegramについて囁かれているというのが、この記事の本題です。Telegramホームページではまだ正式発表になっていませんし、Durov氏本人には確認が取れていない情報ということをまずはお断りします。

膨大なユーザー数を抱えるチャットアプリが内包する可能性とは

それは、今年早々に独自のブロックチェーンと通貨をローンチするというもの。仮の名前は「The Open Network」か「Telegram Open Network (TON)」とされていて、ブロックチェーンテクノロジーの改善版が基になるとのことです。すでに2億人に迫る勢いのユーザー数と、日々700億のメッセージをその分散型ネットワーク内で送信していることをバックグラウンドに独自の通貨を発行、世界でもっとも採用される仮想通貨を目指すといいます。

Telegramアプリ内で瞬時かつ手数料なしに送金が可能になるであろうことから、一般市民のお金が国家の支配から解放されるきっかけにもなるかもしれないというのは、元Telegraph広報部門にいたAnton Rozenberg氏という人物の弁。TONのリーク動画をFacebookに投稿(動画のソースは不明)し、このユーザーフレンドリーな仮想通貨は、抑圧的な政府の下にいる人たちを助けることになるだろうと指摘しました。

結論

p2p、完全無料で広告なし、最高のセキュリティおよび最速通信はどんな人にとっても魅力ですから、これだけでも急速に拡大していく理由としては十分です。加えて世界には、「セキュリティー」と「プライバシー」がサバイバルに直接つながっている人たちの方が、そうでない人よりも多くいる…。これを考慮した時、Telegramのような試みが今後の世界の主流へなっていくだろうことを想像するのは、それほど想像力を必要とすることではないのかもしれません。

Durov氏はTelegramプロジェクトをチャリティーだと考えており、彼のユーザーのプライバシーがリスクに対してあまりにぜい弱なため、Telegramは「200億ドルのオファーがあっても売らない。これは生涯保証だ」と断言しています。


https://telegram.org/faq

https://www.bloomberg.com/news/articles/2017-12-12/cryptic-russian-crusader-says-his-5-billion-app-can-t-be-bought

https://cointelegraph.com/news/exclusive-telegram-to-release-blockchain-platform-native-cryptocurrency

https://youtu.be/OHQnyfS-a3U